goo blog サービス終了のお知らせ 

政治そのほか速

政治そのほか速

<東日本大震災4年>奏でる支援

2015-03-12 06:23:55 | 地域

 <東日本大震災4年>奏でる支援


 ◇守山で41回目


  東日本大震災の発生から11日で4年を迎えた。県内でも犠牲者らの鎮魂を祈って法要やコンサートがあったほか、大津市は広域災害を想定した訓練を行い、災害派遣の初動態勢を整える手順などを確認した。(藤井浩、岡本久美子、池内亜希)


  守山市内のホテルでは午後2時から、市内在住のチェロ奏者と妻らが企画した「東日本大震災メモリアルコンサート」があり、音楽愛好家ら約110人がバイオリンとピアノによるクラシック音楽に耳を傾けた。被災地支援のため震災8か月後の2011年11月から毎月11日に欠かさず開かれ、この日で41回を重ねた。


  福島市出身で、大阪フィルハーモニー交響楽団に在籍経験があり、守山市浮気町に移り住んで35年のチェロ奏者、菱倉新緑さん(72)と妻、佳代さん(70)。震災後、被災地のために居ても立ってもいられず、音楽家仲間とコンサートを思い立った。近くのホテル「ライズヴィル都賀山」が会場を提供し、市民グループ「これから行動隊」文化部のメンバーもボランティアで協力を続けている。


  コンサートは毎回、菱倉さんらが約1時間、披露。くつろいだ雰囲気と質の高い生演奏の評判が高齢者や主婦らに口コミで広がり、毎回70~100人が集まる。出演希望者も増え、今夏までの予定がすでに決まっているという。


  この日は過去最多の聴衆が集まり、京都市交響楽団・相本朋子さんがバイオリン、華頂女子高講師・佐竹裕介さんがピアノ、菱倉さんがチェロを演奏し、エルガーの「愛のあいさつ」、バッハの「アベマリア」(グノー編曲)など8曲を披露。最後に「花は咲く」を会場の全員で歌った。


  会場で寄せられた義援金は、別の市民グループ「ドリーム18会」園芸の会(11人)が栽培した有機無農薬の野菜を福島市内の保育園(園児約100人)に送る送料に充てられ、77回に上る。


  佳代さんは「皆さんのご協力で続けてこられ、本当にうれしい。被災地に向けて『いつまでも忘れないよ』というメッセージを届けたい」と話した。


  園芸の会代表の臣(おみ)康雄さん(77)は「丸4年たっても被災地に帰れない人も多い。ささやかでも現地で安心して食べてもらえるように野菜を送り続けます」と話していた。



  • ロウソクを献灯する参列者(大津市の三井寺で)

      ◇ともす祈り 三井寺で法要


      天台寺門宗総本山三井寺(園城寺、大津市園城寺町)では午後2時半から観音堂で、導師の福家英明長吏が「東日本大震災の犠牲者のために」と表白を唱え、僧侶11人で読経。参列者約70人が、ろうそくを献灯した。


      参列した大津市の上田孝子さん(79)は「ろうそくを献じながら、津波の恐ろしさを思い出した。犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、行方不明の方が、早く家族の元へお帰りになるように願った」と話していた。


      同寺では、復興支援の一環として、福島名産の立子山凍(し)み豆腐の販売も行い、売り上げの一部を被災地に寄付する予定という。


      また、天台宗総本山比叡山延暦寺(大津市坂本本町)でも、午後2時半から半田孝淳・天台座主の名代として毘沙門堂(京都市)の叡南覚範門主を導師に、約20人の僧侶が法要を営んだ。震災が起こった午後2時46分には、山内の鐘を一斉に鳴らし、参拝者に黙とうを呼び掛けた。



    • 被災地への派遣を想定して集合した緊急車両や隊員ら(大津市で)

        ◇生かす教訓 大津で訓練


       

