Del Amanecer

スペインとフラメンコ、ビセンテ・アミーゴと映画とフィギュアスケートについて

スペイン国立バレエ団Aプロを天井桟敷から・・・・

2015-11-08 18:20:48 | コンサート&公演レビュー
スペイン国立バレエ団の東京公演、AプロBプロ各4回ずつの公演。
10月31日初日の昼間の最初の公演を鑑賞したあと、11月2日には私の通うスペイン語学校・セルバンテス文化センターで芸術監督のアントニオ・ナハーロさんの講演会があった。

実は今回の初日の席は、ついフラメンコは前の方が迫力があっていいだろうと買った4列目の席がハズレで、とっても観にくい席だったのだ。
前すぎだったこともあるけれど、このあたりはまったく傾斜がなく、前の列にいらした方たちが和服だったために帯がじゃまで深く座ってくれなかったことと、お隣の方たちが公演中もお喋りをしていたことなどもあり、視界の中で分断される舞台と話し声に気がなって、集中できなかったのだ。
それでももちろん彼らの踊りは素晴らしかった。ただ、素晴らしかっただけにもっといい条件で観られたらよかったなぁという残念な気持ちが残ってしまったのだ。
席の当たり外れはある程度仕方ないにしても、もう少し後ろの席の方が全体は見渡せたのだろう。

そして月曜日のアントニオさんのインタビュー。これについてはまた次の記事にあたらめて綴りたいと思うのだけど、とにかく彼の作品に対する情熱をダイレクトに聴き、感じたことによって、もう一度観たい!という熱い想いがこみあげてきてしまったのだった。

今回の会場はAプロが東京文化会館、Bプロはオーチャードホールだ。
東京文化会館は何と我が家から徒歩圏内。地元のホールだ。
3日の朝起きたらいいお天気で「ああ、今日も国立バレエ団、上野に来るんだなぁ」とふと思った。そしてFacebookをチェックしていたら、国立バレエ団のページに「本日12時から当日券を販売します。お待ちしています!」なんて書かれているのを発見してしまった。
むむ、完売ではなかったのか・・・。でもきっといい席は残っているはずはないんだろうなぁ。でももしかしたら・・・などとあれこれ想像し始めていた。
そうなるともうなんだか行きたい気持ちがどんどん大きくなってきて、文化会館のHPで座席表と見え方などをチェックしている私がいた(笑)。

それでも11時半ちかくまで、2回も観るなんて贅沢!(本当はBプロもあるから3回なんだけど)などと悩んでいたのだけど、このまま行かないと後悔しそうな気がしてきて、速攻で身支度をして家を飛び出した。時計は11時45分を指している。
そしてなんと当日券発売の5分前に到着。列には3人しか並んでいない。

販売が始まった。
ボードにはB・C・D席と書かれている。
B席でも8500円なのだけど、もうここまで来たらB席にしようと決めた。
ところが、なんとB席でも4階席!
先頭と2番目に並んでいた方たちが3階席を買い、前の人は連席がなくて5階の右側D席を買っていった。そして残ったのが4階正面1列目と3階右側・・・。
もちろん3階の方が下だけど、それでも正面の方がバランスよく観られるにちがいないので、4階にせざるを得なかった。

一度ホールを離れて開場までの間、藝大の方のカフェで喉を潤し、再び文化会館へ。
4階席にたどり着くまで、どれだけ階段を上ったか・・・。屋根裏部屋の天井桟敷のようだ。
そして4階席からの眺めがこれ。



もちろん遠いけれど、視界を遮るものは何もない。
両隣も一人で来ている女性の方で落ち着いて観られそうだ。

開演時間。幕が上がる。
ミュージシャンたちは宙に浮かんでいるように見える。
背景に浮かぶ大きな丸いスクリーンが球体に見える。面白いかもしれない。
1階席の後方から観るのともちがう、上の方から鑑賞するのはもちろん初めてだ。
確かに文化会館だからこそ4階と5階席があるのだ。
こんなに上から観られるチャンスはめったにないぞ・・・となんだか楽しくなってきた。
そして、天井桟敷から観る2度目のAプロはまるで別物のようだった。

高いからこそ、マスゲームのような緻密に計算された群舞の動きがとてもよく見える。
初めての経験だった。近くで観てももちろん感動的だったボレロ。
男性と女性、赤と黒、群舞とソリストの掛け合いが見事に交錯し、うねりとなって遠く4階席までその情熱が伝わってきた。

ホタは一人の舞だったから、近くの方がよかったかもしれない。
でもセビージャ組曲は今度こそ分断されることなく、私の好きなオープニングの幕をちょっぴりあけて始まるところとか、群舞の美しさ、ラストシーンの鮮やかさなど、とても新鮮な気持ちで楽しむことが出来たのだ。
もちろん近くと遠くと両方の席から観たからこそ、頭の中でよかった部分だけを融合させることが出来た。こんな機会は滅多にないから、とても素敵な経験ができて本当によかった!

ナハーロさんの手腕は確かだ。そして彼の振付にはクギ付けになる。
古典をすべて理解しリスペクトしたうえでの斬新。
美しくドラマチックでとても印象的な、はっとさせてくれる作品。
そんなナハーロさんに再び会えたことも幸せだ。



Bプロはナハーロさんの新作がふたつ。とても楽しみだ。
フィギュアのグランプリシリーズの記事をはさんで、その次の記事にはナハーロさんのインタビューの様子と、そして彼が振付をしたフィギュアスケートの世界チャンピオンハビエルの新プロのことなども書きたいと思う。

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BALLRT NACIONAL DE ESPAÑA
スペイン国立バレエ団 2015日本公演
Aプログラム

2015年10月31日(土)  
     1230開場/1300開演~1500終演
        S席:1階4列15番
2015年11月 3日(火・祝)
     1230開場/1300開演~1500終演
        B席:4階1列24番


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