進行性核上性麻痺と闘った父とその家族の記録

進行性核上性麻痺と診断され6年2か月。89歳まで闘い抜いた父、それを支えた家族の記録。

家族には辛い決断

2007-10-27 11:10:38 | Weblog
昨日病院から緊急に病状説明がしたいからと言われ、母と病院に行きました。
誤嚥性肺炎以来、痰がものすごく多く、頚部が後屈しているので、口が開いています。口が開いているので痰がのどの奥で固まり、それが気管を塞ぐことがあると。
取っても取っても出てきて、夜間60名を3名の看護師で看るので、もしや間に合わないということがあり得ることを承知していてほしいと。
それをしないためには、気管切開か気管・食道分離手術があると。
しかし、今の父は話しかけると何とか話ができることもあるので、それは父のQOLを考えるとどうなのかと。

少しは話ができる父の気管切開をすることは、父から声を奪うこと。
人為的に声を奪ってまで治ることはない、進むだけの今の状況で、父は延命したいのだろうか?
でも死を自ら望む者はいないとも思うし。

決断を家族にゆだねられるのはつらいです。

父も家族も後悔しないように。

口が開いているのは、誰もが頚部後屈からかと思っていましたが、顎がはずれてることがわかりました。
歯科医師が往診してくれて、入れてくださったけどまたすぐ簡単に外れてしまう。何度か繰り返すと、きちんと入らなくなると。

そういう状態で、この半年の変化がこれから先の半年一年を思うと、83歳の父にとって、気管切開は延命処置?

父に聞きたいけどそれもできず、判断を家族がしなければいけない。
母は、涙を流しつつ、今のままでと言いました。
まだ、話せる頃に、夜中に「殺してくれ」と父が言ったそうです。
でも、「望みは失いたくない」と言っていたのも父。

今の父がしっかり話せたらやはり「もういい」というでしょうか?

今の病院に転院してからちょうど1カ月が過ぎました。
今の病院でも父は人気者のようでした。
みなさんよくしてくださっています。
短い時は10分間隔くらいで看てくださっています。
持って行っているCDもこまめにかけてくださっています。
1か月父を診ていて、先生も積極的には気管切開等をすすめないようなことを言われました。
ただ、痰の塊が詰まったとき、すぐに取り除けば元に戻るときは取っていいかといわれ、それはもちろんお願いしました。

父も家族も後悔しない決断は?

もし、家に帰ってまた話をして気持ちが変わったらいつでも言って下さいと言われました。

今でもまだ悩んでいます。迷っています。
本当にこれでよかった?

何だか何も手につかない…
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何だろう?

2007-10-24 00:50:11 | Weblog
病院から電話がありました。
主治医が話したいことがあるから都合を合わせたいと。
ちょっとドキ!
私の仕事の都合と先生の都合と母の都合と合うときということで、
日程を決めました。

痰の量が尋常ではないのは、肺炎で入院した時から感じていました。
なので、口腔環境がいつも大変。
発熱を繰り返し、耳下腺炎にもなったり、今は、歯茎が腫れていたりします。
そのため、かかりつけだった歯科の先生に病院に往診していただいています。
一日に何度も口腔ケアをしてもです。
その痰の原因がなになのか???

不安がよぎります。
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アイスマッサージ

2007-10-18 23:08:49 | Weblog
昨日仕事が終わってから母を病院に連れて行きました。
やはり週の半ばで一度行きたいようです。(当り前か…)

ものすごく活動的!
ベッドの上で自由に方向転換。
360度動くようです。
看護師さんたちが見るたびに方向が変わっている…
だからベッド下のマットもその度に変わります。
そのくらい動けるのに、寝返りはできなくて、
起き上がることも自力では無理。
なので、後頭部の髪の毛が、まるで赤ちゃんのように
毛玉ができたようになっていました。

スタッフの方々、ベッドの上でじっとしているのも
辛いでしょと、全く抑制せずに
動きたいようにしたいようにさせてくださっています。

落ちるといけないので、誰かが父の姿が見えるところで作業をしていますよとおっしゃっていました。

すごい!