        大津市消防局は、和歌山県沖を震源とする大規模な地震が発生したとの想定で、被災地に派遣する職員や機材などを手配する災害対応訓練を行った。


        午前8時にマグニチュード8の地震が発生、大津市でも震度5強を観測したとの想定で実施。初動態勢に見立て、出勤時の職員は消防署や各部署の指定場所に集まり、活動計画に沿って災害対策本部を設置する手順や、庁舎の被害状況を確認するなどした。


        その後、消防庁から緊急消防援助隊の出動要請を受け、同市のなぎさ公園に、災害支援車や救助工作車など8車両32人が集まり、一次隊を結成。県内の各隊が集合する場所に指定された名神高速道路の大津サービスエリアへ向かった。


        東日本大震災の際、同消防局はのべ22日間、476人を派遣。自身も出動した堀広哉警防課長は「訓練を重ね、いつでも出動できる体制を整えるとともに、若い隊員らに現場の教訓を伝えていきたい」と話していた。



「丹波布」伝習生の創作展

2015-03-12 06:23:47 | 地域

 「丹波布」伝習生の創作展


 


  • 入門1年目の長期伝習生の作品が並ぶ会場(丹波市青垣町の市立丹波布伝承館で)

  •  

      国の無形文化財に指定されている「丹波布」の継承に取り組む丹波市青垣町西芦田、市立丹波布伝承館で、長期伝習生5人の創作展が開かれている。21日まで。


      丹波布は、草木で染めた手紡ぎの綿糸を用い、縦糸に木綿糸、横糸に絹を交ぜ織りにし、茶色、紺色、緑などのしま模様を表現した織物。紡ぎ、染色、織りの全工程が手作業で、化学染料は使わない。合併前の旧青垣町が、技術保存のため伝承館を建設し、2年間で全工程を習得する長期伝習生の養成を始めた。


      会場には昨年、入門した9期生5人が、通常の半分の長さの反物や、子ども用スカート、ワンピース、スカーフなど54点を出品。素朴な味わいを表現している。問い合わせは同館(0795・80・5100)。



答志島清掃活動 鳥羽市長に報告

2015-03-12 06:23:06 | 地域

 答志島清掃活動 鳥羽市長に報告


 東海3県の環境関連NPOなど約50団体で作る「22世紀奈佐の浜プロジェクト委員会」のメンバーが11日、鳥羽市役所を訪れ、同市の離島・答志島で3年前から続けている清掃活動などの結果を報告した。


  環境省の調査によると、伊勢湾岸に漂着する流木やペットボトルなどのゴミは年間約1万2000トンに上り、うち約3000トンが同島北岸の入り江、奈佐の浜に漂着しているとされる。


  市役所を訪れたのは、プロジェクト委員長で、鳥羽磯部漁協桃取町支所理事の小浦嘉門さん(58)と、3県の代表委員ら計4人。委員会では2012年6月以降、奈佐の浜の清掃を計4回実施。学生や市民ら延べ約1200人のボランティアが参加し、約10トンのゴミを回収した。


  小浦さんは「プロジェクトの開始前は、漁業者自身で清掃するしかなかった。参加してくれるボランティアには頭が下がる」と感謝。報告を受けた木田久主一市長は「活動の広がりによって、ゴミを捨てる側の意識も変わりつつある。市民を代表してお礼したい」と話し、漂着ゴミの減少を呼びかける市製作のDVDを贈呈した。


  委員会は今後も毎年10月に奈佐の浜の清掃活動を行う。また、今月28日には津市美杉町で植樹活動を実施するなど、3県での環境啓発活動も進める方針。



手書きのぬくもり…被災者に手紙を

2015-03-12 06:22:54 | 地域

 手書きのぬくもり…被災者に手紙を


 あなたの気持ちを手紙につづってみませんか――。東日本大震災の被災者や手紙の愛好者が書いた手紙の交換を仲介するボランティア活動を続ける夫婦がいる。姫路市の介護福祉士、佐藤佳美さん(31)と夫の章さん(34)。「てがみ屋」と称し、ペンネームで届いた手紙を取り持ち、知らない相手にそれぞれ届ける。文通とは違い、一度きり。「顔の見えない相手だからこそ打ち明けられることもある。手書きの文字のぬくもりを1人でも多くの人に届けたい」と話す。(藤本綾子)



