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わたしの散歩道

ブログを始めました。

レンゲショウマが彩る8月の御岳山

2017-09-07 10:06:19 | Weblog
八月に入り連日の雨。梅雨に逆戻りしたようなうっとうし
い日々。あすからはお盆だ。

8月12日、御岳ビジターセンターに問い合わせてみた。ビ
ジターセンターの話では「午前中、レンゲショウマの開花状
況を見てきたら2割ほど咲いていました。中旬以降がいいで
しょう」とのこと。


          森の妖精のよう

8月23日(水)、久々の晴。午前6時半過ぎに拙宅をでる。
地下鉄、JRを乗り継ぎ青梅線の御嶽駅に9時2分に着いた
。電車は平日ながら大変な混みようだ。

ホームは下車した人であふれんばかり。バス停も黒山の人で
二台のバスに乗りきれず臨時便に乗る。ケーブルの滝本駅で
も長蛇の列だった。定刻の便には乗れず臨時便となった。

山アジサイを眺めているうちに標高831mの御岳山駅に着
いた。ほっと一息つく。かくも可憐なレンゲショウマは山の
愛好家たちを惹きつけるのだろうか。ただ驚くばかり。


          二輪のグラデーション

レンゲショウマは「キンポウゲ科レンゲショウマ属。1種1
属の日本特産種。主に低山のやや湿り気のある林のなかなど
に咲き、高さは40~80cm。8月に直径3~4cmの花
が下向きに咲く」とある。

御岳山駅を出て御岳平からレンゲショウマの群生地がある富
士峰園地へ。よそ1万㎡の斜面に5万本のレンゲショウマが
咲き誇る。


         木漏れ日に映える花姿

広葉樹林の回遊路をゆっくりと登って行く。湿り気のある斜
面のそこかしこに、薄紫の小さな花がうつむき加減に咲いて
いる。茎からのびる丸い蕾も可愛らしい。

レンゲショウマが美しく咲き競う斜面はどこも混み合って行
き交うのも容易ではない。ういういしく咲き初めるレンゲソ
ウマを求めてあちこちの斜面を巡っていく。


       浮き立つ透明感のある美しさ

レンゲショウマという和名のとおり、レンゲ(ハス)の花を
小ぶりにしたような花姿だという。近寄って観察すると小さ
なハスの花にも似た風情がある。

したからそっと覗いてみた。木間からこぼれる光に透明感の
ある小花は森の妖精のように美しい…。

斜面のそこかしこに、茎の先から小さな花をつり下げゆらゆ
らと風に揺れて夏山の叙情がだたよう。木漏れ日に白と紫の
グラデーションは魅惑的だ…。


           カメラの放列

レンゲショウマが咲く斜面の中でもカメラアングルのいい格
好なポジションはカメラの放列だ。

巡りながら尾根近くに上がったら、夏の日差しに青葉が光り
木陰では可憐なレンゲショウマが華やかに咲きそろい晩夏の
調べを奏でているよう…。


         群落するレンゲショウマ

やがて、標高883mの大展望台だ。遥かな山々が青く霞み
眼下に街並みがマッチ箱のように並びすばらしい眺めだ。

大展望台休憩所で「レンゲショウマ写真展」を鑑賞する。レ
ンゲショウマの芸術的な写真を眺めプロは一味違うなと感心
した。

武蔵御嶽神社へ向かう。静かな杉木立の道を下る。杉の巨木
を眺め心地よく下っていたら雨が降ってきた。だんだん強く
なるころ、御岳ビジターセンターに着いた。

資料を見ながらしばらく雨宿りをする。小ぶりになったので
神社へ。天然記念物の神代ケヤキの坂道を上り商店街を抜け
ると随身門だ。鳥居の周りにレンゲショウマが咲いている。



     2000年の歴史を誇る武蔵御嶽神社


石段を上り随身門をくぐり、最後の250段の石段を汗して
登っていくと、2000年の歴史を誇る武蔵御嶽神社だ。山
行無事を祈る。奥に御岳山山頂(929m)の碑が立つ。


遥拝所から、遠く霞む奥の院(1077m)を遥拝しロック
ガーデンへ。階段を下りしばらく杉木立の道を行く。ほどな
く、長尾平分岐だ。

急な丸太の階段の道を分け、天狗の腰かけ杉から天狗岩へ下
る。尾根を巻くように緩やかに下って行く。しばらくすると
水の音が聞こえ天狗岩だ。さらに急な石段下る。


        ロックガーデン行くハイカー

やがて、両側から山が迫る奥御岳渓谷(ロックガーデン)だ。
緑の渓谷に沿った登山道は渓谷を何度か渡り返しアプダウンを
重ねてちょとしたアドベンチャー気分を楽しむ。


このあたりから綾広の滝までは渓谷の核心部分で最高の沢歩
きだ。苔むした岩を渡り涼風が抜ける渓谷は天然クーラーさ
ながらで「すばらしい」の一語に尽きる。


             綾広の滝

川沿いの休憩所を過ぎるとほどなく綾広の滝だ。落差10m
の緑の谷間から流れ落ちる滝は見事だ。轟音と水しぶきの滝
は修行の場でもある。

渓谷美を満喫し尾根を登り返し御師の集落を通り御岳山駅へ
。下山後、時間があったので久しぶりに御岳渓谷を散策して
みる。多摩川は長雨でかなりの水量だ。


         激流を下るラフテングのボート

岩をはみ泡立つ激流は夏の多摩川とは思えない厳しい顔を見
せていた。激流に乗ったラフテングのボートは水しぶきを上
げながら4から5隻が連なり川を下って行く。

歓声を上げ岩をはむ激流を勇壮に漕ぎ下る様子はダイナミッ
クで実に楽しそう。一度乗ってみたくなる一時だった。

真夏を彩る清らかな古代蓮の花

2017-08-09 10:35:03 | Weblog
 真夏日の暑い日がつづく。さわやかな朝方、古代蓮は美し
い神秘的な花を咲かせるという。

7月25日(火)晴れ。埼玉県行田市の古代蓮の里を訪ねて
みる。早朝の5時に拙宅を出る。地下鉄に乗り横浜駅発(5
:53)東海道線の前橋行に乗り換えて行田駅に7時27分

