日々雑感  ~ 青亀恵一

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重い腰あげた(文化庁編)

2006-06-07 08:00:17 | 文化
重い腰あげた

洋画家和田義彦氏の「盗作」問題に関しては、
いじいじしながら文化庁の対応を見ていた。

素人目には、誰が見ても「盗作」である。

文化庁の判断は、「盗作とみられてもやむを得ない」というもの。
盗作と言っていない。
文化庁自身の立場を守るために、はっきりと過失を認めない姿勢に受け取れる。
やはり、お役所らしい。
非を認めない。

確かに厳密に言えば、盗作とは、この場合、イタリア人画家アルベルト・スギ氏が提訴し、裁判所が判断するものらしい。

しかし、大切なのは法の精神である。
世間の誰が見ても盗作と思える作品を、
「盗作とみられてもやむを得ない」というようなあいまいな表現でなく、
「限りなく盗作に近い作品」とでも判じてくれれば、納得もいくが・・・。

また、この件に関して新たな事実が出てきた。
和田義彦氏とイタリア人画家アルベルト・スギ氏(77)の絵が酷似しているという事実は、
賞の選考より前に、
一部の美術関係者には知られていたということである。

当初は、日本ではあまり有名でない画家の絵の盗作で、
選考の時には気がつかなかったのかなと思ったものだが。

選考委員の誰も知らなかったということか、
知っていたか判断できないが、
少なくとも受賞を決定しようとする時は、
再度、その点を調べるべきであると思われる。

数名の審査委員により決定されるという限界はあるが、
審査委員としての資質も問われよう。

例えば、「盗作等の問題はないのか」というようなことを、
そのような分野に精通した審議員の設置も必要となる場合があるかもしれない。

また、和田氏への受賞には、
新聞記者OBの美術評論家が強く推したという。

この評論家は、和田氏が以前「河北倫明賞」を受けた「両洋の限」展の委員も務めており、
専門誌などでたびたび同氏を高く評価してきた「親しい間柄」だという。

純粋に絵の評価で強く推したのか、どうか分からないが、
美術品は、賞を受賞するごとにその作家の作品価値が上がる。

和田氏の作品の価値を上げるための推薦?????

ここに至っては、今回の件に関しても、
心の片隅にそのようなことがなかったのかなと疑惑を抱いてしまう。

一般論として、
閉鎖社会・閉鎖システムには、
いろいろな利害が絡んだ利権の構図が生まれることは、
過去の歴史からの教訓である。

やはり、健全なシステムを維持するためには、公開性は不可欠である。


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