Del Amanecer

スペインとフラメンコ、ビセンテ・アミーゴと映画とフィギュアスケートについて

ロマンティックなお伽噺~「ジュリエットからの手紙」を鑑賞×2

2011-05-29 16:56:04 | CINEMA~映画
ヴェローナ。シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台であるイタリアの古都。
ここにジュリエット・クラブというボランティア団体がある。
愛の悩みや想いが綴られたジュリエットへの手紙に答えようと、ジュリエットになり切って返事を書いたジュリエットの墓の管理人ソリマーニ。
その後一時は途絶えていた「ジュリエットの秘書」を復活させて、ジュリエット・クラブのメンバーが世界中から寄せられるジュリエットへの手紙に返事を書くようになった・・とパンフレットに書かれている。

この映画のヒロイン・ソフィは記者を夢見るニューヨーカー。
婚約者のヴィクターはイタリア料理のシェフで、まもなく開店する自分のリストランテの準備で忙しい。
情熱的なヴィクターは悪い奴ではないけれど、自分の好きな世界について早口に捲し立てるばかりでソフィの話をちっとも聴いてくれない。
そんな2人がイタリアにプレ・ハネムーンで出かけるところから物語は始まる。

プライヴェートな旅行のはずなのに、相変わらずのヴィクターのイタリア料理への情熱の前に置き去りにされたソフィはひとりヴェローナの街に出掛け、運命に導かれるようにジュリエット・クラブに辿り着く。
そこでみつけた1通の手紙はなんと50年前のひとりの少女の想いを綴ったものだった。
ジュリエットの秘書として、その手紙を書いたイギリス人のクレアに返事を書いたことから、クレアの恋人だったロレンツォを探す旅が始まる。
ソフィの手紙を読んでイタリアにやって来たクレアとその孫チャーリー、そしてソフィの3人が旅を続けるうちに見つけたものは・・・。

クレアとロレンツォの50年前の恋を物語の縦糸にし、ソフィ、ヴィクター、そしてチャーリーの織りなす横糸が運命の物語を紡いでゆく。
子どもの頃母に捨てられたソフィと、事故で両親を失ったチャーリー。
ふたりを母親のような暖かいまなざしで見守りそっと背中を押すクレアが素敵だ。
「髪を梳いてもらうのは人生の喜び」とソフィの髪を梳くシーンには暖かい愛情があふれていて涙が出た。

ヴァネッサ・レッドグレープは老いてもなお美しい。
実際に一度別れていながら再びヴァネッサと愛し合うパートナーフランコ・ネロもそうだ。年を重ねても、重ねたからこそ輝く魅力。誰もが彼らのように麗しく年を取りたいと思うだろう。

旅の間に少しずつ惹かれあっていくソフィとチャーリー。
静かに静かにお互いの距離が縮まっていく。
ニューヨークに戻り、自分の書いた記事を認められたソフィは、もはや埋めようもない溝の広がるヴィクターとの関係に終止符を打ち、クレアとロレンツォの結婚式のために再びイタリアへ。
ヴィクターもちょっと可愛そうな気もするけれど、彼はきっと仕事への情熱に埋没してソフィなしでも生きていけるだろう。

ラストは羨ましいほどのハッピーエンド。
ソフィとチャーリーはロミオとジュリエットの悲恋を乗り越えて結ばれる。
そんな2人を50年の時を経て結ばれたクレアとロレンツォが祝福する。
4人を結びつけた「ジュリエットからの手紙」。
ソフィがクレアに書き綴った言葉は、自分への言葉でもあったのだ。

心がほっと温かくなるような、素敵な物語。
私の好きなこの雰囲気の作品たち、「ショコラ」「ホリディ」「プロヴァンスの贈りもの」に並んで
お気に入りの作品になった。
何も考えずに、心癒されたい時に観るのにお勧め。



*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
「ジュリエットからの手紙」
原題「LETTERS TO JULIET」
2010年・ アメリカ

~1回目~
鑑賞日: 2011年5月21日(土)10:20~(105分)
映画館: ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター2 C-08

~2回目~
鑑賞日: 2011年5月28日(土)14:30~(105分)
映画館: ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1 E-12




最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。