に着いた。シャトルバスの出発まで時間があるので観光協会
に立ち寄り、古代蓮の里のパンフレットをもらい開花状況を
尋ねる。花の見頃は7月上旬から中旬が最盛期でしたと。


        優美に咲く古代蓮の花

行田市の古代蓮は、1973年にゴミ焼却場建設の掘削工事
により地中深く眠っていた蓮の実が自然に発芽して可憐な花
を咲かせていた。

埼玉大学などが調査した結果、1400~3000年前の蓮
の実であると推定した。

シャトルバスにのり午前8時に古代蓮の里に着いた。14h
aもある広い古代蓮の里公園は静かな朝の佇まいだ。公園関
係者の話では、水鳥の池や水生植物園ではまだ咲いているか

ら「水鳥の池から水生植物園、古代蓮池、世界の蓮園へ廻れ
ば」とアドバイスを受ける。


       水鳥の池に咲き乱れる蓮の花

まだ花が盛りという水鳥の池をめざす。朝の園内は緑の木々
が茂り清涼な空気を胸いっぱい吸い爽快だ。美しい蓮の大輪
を思い、蕾が開くとき、ぽんと音がするかどうか夢想しなが

ら散策路を急ぐ。朝の静けさに野鳥のさえずりが響きすがす
がしい気分となる。水鳥の池の畔は見事な大輪を撮影する人
もちらほらといる。


        緑の葉から咲き競う古代蓮

花の盛りが過ぎたとはいえ、池には古代蓮が可憐な花を咲か
せている。緑の葉の茂みから濃いピンクの大輪の花が匂うよ
うな優雅さで咲き競う。

古代蓮は悠久の神秘さをひめ幻想的な美しさで池を彩り実に
すばらしい。花は25センチほどもあり大きい。

花弁は13から18枚の一重咲種で、蓮の花の命は4日間と
短いという。しみいる大輪の花を眺めていると、古代蓮は何
と美しく魅惑的な花なんだろう…。


        神秘的な古代蓮の花

ものの本によれば「泥土に生えて泥に汚れず、水中に生えて
水を玉とはじいてしまう蓮の花は、仏教では極楽の象徴」と
称えられる。

木々の間から朝もやにけむる田園風景が垣間見えて懐かしさ
が脳裏をよぎる。


       水生植物園で上から見た蓮の花

水鳥の池を一回りし、隣の水生植物園へ。池には橋が張り巡
らしてあり手に取るような身近さで花を楽しめる。大輪の花
を見下ろすと果托も見えておおらかな美しさだ。

花に顔を近づけても甘い香りがしない。聞けば、開花した二
日目が匂うという。キバナ蓮や睡蓮などを眺めて古代蓮池へ
。東池から西池へ橋を伝い回るがちらほら散見されただけ。


         古代蓮池を巡る人たち

世界の蓮園へ。世界から集められた41種類、約2万株の花
蓮が咲きそろいすばらしい。

蓮の花には名前が記したプレートがある。蓮田を巡るとどこ
からともなく甘い香りがただよってくる。花蓮の種類の多さ
や艶やかな大輪の花に圧倒される。

見事な大輪が咲き競う光景は圧巻だ! 花の盛りの蓮を会館
の職員に何点か推奨してもらう。
その中で美しいと思う花を上げてみる。


        端光蓮(ずいこうれん)

番号順に巡って行くと、端光蓮(ずいこうれん)だ。魅惑的
な美しい花だ。花弁は14~18枚の一重咲種。花色は白い
地にピンクの爪紅となる。


        碧台蓮(へきだいれん)

花の中を歩き探しあてた、碧台蓮(へきだいれん)だ。白い
大輪のぼたんの花のようだ。花弁数は100から120枚の
八重咲種。花色は白でやや緑色を帯びている。

さらに巡ると大輪の花、明光蓮(めいこうれん)。花弁の先
がピンクで美しい。花弁数は16~20枚の一重咲種。花色
は濃いピンクで花弁基部にわずかに黄色が見られ退色は遅く

、3から4日目に淡いピンク色となる。

暑さが厳しくなり41種類の花蓮を満足のいくまで観蓮する
のは結構大変だった。最後に、蓮の蕾が開くときぽんと音は
しないそうだ。


          田んぼアート

古代蓮会館で、観察コーナーを鑑賞して展望室へ。高さ50
mの展望室から広大なキャンパスに創作された田んぼアート
は圧巻だ。

日本神話に登場する「イナダヒメノミコトとスサノオノミコ
ト」の古代ロマンに魅せられ見事な大作に感動した。

葛飾 菖蒲まつり

2017-07-06 10:05:46 | Weblog
 梅雨に入り曇ったり雨が降ったりする中でハナショウブは
色も鮮やかに咲きそろう。

一昨日の新聞は「堀切菖蒲園のハナショウブが見頃を迎えた
写真を掲載、同園と近くの水元公園では18日まで葛飾菖蒲
まつりを開催している」と報じていた。

6月17日(土)、梅雨晴れ。菖蒲まつりの期間中の土、日
は「かつしか菖蒲めぐりバス」がでるので、早速でかける。


      緑に映える清楚なハナショウブは

都営浅草線の青砥駅で京成線の上野行きに乗り換え菖蒲園駅
で下車。菖蒲まつりの案内を見ながら10分も歩くと堀切菖
蒲園だ。

江戸時代からつづく由緒ある菖蒲園はハナショウブを鑑賞す
る人々で大変なにぎわいだ。


         にぎわう堀切菖蒲園

まつりのチラシに「堀切の花菖蒲は江戸の名所の1つとして
古くから知られており、その景観は安藤広重や歌川豊国らの
錦絵の題材にもなりました。花菖蒲は文化年間(1804~

