DEAD MAN ～ジョニー・デップのデッドマンを鑑賞！

この映画の解説はこのように書かれている。

「ジョニー・デップ主演、ニール・ヤングの音楽、ロビー・ミュラーのモノクローム映像による
ジャームッシュならではの叙事詩長編ウェスタンの傑作。」

就職のために西部にやってきたひ弱な印象の青年ウィリアムは、花売り娘を助けたことから
事件に巻き込まれ、自らも傷ついて殺人犯として追われる身となる。
そんな彼をネイティブ・インディアンのノーバディが助けながら追っ手をかわしてインディアンの
故郷にたどり着く。
死をみつめながらどんどん心の成長を果たしていく主人公をジョニーが印象的な演技で
魅力的に演じている。

モノクロームの映像は不条理な世界を描きながらもどこか透明で美しく、独特の空気が流れている。
人間のおろかさを描きつつも一篇の詩のような印象。
傷ついて目を閉じている子鹿のなきがらに添い寝をするように寄りそうジョニーの場面が美しくも
切なかった。

「お前は故郷に帰るんだ。」「クリーブランドに？」「そうではない。魂の故郷に。人が生まれたところに帰るんだ。」
インディアンのカヌーに乗ってウィリアムの魂は故郷に帰っていく。
なんとも静かなのに強烈な光を放つ作品だ。

変化していく主人公の心の動きを繊細に表現するジョニーの美しさは圧巻。