トリミング
だいぶ間が空いてしまったが久しぶりにまじめな話をしたいと思う。このテーマは気持ちが乗らないとなかなか書けないのが辛い。今日は少々時間もあるので以前決めていた「トリミング」について、現在の考えを書き残したいと思う。
「トリミング」とは写真の一部を切り抜くことだが、プロのスポーツカメラマンの先生方は「トリミング」を“NG”とされている様だ。確かに私自身も実際撮った写真とは異なるものだから本来邪道な事だと思っている(もちろんトリミング不要の写真もちゃんと有る、ブックマークの中にも幾つか)。しかし、私はプロではない普通のサラリーマンだ、1本50万も100万もする超望遠レンズなど買えるわけも無い。そう言ってしまうと、足らない分ピッチ(サッカーコート)の周りを走り回り選手に近づいて撮れば良いという事になるのだが、スポ少や部活のチームカメラマンとなると出来る限り全てのメンバーを正面から撮ってあげたいし、シュートシーンは外せない。加えて我が愚息は「キーパー」とくる。これは私自身の性格なのだろうが、ピッチの周りをチョロチョロしながら撮ろうとすると気持ちが落ち着かずなかなか良いものが撮れない事が多い(とは言っても1試合中全く移動しないわけでは無い、最低4ポジションは変える)。一番多いポジションは相手ゴール脇なのだが、そこからキーパーを撮った写真がこれだ。やはりこれだけ小さくなってしまう。
EF 100-400mm 4.5-5.6 L IS 焦点距離400mm
これを私なりに「トリミング」すると下の様になる。たとえ愚息とはいえ私も“バカ親”いやいや“親バカ”の一人、他の子と同じような大きさに写った子供の写真も残しておきたいと思ったりするのだ・・・・・
「トリミング」について私なりに気をつけている事が一つ有る、それは被写体の位置だ。これは何も「トリミング」に限った事ではない、人物の写真を撮る場合全てにおいていえることだ。下の写真はタッチラインから撮った1枚だが、ボール無しの状態で選手が叫んでいるシーン。これをちょっと良い作品風に「トリミング」すると・・・・
下のような写真になる。人物の視線の方向のスペースを空けるのである。必ずしも被写体を中央に置けば良い写真になるとは限らない。この場合プラスして言えば、ボールが無い場合は全身ではなく上半身に絞ってとる事が締りの有る写真になる。
色々と書いてみたが、基本はあくまでも「ノートリミング」である。しかし、今はまさにデジタル時代、もっと自由に写真を楽しんでも良いのではと思うのである。
最後に、新聞に載っているスポーツ写真はほとんどが「トリミング」されている・・・・・。