pagiのモラトリアム続行中

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自称ファッションヴィクティムのpagiの生活

東京国際映画祭1

2005-10-29 | cinema
東京国際映画祭行ってきました。
東京に住んで20年近いのですが、実は初めての映画祭。映画好きなのにね。

今日見てきた作品は親切なクムジャさん
大好きなパクチャヌク監督、チャングムで旬のイヨンエさん、すべてが大注目作。
実は前売りチケットを持っていなかったのだけど、
兄の紹介で招待チケットをもらって当日滑り込むことが出来ました。
本当は監督とヨンエさんの舞台挨拶が決まっていた上映会だったんだけど、
2人とも結局スケジュールの調整がつかなかったということで舞台挨拶は中止に。
ほんとかー??などという猜疑心が湧くが、気づかないフリをしよう。
小泉の靖国は、関係ないよね?ないと思いたいな。

公開まで間があるので、ネタバレにならないように感想。
確かに復讐三部作の総決算的作品だと思う。
前2作とリンクする部分が少なからずあるし、
前2作の復讐とクムジャさんの復讐を比較してみるとすごく面白い。
「親切な」クムジャさんは人のために悪事に手を貸してしまう。
「親切な」クムジャさんは人のために復讐をする。
「親切な」クムジャさんは人のために復讐をさせてあげる。
そういう意味ではクムジャさんは天使そのものなのかもしれない。
とはいえ、彼女の手も顔も、醜い人間の血で汚れてしまった。彼女は罪を犯した。
最後には彼女自身が自分の卑小さに気が付いてしまう。
ラストシーンの雪と真っ白な甘いケーキは、彼女の罪を洗い流したのだろうか?
彼女は死んだのか?それとも真の天使となったのか?

パク監督お得意の残虐描写で、ネチネチとした制裁がたまらない。
憎い男をいたぶり殺す快感。噴出す血の赤に美しさすら覚えたりする。
見ていて不快感を催してしまう性描写も強力。本国ではR18だったらしい。
寓話的なストーリーと時にコミカルな演出、個性豊かな俳優陣。
あっと驚く豪華ゲストたち。(ユ・ジテさんには本当にびっくり!)
2時間手に汗握って見て、終わったときには口の中カラカラ。
とにかく一言で言ってすごい映画。
ただ、痛さでいったら「復讐者に憐みを」の方がずっと上。
クムジャさんはおとぎ話というかひとつの寓話に昇華していて、後味はいい。
きっと前2作の痛みもクムジャさんは呑み込んでしまう力があるのだろう。
これが母の力、なのかも??

韓流ファンもそうでない人も一見の価値のある作品です。
ヨンエさんはチャングムの時より格段にパワーアップしております。
というか、完全に別人です。
チェミンシクさんは、やはり韓国でトップの俳優さんです。
怖いっていうか、やばいっていうか、完全に普通の人間ではない。
子役たちはあんな怖いオッサンにいたぶられてトラウマにならないのだろうか?
一観客の私はそれがとっても心配です。