ありがたいことです。
とても自宅で一人で見ることはできません。

嚥下リハビリ
アイスマッサージをして、ゴックン。
これがなかなかできなくて、
父に、「パンだよ。ゴックンして」とか
大好きだった「焼酎だよ。ごっくんして」とか言うと
ゴックンします。
ただマッサージしただけではできません。
それでも10回して3回ほどゴックンができました。
母は何か食べれるようになって、食べさせてあげたい。
これが希望です。

そして、かなりベッドの上で動くということで、
注入剤のカロリーが1200kcalから1400kcalにアップしました。
これで体重が増えるといいです。

この病院に移って、注入剤を変えたけど、下痢は全くしなかったそうです。
順調順調!
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人気者?

2007-10-13 12:34:20 | Weblog
今日は仕事で帰省中の娘1号に全権委任。
娘が母を病院に連れて行ってくれています。

私はちょっと一休みです。
いつ以来?なにもせずにグダグダしてるの。。。
何もする気がしません。
今日は一日娘1号の愛犬「アメリ」とぼ~っとしてることに決めた!

ところで…
今週、仕事帰りに私一人で寄った時、看護師さんが私に声をかけてくださいました。
長年行っている看護学校の卒業生でした。
1学期間だけ栄養学の講義をしているんですが、覚えていてくれて、
声をかけてくれました。
うれしかったです。
そこには他にも4~5名卒業生がいるらしく、心強かったです。
父と私と名字が違うから気がつかなかったと。
「よろしくね」というと、
「大丈夫です!」と。
「人気者ですよ」と。

看護師さんが声をかけてくださると、ちゃんと返すようで、
病気になって入院したら、かわいがられる患者になることも大切ですね。
父は、ちゃんと喋れる頃いつも
「お世話になります」
「よろしくお願いします」
と言っていました。

ちゃんと喋れなくても、父の気持ちは看護師さんに伝わっているんだなぁと思いました。
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リンゴの唄

2007-10-07 17:44:05 | Weblog
今日は病院を3往復しました。

何か音楽でも…ということで、思いついたのが、
以前父の口から出た「リンゴの気持ちはよくわかる」
そう!「リンゴの唄」です。

まず、CDラジカセを買いに行きました。ベッドサイドにおいても邪魔じゃないもの。
そして、CDを探して数軒。
CD2枚を買って病院へ行きました。

早速かけると、リンゴの唄がかかると、目から涙が流れました。
私の方がびっくりでした。
母と歌詞カードを持って一緒に歌っていたら、
父が歌詞カードに手を伸ばし、自分で持ちました。
これにもびっくり。

音楽療法?

この病院は、音を出してもOK。
家族がいなくても、かけてくださるそうです。

戦争に行った世代ですので、軍歌のCDもかけました。
言葉で表現できない分、体で何か言いたかったのでしょう。
一生懸命体を動かしていました。
それが何かを分かってあげられなくてそのことが残念。

「あ~、あ~」しか言わなかった時も辛かったけど、
何か言おうとしているけど聞き取れなくてわかってあげられないのももどかしいです。

今朝はとってもはっきり「おはよう!」と言ったそうですが・・・

今後のリハビリに期待します!


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歩けました!

2007-10-01 21:23:09 | Weblog
転院して初めて病院へ行きました。
家族がいるので一緒にリハビリ室へということになり、車いすに乗って、5階のリハビリ室へ。
まずは車いすから、2本の足で立ち上がること。
そして次に恐る恐る足を前へ。
理学療法士さんも意外!?
小さく少しずつでしたが、確実に自力で足が前に出ていました。
なんと!「13メートル」歩いたんですよ。
2ヶ月間も寝たきりとは思えないくらいに。

きっと本人もうれしかったと思います。

療養型病院はすごい!
体制が整っているとはいえ、各職種の方がそれぞれに父にかかわってくださり、
転院後間もないですが、確実に父は変わってきています。
しゃべりも動きも。

それを目の当たりにした母は安心した様子で、遠くにはなったけど、転院してよかったと言っていました。
うちではとてもこんな風にはできないと。してあげられないと。
納得したようで、今日の母の表情は転院前とは違っていました。

でも、母が一人でバスに乗っていくことはやはり覚悟がいるようで、明後日私が行けるよと言うと、うれしそうでした。
だんだん慣れていってくれればいいと思います。
自分の楽しみを続けようという気持ちにもなったようです。
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