1817)に当時の農民、伊左衛門によって栽培されたのが
始まりと言われ、現在本園の花菖蒲は約200種6,000
株に及びます。江戸時代の情緒をしのびながら、数多くの江
戸花菖蒲を鑑賞できるのが、本園の特徴の一つです」と。


         大輪の蛇の目傘

菖蒲園は強い日差しが照り風もなくむんむんした夏もよう。
大小13区画の菖蒲田には江戸系や肥後系、伊勢系などが植
栽され紫色や白、ピンクのハナショウブが色とりどりに咲き
競い美しい。

1番田から順路に沿って巡っていく。松の老樹に豪華なハナ
ショウブが美しく映えて優雅な風情を奏でて暑さもどこかえ
飛んでゆく。


         優美な花姿の酔美人

色彩の変化や花姿も多々あるが、ちりめん絞りの花柄は日本
的な繊細さがしのばれる。

ハナショウブは株ごとに名札がついている。花の名前は古典
的なものが多い。5番田では赤紫の「酔美人」に魅かれる。
菖蒲園が推奨する花。

6番田では、純白な「真鶴」は六英(6枚の花被)咲きで清
楚な花姿には気高さがある。隣の7番田は「妹背川」。花被
の縁は赤紫で中が白くあでやか。


         花模様が素敵な妹背川

9番田は「十二単衣」。昔の貴婦人を想像する。六英咲きの
赤紫は味わいぶかい。

古い伝統に育まれたハナショウブを堪能し、11時半の「か
つしか菖蒲めぐりバス」で水元公園へ。

バスで30分ほど揺られると、水元公園近くのバス停「しば
られ地蔵」だ。江戸時代の名奉行大岡越前守の裁きだ知られ
た「しばられ地蔵」、盗難除けでもあがめられている。


     優美なハナショウブが広がる水元公園

寺から4,5分も歩くと水元さくら堤だ。土手を下り入園す
ると、広場では菖蒲まつりでにぎわう。周囲には露店が並び
子どもらが駆けまわる。

一歩離れると、見渡す限り美しい菖蒲田が広がる。紫色や白
、水色のハナショウブが咲きみだれ菖蒲田は圧巻だ!!


     見事なハナショウブを眺める人々

水元公園は小合溜に沿った面積が96.3haの公園。対岸
は埼玉県立みさと公園だ。

パンフには「都内で唯一の水郷景観の広がる水元公園には、
都内最大規模の菖蒲田があります。およそ100種14,0
00株20万本の江戸系のハナショウブが咲き、みごとな風
景を見せてくれます」と。

東屋を起点とし広い菖蒲園を回遊する。梅雨晴れの菖蒲田は
色とりどりに咲き競いあでやかな美しさが広がる。その花姿
は生き生きとしあふれるほどにみずみずしい。
 

         さわやかな五月晴

大きな菖蒲田には八つ橋があり、ハナショウブを間近に眺め
写真撮影も楽しめる格好なステイージだ。

水元公園では花形・色彩の変化に富み、群生美が魅力の江戸
系ハナショウブの品種が多数植えられているという。

八つ橋を伝い菖蒲田の中へ。まわりはハナショウブが一面に
咲き広がり青いジュウタンを敷き詰めたよう。花に埋もれて
暑さも忘れはなやいでいく。


       しおれた花を摘む乙女たち

アジサイも咲く菖蒲田を巡っていくと、麦わら帽子に紺がす
りに赤いたすき掛けの乙女たちがしおれた花を摘んでいた。
ショウブの花摘みは梅雨時の季節感を感じさせ風情がある。

懐かしい光景を目に刻み次の菖蒲田へ。水元大橋近くの菖蒲
田では珍しく花の名札がある。順に「峰の雪」、「小田八乙
女」、「寛政」、「五月晴」、長正殿」と名花が並ぶ…。


       みごとな花姿の長生殿

花のイメイージと優雅な名前を脳裏に刻む…。

あまりの暑さに売店に立ち寄り冷たいビールを求める。爽や
かな水面の風が渡る木陰のベンチで憩う。小鳥がさえずり緑
に囲まれた小合溜の風景に魅せられ一時をすごす。

汗もおさまり最後の目的地である柴又帝釈天へ。終点の帝釈
天で下車。懐かしい帝釈天の参道を歩き帝釈天に参拝、草団
子を土産に寅さんとさくらの像にさよならを告げる。

初夏にはなやぐ五月のばら

2017-06-09 12:02:07 | Weblog
バラの季節である。五月の明るい日差しを浴びてバラはひ
ときわ美しくはなやぐ。緑の風がそよぐ京成バラ園を訪ねて
みたくなった。

