日々雑感  ~ 青亀恵一

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特例の縮小で合意したが

2006-09-19 07:36:07 | 社会
特例の縮小で合意したが


貸し金業に関わるグレーゾーン金利解消で、
多重債務者の救済を目的とした出資法の改正で、
金利と実施までの期間縮小で、与党内で合意した。

合意内容は、
少額の融資に限っては、上限金利を25.5%とし、
法律改正後5年までは、それを温存するというもの。

法律改正の当初の目的である、
消費者に分かりにくいグレーゾーンを廃止して、
多重債務者を救済するということがないがしろにされた。

進歩はしたが。

大手5社の消費者金融からの借り手の260万人が
延滞状況に入っているという。
そして、ホームレスのうち4分の3が
消費者金融に借金しているという実態もある。


意見が違う両者が合意するには、
そのいずれの方も我慢し、中間的結論を得る場合は多い。
しかし、それには、当初の目的に合致しているということが条件となる。

今回の意見の違いは、
業者の保護か消費者の保護かの対立のようである。

なかには、
「急激に下げることは、貸し渋りが起こり、
取り立てもさらに厳しくなり、店じまいも起こる」
と、自民党の保岡議員。
消費者を案じているようであるが、
まさに業界を代表しているようなコメントである。
新たな多重債務者を出さないようにしたいという思慮が無い。


当初は、有識者会議の答申どおり、
グレーゾーン金利を全面的に廃止することですんなり決まる予定であった。

しかし、そこにヨコ槍が入った。
業界から大きな圧力があった。
政治資金も多く受けているらしい。

さらにその業界には、アメリカ資本が入っている。
そして、アメリカの業界や議会からの強い要請もあったと新聞は報じている。

日本の政治家は、日本人のために政治をする人であると信じているが・・・
議員の不満も多い。
このまま通していいものか。

合意したのであるから、通ってしまうであろうが・・・・

このような政治をいつまでも続けてよいものだろうか。
考えものである。


今回の協議では、大きな問題も山積みになっていると。
それは「リボルビング払い」である。
利用者が、利用金額や件数に関わらず、
毎月、定額の返済を利用者の決めた期間で支払うもの。

たいへん便利で、使いやすく、利用者も多い。

大手消費者金融5社の無担保ローンの貸付残高が
1兆9000億円と言われ、
そのうち 96・6%が「リボ払い」である。

「リボ払い」は、負担感が見えないため、
長期借り入れが横行し、
「リボ中毒」と言われる人を生み出している。

例えば、27%の金利で50万円借りた場合、
6年で返済するとすれば、総額101万円にもなる。

それをしっかり認識しない場合が多く、
「リボ払い」を重ねて、
多重債務者になる場合も多いという。

この「リボ払い」の返済期間に上限を設けることと
最低返済金額の設定をすることによって
借りにくくはなるが、
金利の負担軽減にはなる。

当初は、返済期間を3年以内とする議論もあったが、
返済期間や最低返済金額の設定をすることは、
業者の自主規制ということで落ち着いた。

この法律改正は、
多重債務者の救済を目的としたものであったが、
以上のように見てくると、
若干の進歩はあったものの
基本的解決への道筋をつけるものではない。

社会状況の格差が貧困層を生み、
多重債務者が生じている状況なので、
今すぐ、
金利を20%以下に一本化したり、
「リボ払い」の規制を設けただけで、
改善するとは思えないが、
少なくとも、多重債務者が増えていくことに
歯止めをかけるべく法律を改正し、
社会状況の改善を目指して
政策を進めるのが政治の仕事である。

初めて、消費者金融から借り入れをする人の年収は、
300万円以下の人が半分以上で、
格差社会の中で生きるためにやむなく、
借金しているのが現状である。

ますます深刻化していく多重債務者問題。

小手先ではなく、抜本的な対策が望まれる。

関連コメント「特例で骨抜きか?」
http://blog.goo.ne.jp/aogame_2006/e/c0abb62da928d76de23ba660b0f6873e



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