Del Amanecer

スペインとフラメンコ、ビセンテ・アミーゴと映画とフィギュアスケートについて

豪華ゲスト来日~「真夏の夜のフラメンコ」

2011-07-31 17:28:24 | コンサート&公演レビュー
毎年ご案内のハガキが届くものの、まだ一度も行ったことのなかった小松原庸子舞踊団の「真夏の夜のフラメンコ」。
3月の震災の影響で今回は開催が危ぶまれたそうだけど、日本を心から心配して支援してくれているたくさんのフラメンコの中でも大御所のアルティスタがボランティアで参加してくれることになって、開催されたのだそう。
そのアルティスタとは、小松原さんの師匠マノロ・マリン、クリスティーナ・オジョス、アントニオ・カナーレスにクリージョ・デ・ボルムホスといった豪華な顔ぶれ。
ファルキートの公演の時にもらったチラシでそれを知り、今回は行ってみることにしたのだ。

ここ数日の不安定な気候のため、最も心配なのが雨。
何しろ会場は日比谷の野外音楽堂。屋根はなく雨天決行。天気予報も微妙で、いつ降ってもおかしくない空模様だ。
大きめのビニール袋と100円ショップのレインコートを持参していざ野音へ・・・。
チケットを買ったのが遅かったし、もうこうなったらと開き直り、友人が小松原さんの事務所に電話してくれた時の「幻想的ですよ。」の一言で後ろから3列目の一番安いC席にした。ネット割引で2500円とは安い。
実際席に着くと、思ったほどステージは遠く感じられなかったのでよかった。

TUNAの3人組が場所を移動しつつ歌い、開演前の雰囲気を盛り上げる。
ギリギリお天気はもっている。昼間は蒸し暑かったけれど、風が出てきて気持ちいい。
まだ辺りは明るい。お客さんの入も上々のようだ。
すぐとなりはミキサーのスペースで、カメラマンもいる。かなり後方だけど中央なので見やすい。

6時を少しまわって開演。
しばし小松原さんの舞踊団のメンバーによる群舞が続く。
バイラオーラがほとんどな中、スペイン人バイラオール2人がとても目立つ。
背も高いし足も長い(笑)この二人のバイラオール、なかなかカッコイイね。
この二人と日本人バイラオールを加えた3人で踊った「スエーニョ」が素敵だった。

あたりは黄昏をすぎて少しずつ宵の薄闇に包まれていく。
空が時々雷で光っている。いつ降ってくるか心配しながらもプログラムは続く。

アンドイッツ・ルイバルとアントニオ・ブエンディアの二人にヘスス・オルテガが加わり、日本人バイラオール3人とバイラオーラ5人で踊ったブレリーア・ポル・ソレアーもなかなかスリリングでカッコよかった。

そしてついにアントニオ・カナーレスが登場!
かなり身体的に貫禄がついた感じ。でもあの激しいサパテアードは変わらない。
見ごたえ十分のシギリージャ。舞台に目が釘付けだ。
初めて彼を観たのは「トレロ」だった。あの雨の夜を忘れない。ずっとファンだもの。
最後に見たのは2005年の中野サンプラザ。
あの時一緒に来日したアントニオ・マルケスも今回参加する予定だったのが、リハーサル中の怪我で来日が叶わなかったそうで残念。

群舞のソレアーに続いてクリージョが登場。さきほどスエーニョを踊ったバイラオール3人と踊る。やっぱり私は男性の踊りの方がダイナミックで好きかも。
そしてバイラールたちがパルマを打ち、マノロ・マリンが登場。
フラメンコに年齢制限はない。フラメンコはすべての人たちが踊れる舞踊なのだ。
時にユーモラスな雰囲気を漂わせつつ楽しく素敵なアレグリアスを踊ってくれた。
いぶし銀の舞。若くてエネルギッシュなフラメンコも良いけれど、円熟の舞をじっくりと楽しませてもらった。

もう1曲群舞のロンデーニャのあとは、クリスティーナ・オジョスが登場。
黒いべスティードに真っ赤なターバンのように赤い布を髪に巻いて祈りのような舞を披露。苦しみのなかから不死鳥のように蘇り、羽ばたいていく。
そんな風な舞に小松原さんも涙を流して感激されていた。

この頃にはついに雨がポツポツしてきていたけれど、大降りになることもなく無事にフィナーレへ。
本当に宵闇の中、遠くから全体を眺めると「幻想的」な舞台で素敵だった。
最後のセビジャーナスを、小松原さんが師匠のマノロと、そしてクリスティーナと女同士で、カナーレスにクリージョに・・・とみんなが踊り、本当に豪華なセビジャーナス!
大満足な2時間半。来てよかった。

終わって立ち上がると今度こそ終演を待っていたかのように、雨が降り出した。
でももう傘がさせるので大丈夫。
雨も最後まで待っていてくれたなんて感激ね!
素敵な宵だった。
今宵も同じイベントが開かれる。雨が降らないといいね!

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小松原庸子舞踊団 第41回野外フェスティバル
「2011 真夏の夜のフラメンコ」
(東日本大震災 復興支援)

2011年7月30日(土)18時00分開演~20時30分(休憩なし)
日比谷野外音楽堂 C14列68番



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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご無沙汰です! (Angelita)
2011-08-03 07:08:59
きおこさんも会場にいらしたんですね!
マノロはソレアでしたか(^^:)
ほんとにすごい顔ぶれで、あそこにマルケスもいたら・・・。
みんな日本のことを想ってくれていて嬉しいです。
18日まで日本ですか。ぜひ会いたいです!
メールしますね。
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Unknown (きおこ)
2011-08-02 22:25:12
見に来ていてくれたんだね、ありがとう。
ほんと、あんなすごい顔合わせ絶対ないよ、スペインでも。マノロはソレアです。アレグリアスはクリージョね。ほんとみんなすごかったね。
はい、私も日本です。ちょっとだけお手伝いしていました。18日に帰るけどその前に一度会えるかな?
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それは残念!! (Angelita)
2011-07-31 21:07:39
Luziaさん
それは残念でしたね~。
私も毎年スルーしていたのだけど、今回は豪華なゲストが日本を応援するために駆けつけてくれるということで、初めて行きました。

実を言うと、この前の13000円も払って観たファルキートよりも満足度大だったのですよ。

最後大御所たちがセビジャーナス踊っているのは本当に貴重なことで・・・。
クリスティーナもしばらくは公演に来ないと言ってましたからね。来てくれて嬉しかった。

フラメンコたちはみんな日本を応援してくれていて、その暖かい気持ちが本当に嬉しいですよね。
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実は・・・。 (Luzia)
2011-07-31 19:01:20
Angelitaさん、こんばんわ。

今回の公演、ご招待券をいただいていたのですが、結局仕事で行けませなんだ・・・。

これだけ豪華な顔触れがご出演というこでもったいない事してしまいました・・・。

マノロ・マリン、クリスティーナ・オジョス、アントニオ・カナーレスにクリージョ・デ・ボルムホスといった大巨匠たちのお気持ちは嬉しいですね。ジョ○・ウィリ○ム○も見習ってほしいものでございます。
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