5月29日(月)、五月晴れ。電車を乗り継ぎ東西線の東葉
勝田台行に乗る。午前9時ごろ八千代緑が丘駅に着いた。京
成バラ園は駅から徒歩15分という。


   エスメラルダ 1981 HT 作出者コルデス

南口から東葉高速鉄道に沿った歩道デッキを歩くこと3,4
分でデッキは終わり車道に下る。目の前の信号を渡り高架下
をくぐり東葉高速鉄道に沿った並木道を行く。

爽やかな木陰のある並木道は赤いバラマークもあり散策を楽
しみながらたどる。10分ほど歩くと並木道は終わり車道を
左折すると,京成バラ園が見える。


   結愛(ゆあ) 2011 F 作出者竹内俊介

京成バラ園に9時20分ごろ着いた。京成バラ園では「ロー
ズフェステバル2017」が開催中で多くの人でにぎわう。

緑に囲まれた園内は30,000㎡の敷地に、1,600種
10,000株が植栽されている。2015年フランスで開
催された第17回世界バラ会議において「優秀庭園賞」を受


        初夏の日差しはなやぐバラ園

賞した。また、京成バラ園芸は世界有数の「バラの育種会社」
でもあり受賞品種も数多い。

広い園内は見渡す限りバラの花が咲き乱れている。小高く見
晴らしのよい「ベルばら」のテラスから一望すると、初夏の
明るい日差しを浴びてバラは色とりどりに咲きそろい色も鮮


        バラが輝くメイン通り

やかに園内を染めあげて見事な美しさだ…。緑につつまれた
整形式庭園を巡り、一輪一輪を見つめれば目の覚めるような
美しい大輪があでやかに咲き誇り甘い芳香を漂わせる。

季節にもよるが、バラの香りが高いのは朝8時から10時の
間が最適という。

テラスでは、ベルサイユのばらシリーズ全6品種が植栽され、
ときめくような魅惑にあふれた「ベルばら」の主人公たちの
名を冠したバラ咲きそろう。


  フェルゼン伯爵 2009 F 作出者メイアン

誇り高き白バラのひと、オスカルフランソワは(白)、かぐ
わしき麗しの女王、王妃アントワネットは(赤)、あたたか
く咲く愛の従者、アンドレ グラン グランティ(黄)、香

り立つ紫の騎士、フエルゼン伯爵は(紫)、春風のような少
女、ロザリーラ モリエールは(ピンク)、愛、それは、情
熱の赤、ベルサイユのバラは(赤)。ロマンチックなメルヘ

ンの世界をかいま見た思いがする。


        青空にはなやぐ真紅のバラ

ベルばらのテラスから華麗なバラコースに入る。小高い見晴
台は黄色やピンク、パープル、赤のバラがあでやかに咲く花
の道をゆく。香りに引きこまれたりしながらそぞろゆく。

つるバラ系統の赤やピンク、アプリッコトのアーチが一つ二
つ三つとつづきゴージャスなムードに癒される。ゆるやかに
くだっていくと白バラが香るバーゴラのトンネルだ。


        赤やピンクのバラのアーチ

清楚な白バラに心が洗われるよう。数々のバラ園を見てきた
が、バラの特性を生かした植栽はパステルカラーの絵を見る
ようだ。その絢爛豪華なバラの美しさと香りに圧倒される。

そぞろ歩くと「愛のガゼボ」がある。白バラに囲まれた一角
に大理石のガゼボが建ち、「恋人の聖地」の碑もある。


    白バラが咲く「恋人の聖地」

そこからほど近いところに、つるバラ「フランソワジュラン
ビル」の大アーチがある。樹齢約50年だが年々花の数が増
えているという。人が小さく見えるほど大きい。

周辺にはポールで演出されたつるバラが空高く輝くように咲
き誇りすばらしい。

開催中の「香るバラ総選挙」KAORU24にも参加してみた。
選挙ポスター兼投票用紙には候補のバラ(24点)の番号、
名前、写真が載っている。


 ゲーテ ローズ 2011 HT 作出者 EVERS

バラ園の地図を頼りにバラを探し当てたら、花の品種やし香
りを確認し、ポスターの花にチェックしながらいく。エデン
の泉の周辺は候補のバラが多く植栽されていた。

嗅覚が鈍いせいか香りがピンとこない事案も多い。

園内のすみから隅まで歩いたおかげで、色々なバラも十分に
観賞できた。最後にイングリッシュローズが咲くバラの丘を
巡る。


ガーデンオブローゼンス 2007 F 作出者ゴルデス

クラシカルなバラや気品に満ちた高芯咲きの白やローズピン
クのバラは美しくにおう。暑いので木陰の多い散策の森をに
入り自然風庭園の周りの散策を楽しむ。

緑陰にもバラが咲きバラづくしだ。

世界有数の種苗会社が見せるバラ園を堪能。こぼれるような
美しいバラの数々に心がゆたかになったよう。

晩春を彩る八重のさくら

2017-05-10 14:55:34 | Weblog
 朝の緑道を散歩していたら八重桜が咲きはじめている。
南浅川の花見のおり、地元の方から「八重桜は20日を過ぎ
れば満開となりますよ」と聞いていた。

