
茨城県古河市下辺見
住吉の雨乞いで義経に見初められた静御前。
平家を都から追いやった既に武勇を都に知らしめ、平家追討に多忙な義経には11人の愛妾がいました。
どの愛妾も等しく愛していましたが、義経と頼朝の兄弟が破局となり、義経が土佐坊昌俊の襲撃を受けた際、義経に鎧を素早く持ち出して臨戦態勢を整える気丈さが二人の間を急速に縮めました。
義経が頼朝により追討の身に落ち、西国での再起を賭けて船で出て、運悪く嵐に見舞われて引き返した後、義経は愛妾たちを親元に帰したものの、愛妾では静御前だけを伴い弁慶ら主従と流浪の旅を共に出ます。
京に戻れず、南都の南、吉野へ逃れた義経主従でしたが、吉野でも義経追討の機運となり、山中深く逃れるものの、熊野へ抜ける大峰山中へ入ろうとするも、そこは女人禁制の地にて先へは進めず、義経は静御前に護衛の下僕を付けて帰す決断をします。
義経も静も、今生の別れを予感し、義経は愛用の手鏡と初音の鼓を託して別れました。
静が義経と別れた後、下僕は静から品々を奪って逃走…一人残された静は山中を彷徨いながらも吉野の蔵王堂へたどり着いたところで僧兵たちに捕らえられ、頼朝方に引き渡されました。
4に続きます。