課長の営業

2007-11-03 21:03:26 | アパート建築営業マン

課長は言った。

「いいか。地主の家に営業するためには、相手の家族構成を聞くことが重要だ。地主が『ボクもアパートを建てたいな』と思ったとしても、家族の誰かが反対してポシャることが多い」と言う。これには、「なるほど」と思った。
 
「そのためには、まず、自分のことを話すことだ。自分のことを話してオープンにすれば、相手も乗ってきて話し始める。『自分は、某県出身の農家の息子で、親の相続で苦労しました』と、オレはいつも話している。」とも言った、
 
ありがたいことに、飛び込み訪問に同行して、実演してくれると言う。
 
まず、課長とともに一軒目に飛び込んだ。地主は、無口な人だった。庭で草むしりをしている。
 
課長は語り始めた。「私は、某県出身の農家の息子です。親の相続で苦労しました・・・」。地主は、「へえ、そうなの。あの辺は、コメどころだから、田んぼが多いんだろうねえ」と、話に乗ってきた。こりゃ、イケそうだ。使えるトークだな!!
 
次の地主のところに入った。地主は、「またか。お宅の会社は、毎日、営業マンがやってくる。昨日も2人来た。」と迷惑そうだ。課長は語り始めた。「私は、某県出身の農家の息子です。親の相続で苦労しました・・・」
 
次の地主も、その次の地主も、そんな調子。相手の反応など構わず、いきなり自分の身の上話を延々と始める。
 
「これが、『自分の勝ちパターンを確立した』ってことだな」と思った。もっとも、相手の反応などお構いなし、というのは気になったが・・・。