4月も下旬になった。八重桜も満開を迎えているだろう。

4月24日(月)、花曇り。南浅川の土手を彩る八重桜を見
にでかける。JR高尾駅に9時半ごろ着いた。甲州街道を歩
き高尾街道の高架下を通り綾南公園への近道を行く。

南浅川沿いの静かな小道を歩く。小道沿いの公園に八重桜が
咲いていた。見事な樹形の八重桜は優美に咲いている。淡い
ピンクの花は匂うように美しい。


             楊貴妃

しばらく歩くと南浅川橋だ。橋から眺めたあの絢爛と咲き誇
ったソメイヨシノも葉桜へ移ろう。

初めて見る八重桜の桜並木にいろいろ思いをめぐらし土手を
急ぐ。河原の草も緑を濃くしてみずみずしい。サイクリング
道路を行くと鯉のぼりが緑の風に泳いでいる。


             松月 

鯉のぼりを眺め5月に入れば端午の節句か…。ほどなく横山
橋だ。花曇りの土手は淡いピンクや濃い紅色に染め美しい。
優美に咲き競う八重桜の桜並木は初夏の風情ががる。


おしなべて八重桜は花が大きく花弁は20から40枚重なり
あでやかだ。一輪一輪眺めても美しい。

しばらく高い土手から八重桜の桜並木を見晴し川景色も堪能
する。やがて、東横山橋だ。橋のたもとの公園周辺は里桜の
代表格である松月が植栽されているようだ。


         公園広場の桜並木

松月は外側の花弁は淡紅色で内側は白色でたいへん優美で品
位のある八重桜だ…。ただ普賢象に似ており素人では判別し
がたい。

東横山橋から往路をもどる。広いサイクリング道路を行く。
のんびり歩いていると、目にも鮮やかな濃い紅色の関山が日
に輝き美しい。


          桜並木と鯉のぼり

高尾の山並みも見え、土手の鯉のぼりもゆらゆらと泳ぎうら
らかな日差しに川面も照り晩春ののどかさが広がる。やがて、
横山橋だ。橋を渡り対岸へ。

横山橋から、しばらくの間は濃い紅色の八重桜のトンネルが
つづく。濃い紅色の関山は八重桜の代表格であり関東では一
番多く見られるという。


           八重桜のトンネル

八重桜のトンネルに差す木漏れ日を浴びてそぞろ歩く。晩春
のうららかな日和を楽しむうちに南浅川橋に着いた。

綾南公園に入ると「さくら通り」の桜は葉桜になりちょっと
寂しい。桜広場へ廻る。明るい空に八重桜の楊貴妃や普賢象
、一葉などが絢爛豪華に咲き誇りすばらしい。


             普賢象

楊貴妃は淡いピンクの花びらに光が差し込み幻想的な美しさ
だ。普賢象は古から知られた八重桜。一葉は花弁のまわりは
白く花の中心がピンクで花姿が初々しい。

まだ昼下がり、近くの多摩森林科学園に立ち寄ってみる。桜
広場のはずれから細道を上り武蔵陵に沿った狭い道をたどり
高尾街道にでて道なりに歩くと多摩森林科学園の門前だ。


             一葉

多摩森林科学園のサクラ保存林は8haの広さに、日本全国
主要なサクラ栽培品種や名木など、約500栽培ライン、
1400本植えられている。

古い桜がある夫婦坂から仲通り中心に名木の八重桜を鑑賞す
る。桜には由来を記した表示板がある。科学園前広場から第
2樹木園の巡回路へ進む。


             福禄寿

木々が茂る道を行くと、案内板が立つさくら保存林休憩所。
小川に沿った道を歩き夫婦坂を上る。最初に現れたのは白い
花の松月だ。すぐ隣が淡紅色の楊貴妃、少し上ると普賢象が。

ゆるく曲がると、純白の清楚な静香だ。仲通りへはいる。明
るい南斜面には珍しいウコンが。淡い黄色い花は日に照り輝
くようだ。さらに登って行く。


             静香

新緑を楽しみながら歩を進めると福禄寿だ。縁が薄紅色の花
弁は大きくねじれたように波打つ。優雅で気品があり美しい
八重桜だ。すこし行くと有明が。淡い紅色が優しく匂う。

巻くように進むと御衣黄だ。淡い黄緑色の花弁に紅色の線が
はいる。緑の花は珍しい。さらに行くと市原虎の尾。名前は
怖そうだが可憐な白い花だ。


             御衣黄

見返り通りを登り尾根に出る。眼下にピンクや紅色の桜が山
を染めて美しい。尾根から八王子市街が望まれ新緑が萌えて
初夏を感じる。

関山ベンチから満開の八重桜や新緑が萌える山を一望する。
尾根をたどり山上のあずまやで一休みし、遠見通りをたどり
里桜園へ。春日に満開の八重桜が照り映えすばらしい。

山を下り柳沢林道を歩き鬼無稚児桜など眺め森の管理室を経て
科学園広場に。春を彩る八重桜を堪能した一日となった。



綾南公園から南浅川の桜並木

2017-05-01 09:32:24 | Weblog
 ソメイヨシノが満開になりましたと発表されてから、日を
追って桜の名所は花盛りとなり花見客でにぎわう。桜は日本
で最も親しまれ、日本の春を象徴する花だからだろう。

桜の下見に、多摩森林科学園を訪ねた折り指導員の方から「
南浅川の桜並木はすばらしいですよ」と薦められた。


        青空に映えるソメイヨシノ

4月13日(木)、晴れ。天気に恵まれ、桜の名所の南浅川
を訪ねてみた。綾南公園付近の南浅川沿いにある桜並木は綾
南大橋から水無瀬橋付近の約3.5Kmだという。

ソメイヨシノ、ベニシダレ、白雪、楊貴妃、松月など16種
類植栽されている。


          春の日に輝く白雪

南浅川は、浅川の支川で延長8.11Kmの多摩川水系の一
級河川である。景信山(727m)付近を源とし、東流して、
八王子市高尾町落合で支流の案内川を合わせ、JR中央線、
甲州街道と並行に流れ同市元本郷地先で浅川に合流する。


JR高尾駅に9時30分ごろ着いた。甲州街道を西八王子駅
方向へ進む。御陵前信号を左折し武蔵陵参道のケヤキ並木を
行く。高尾駅から20分ほどで重厚な南浅川橋に着いた。