  • 被災地と手紙を交換する活動を続ける佳美さん

  •   活動のきっかけは昨年3月、章さんが福島県南相馬市にボランティアに行ったこと。仮設住宅で出会った小学2年の男児が「来年どこに住むのか、学校はどうなるのか、修学旅行はどこに行くのか、全くわからない」と嘆くのを聞いたが、かける言葉がなかった。佐藤さん夫婦には5歳と8歳の息子がおり、姫路に戻ってから「彼の将来の夢も聞いてみたかったな」と悔やんだ。


      何かできることはないかと話し合い、佳美さんが子どもの頃から好きな手紙での支援を思いついた。中学時代から北海道の同年代の女性と文通を続けており、「手紙で自分の気持ちが整理され、悩みを聴いてもらうだけで楽になることが何度もあった」という。


      昨年6月からインターネット投稿サイト・フェイスブックなどで便箋を配り始め、東北の知人やボランティアにも便箋を託す。昨夏からは、活動に賛同してくれた同じ「てがみ屋」という店名の長崎県の文具店にもチラシと便箋を置いてもらっている。


      これまでに夫婦のもとに届いた手紙は約20通。被災地からは、まだ2通だけだが、福島県から神奈川県に避難している70歳代の女性の手紙には原発事故でふるさとを奪われた怒りと悲しみがつづられていた。


      「手紙を読むあなたはもっとお辛い経験をされて、厳しい毎日かもしれませんね」。兵庫県の30歳代の女性は便箋に家族を亡くした悲しい体験と周囲の支えで少しずつ前を向けるようになった今の心境をつづり、“見えない相手”の苦しみにも思いを寄せた。


      ほかの手紙にも、「暑いですが、夏バテ気味ではないですか」「あなたにもいいことがありますように」など相手を思う心が文面ににじむ。


      発生から4年が過ぎた今も、多くの被災者が先の見えない生活を続ける。それでも、仮設住宅のポストに届く手紙が被災者にとっての「小さな幸せ」になればと、佳美さんは願う。「自分の名前が書かれた手紙がポストに入っていたときの喜びを、たくさんの人に感じてほしい」。


      手紙の送付先は「〒671・2299 姫路市飾西41の3 飾西郵便局私書箱2号 てがみ屋」へ。



小さな命 大きな痛み

2015-03-12 06:22:14 | 地域

 小さな命 大きな痛み


 ◇薬師寺管主、大川小で追悼


  薬師寺の山田法胤(ほういん)管主は11日、児童、教職員計84人が津波にのまれた宮城県石巻市の市立大川小を訪れ、冥福を祈った。また、同寺は同市内のホテルで、犠牲者の冥福と復興を祈願する法要と写経会を行った。


  山田管主が同小を訪れるのは2回目。強風が吹く中、激しく破壊された校舎近くにある慰霊碑の前で般若心経を唱え、静かに手を合わせて、亡くなった児童らを悼んだ。


  今年で3回目となる法要と写経会には被災者ら約70人が参加。山田管主ら3人の僧侶が、犠牲者の供養と早期復興を祈願する文章を読み上げた。


  山田管主は「震災が教えてくれた自然への畏敬の念は忘れてはならない」と法話。また「街の復興以上に、目に見えない痛みが残る心の復興は難しい」とし、「(写経が)心を落ち着かせ、物の見方を変えるきっかけになれば」と呼びかけた。


  同県東松島市の自営業鈴木蓉子さん(51)は「生かされた命。毎年しっかりと、安らかに眠ってほしいと祈ることが私の務めです」と話した。(有留貴博)