         見事な南浅川の桜並木

花見の人とでにぎわっている。南浅川橋から、見事な桜並木
を一望する。うららかな春の日差しに爛漫と咲き盛った桜は
絵のように美しい。満開の桜は匂い立つばかり。

淡い紅色の花の美しさに深く感動する! 明るい春の空に高
尾、陣馬山の山並みが広がりすばらしい。


         満開の桜並木と高尾山
 
前は緑豊かな都立綾南公園だ。しばらく土手を歩きサイクリ
ング道路へ下りる。

春風がそよぐサイクリング道路は若草が萌え快適な道のり。
満開の桜並木はやわらかな春の日がふりそそぎ生気が蘇って
くるようだ。


        サイクリング道路と桜並木

満開の桜並木は行き交う人も晴れやかだ。南浅川の流れに沿
ってそぞろ歩くと横山橋だ。土手には屋台の出店もなく、
酒肴を嗜む人もいない静かな時が流れる。

横山橋から八重桜の並木だがまだ開花していない。橋を渡り
左岸へ。満開の桜並木がどこまでもつづく。


        桜並木で語らうひとたち

花のトンネルを楽しみゆっくりと逍遥する。南浅川は春の光
りにキラキラと照りのどかな春が満ちる。

河原は菜の花が咲き乱れ桜に溶け込み美しい。枯れ草の間か
ら紅紫色のハナダイコンの花も咲きだし郊外の春を感じさせ
る。ほどなく東横山橋だ。

再び右岸にもどり明るい桜並木を歩く。川幅も広くなり、や
がて水無瀬橋だ。広場のベニシダレザクラが春風にゆれてい
る。優美なシダレザクラに魅せられしばらく観桜を楽しむ。


         山と桜並木と南浅川

往路を戻り川を遡上する。川上に向って歩くと風景が新鮮に
見えてくる。川を挟んで土手の両側の桜並木は綿あめのよう
にふんわりとし雲か霞みのような美しさをたたえる。

東横山橋から左岸にもどり、南浅川橋までつづく桜並木を
たどる。堰を流れ下る水はきらめきのどかな春日和だ。

桜の枝は川へのび広がり手が届きそうだ。桜のトンネルは花
に抱かれ花に埋もれうっとりとした心地よい気分にもなる。
久しぶりに桜のトンネルを歩き晴れやかに。


          桜の下の憩うひとたち

春の風情を楽しみながら歩くと横山橋だ。ベンチもある芝生
広場で一休み。芝生では輪になってお昼を楽しむグループも
多い。桜の下のお弁当はさぞ美味しいだろう。

桜の前で立ち止まり花を眺め綺麗だねとささやきあって微笑
む一行も。全体を見るのもいいが一枝を眺めるのも味がある。

水ぬるむ南浅川を眺めながら桜のトンネルをたどると南浅川
橋に着いた。橋のたもとが都立綾南公園だ。


          満開のさくら通りの花見客


綾南公園は「東京オリンピックの時に自転車競技場として作
れたのが始まりで、それ以後『武蔵陵の南にある公園』とし
て親しまれています。園内には16種類の桜がみられ、中で

もソメイヨシノを中心とした桜並木は見事です」とある。

園内にはいると、広い「さくら通り」は桜が豪華絢爛と咲き
誇り春たけなわの光景がひろがる。桜のトンネルは行き交う
花見の客でにぎわう。


          じゃぶじゃぶ池と桜

花壇にはチューリップや水仙なども咲いて春を彩る。桜の木
にネームプレートがあり桜の名前と花がより深く楽しめるよ
うだ。水辺通りには「じゃぶじゃぶ池」がある。日本庭園風

な池の畔りに赤紫のミツバツツジも咲き山の春のよう。さく
ら広場は満開の桜の下で年配の方々が車座で花見に興じて楽
そうだ。

園内を一巡し、桜も十分堪能したので古道橋から近道をたど
り高尾駅へ向かった。


春を告げる浜離宮の菜の花畑

2017-04-09 08:37:03 | Weblog
 気象庁は3月21日「靖国神社にある標本木の桜・ソメイ
ヨシノが開花しました」と発表した。その後は低めな気温の
日がつづく。

公園の桜はつぼみはかたく春よこいとささやいているかのよ
うだ。そんなある日、テレビから黄色く咲き乱れる浜離宮の
菜の花畑の風景が流れる。


           春を呼ぶサクラ

3月31日(金)、曇り。春の息吹にあふれる菜の花畑を訪
ね、ちらほら咲きはじめたサクラも見られるだろう…。

東海道線の新橋駅で下車。汐留口から浜離宮恩賜庭園へ。築
地川の橋を渡る。大手門は城壁に囲まれ重々しい。園内に入
ると徳川将軍家の庭園らしく奥ゆかしい情趣に富んでいる。


          内堀のオオシマザクラ

 江戸時代初期は将軍家の鷹狩場に甲府宰相の松平綱重が海
を埋め立て甲府浜屋敷と呼ばれる別邸をたてた。以来、歴代
将軍によって、改修工事が行われて、十一代将軍家斉の時代

にほぼ現在の姿の庭園が完成したという。海水を導き、潮の
干満によって庭趣に変化もたせた潮入りの回遊式築山庭園で
ある。


         菜の花の花言葉「明るさ」

 最初に迎えてくれたのは「三百年の松」だ。緑濃い見事な
枝ぶりや堂々とした松の姿に気圧されるようだ。古木は年輪
を重ねていくとオーラをを発散するのか。

そこからほど近い菜の花畑へ。お花畑は約3千平方メートル
の敷地に約30万本の菜の花が植栽されている。菜の花畑の
小路をゆっくりと楽しみながら周遊していく。


           菜の花畑の小道

緑の森の奥に近代的なビルデングが立ち並び鮮やかな黄色い
菜の花畑がひときわ美しく都会の春らしさを映す。

大地を黄色く染める菜の花に埋もれていると、甘い花の香り
に陶酔し”ああ春だ! 春だ! ”と叫びたくなり、元気が
わいてくる。そして、明るい黄色い花にいやされていく。

菜の花畑を巡る行楽の人びとも明るい菜の花から暖かな春の
息吹を感じているようだ。臨海部とはいえ、都心の近くでも
四季折々の花々を楽しめて隠れたオアシスのよう。


        菜の花畑と近代的なビル群

梅林の散策路をたどり新樋ノ口山に登る。レインボーブリッ
ジやお台場など臨海副都心を一望する。水上バスが汽笛を鳴
らし水門を出ていく。

海水を引き入れる横堀水門を渡り潮入の池の畔を散策する。
海手お手伝い橋を渡って鴨場の小覗を観察し優美な散策路を
周回する。


         池にある中島の御茶屋

御亭山から、築山の見事な樹形の松や典雅な大泉水庭園を眺
めて一時をすごす。

中の橋のたもとの桜は二分咲きほどにほころんでいる。水面
に映す花姿がすばらしい。池を周り富士見山に登る。山頂か
ら、国の特別名勝庭園の池などの全貌を見晴らす。


           水面に映すサクラ

富士見山から潮入の池の中の島へ。御茶屋は外国人観光客で
あふれている。抹茶をたしなみ風雅な池の景色でもと思った
が夢と消えた。

お手伝い橋を渡りふじ棚から花木園へ向かう。花木園ではハ
ナモモが満開に咲き誇る。紅色の八重の花は目にも鮮やかだ。
三分咲きのソメイヨシノが寄り添って咲いている。


        色鮮やかな紅色のハナモモ

すこし離れたところに、サンシュウの黄色い小さな花がひめ
やかに咲いている。ユキヤナギモも細い枝に雪が積もったよ
うに白い花を咲かせ爽やかだ。

中の御門の散策路をゆく。芝生広場にソメイヨシノの並木が
つづく。五分咲きほどに開花したサクラの花はういういしく
て美しい。花の下は多くの人びとが憩い桜を楽しんでいる。


        中の御門近くのソメイヨシノ

中の御門から外へ。都心環状線の歩道をたどり旧芝離宮恩賜
庭園をめざす。15分ほど歩くと竹芝ふ頭への十字路だ。信
号を右折し浜松町駅へ。5分ほどで旧芝離宮恩賜庭園だ。

小石川後楽園とともに最も古い大名庭園の一つである。典型
的な池泉を中心とした回遊式庭園で、その地割と石組は秀逸
といわれる。


         枯滝から見た満開のサクラ

園内に入ると広い藤棚があり、池の小道を下っていくと州浜
に古びた雪見灯篭が立つ。この雪見灯篭は園のシンボルだと
いう。石の敷かれた散策路を歩き枯滝へ。

枯山水風の枯滝の川底を抜けると、ピンクの桜が目に飛び込
んでくる。広い芝生にサクラの群落が春爛漫と咲き誇り見事
な美しさだ。華やいだ春の色に染まっている。

サクラの下はほんのりと桜のいい香りがただよう。


         芝生に広がる満開のサクラ

西湖の堤を渡り中島へ。中島から眺めるサクラは優美な花姿
を池に映しすばらしい。

八つ橋を渡りあずまやあたりから渡り鳥のカモの遊泳が見ら
れる。キンクロハジロ、ホシハジロ、ヒドリカモなどが戯れ
て春ののどかさが広がる。

ホトケノザも紅紫の可憐な花を咲かせ池を彩っていた。





関東三大梅林の越生梅林

2017-03-10 14:37:04 | Weblog
 二月に入ると各地から梅の花便りが伝わってくる。わが家
の白梅も一輪二輪と咲きはじめた。

開花がすすむ二月なかごろ、ウメの蜜を求めてことしもメジ
ロが やってきた。朝から二羽のメジロが花から花へ飛びま
わる。目の周りに白い輪がありなんとも可愛らしい。

今年は越生梅林を訪ねてみたい。関東三大梅林の一つに数え
られている越生梅林は260年の歴史がある。約2haの園
内には、650年前の古木「魁雪」をはじめ200年以上の

古木も多く、白加賀、越生野梅、紅梅など約1000本の梅
が植栽されていて埼玉県指定名勝である。


            八重の紅梅

2月22日に開花状況を確認すると白梅が四分咲きほどで3
月に入ると本格的な見頃を迎えるという。

3月1日(水)曇り。午前6時40分に拙宅をでる。横浜線
に乗り八王子駅で八高線の川越行にのり高麗川で高崎行き乗
り換える。

列車が高麗川をでると、車窓から春カスミのように白梅がほ
の白くかすむ。冬枯れの畑に紅梅が咲きそめて山里にも春の
息吹がただよう。


            白梅(白加賀)

越生に近づくにつれ線路沿いに白梅の並木がつづく。花の里
らしく春の風情を楽しませてくれる。午前9時40分に越生
駅に着いた。雲が垂れ込め肌寒い。

越生梅林経由のバス停は長蛇の列だ。好天なら越生梅林まで
寺社などを巡るハイキングコースを歩くつもりだったが、あ
いにくの天気のためバスで行くことにする。


            名勝 越生梅林

バスは狭い県道を走る。初めて見る越生町の風景を眺めてい
るうちに梅林入口に着いた。バスを降りると、越辺川の対岸
に「名勝 越生梅林」の赤い字の看板が目に飛び込む。

越辺川沿いに紅白入り乱れて咲くみごとな梅園はまだ春浅き
山間を美しく彩る。

案内に従って橋を渡り進むと越生梅林入口だ。若い女性がパ
ンフを配っている。料金所で入園料を払い園内へ。梅林は越
辺川に沿って細長く広がる。


             観梅の人びと

観梅は縄を張った散策路をを歩き園内を巡る。古木は樹形の
美しさに風格もあり白く清楚な花姿は奥ゆかしい。園内はと
てもいい香りがただよい癒される…。

残念なのは、曇った灰色の空がうらめいい。明るい春の日差
しに映えるかぐわしい花が見られないことだ。巡ると、とこ
ろどころに福寿草のコーナーがあり可憐な黄色い花を咲かせ
ている。


             紅シダレ梅

広場に入ると紅シダレが多い。濃い紅シダレとピンクのシダ
レが交互に並び艶やかに咲き乱れ趣がある。少し離れたとこ
ろに白いシダレ梅がある。うすい緑をおびた花色は魅惑的で
美しい。

梅林の全貌を見渡せる展望台がある。展望台に登り園内を眺
めると、綿あめのようにふんわりとした白や赤の花が入り交
じりなんともいえない美しさだ。


            展望台からの梅林

高台から眺める梅林は一味ちがった味わいがある。地上に戻り
、樹齢650年の最古木の「魁雪」を眺める。幾星霜に堪えた
古木は梅の精霊が宿っているかのようだ。風雅な白い花は気品
がある。

近くに、歌人佐々木信綱の「入間川高麗川こえて都より来しか
ひありき梅園のさと」の歌碑がある。旅の叙情が感じられいい
短歌だ。


            散策する二人連れ

越辺川を遡ると対岸にも梅林があり梅の里らしい。広場へ戻る
散策路に越生野梅の古木が可憐な白い花を咲かせている。風雪
に堪えて咲く花は情趣が深い。

屋台村の梅花の下でビールを飲みながら梅の色香を愛でる至福
の一時を過ごす。


            古い歴史の梅園神社

隣の梅園神社に立ち寄る。神社の歴史は古く「観応元年(13
50)から喜永5年(1853)に至る棟札が現存する。明治
40年(1907)に付近の二社が合祀され名前が梅園神社と

なったが、それまで小杉天満神社と呼ばれていた。筑紫の大宰
府天満宮からこちらへ分祀され、菅原道真にちなんで付近に梅
を植えたのが越生梅林の起源とされる」とある。境内には白い
シダレ梅が咲いていた。

越辺川に沿った県道をたどり越生駅へ向かう。川沿いには白く
咲き誇る梅林が点在し早春のやわらかな風景が広がる。途中、
五大尊つつじ園をのぞき越生駅へ。


            山吹の里の水車小屋

越生駅前から近い山吹の里歴史公園を訪ねた。踏切を渡ると山
吹の里まで500mほどだ。のんびり歩き山吹橋を渡ると山吹
の里歴史公園だ。

4月には約3000本の山吹が黄金色に咲き乱れるという。古
びた茅葺の水車小屋は素朴なノスタルジーがただよう。

案内に「太田道灌は狩の途中雨にあい、蓑を借りようと農家に
立ち寄ったところ、少女がでてきて、だまって山吹の花一枝を
差し出した」というエピソードの地。

有名な「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲
しき」の和歌に心がしみる。

長瀞宝登山のロウバイと岩畳

2017-02-10 09:32:15 | Weblog
大寒を過ぎたが、寒波が居座り各地で猛威をふるっている。
厳しい寒さの日々にロウバイの花便りが…。

長瀞観光協会に宝登山ロウバイ園の開花状況を照会したとこ
ろ、開花も進み見頃を迎えているとう。


       ガラス細工のようなロウバイの花

1月25日(水)、澄み切った冬晴。凍てつく早朝は寒さが
身にしみる。秩父長瀞までは3時間を超える長途だ。道中、
ガイドブックに載っていた「真冬に、宝登山直下のロウバイ

が咲き誇り見頃を迎えている」写真に魅せられた。山の斜面
を黄色く彩るロウバイの美しさに心が弾む…。


       澄みきった青空に映えるロウバイ

地下鉄から池袋駅で東武東上線に乗り小川町、寄居で乗換え
て午前9時50分ごろ長瀞駅に着いた。明治の余剰を残す長
瀞駅は風情がある。

長瀞は荒川上流部の渓谷で全長約6kmにわたる。国指定の
名勝・天然記念物の岩畳は、埼玉県立長瀞玉淀自然公園の中
心にあり、結晶片岩帯は地質学研究の適地で「地球の窓」と
呼ばれている。


       地球の窓と呼ばれ結晶片岩帯

ライン下りと岩畳が有名で、ラフテングも楽しめる。宝登山
直下のロウバイ園には、3種類のロウバイが、約15,00
0㎡の敷地に3,000本植栽されている。

花の少ない、1月から2月にかけてロウバイが見頃を迎える。



        ロウバイ園から秩父連山


駅前の観光協会を訪ね、宝登山(497m)のアプローチ
を聞くと、歩きなら1時間、ロープウェイなら5分という。
観光案内をもらって宝登山をめざす。

駅前通りを進み、国道140号線を横切って大鳥居をくぐり
参道をゆるやかに上る。松と桜並木の歩道も珍しい。左手の
旧荒井家住宅と郷土資料館はパスする。


        秩父三神社の宝登山神社

右手の灯籠が並ぶ参道を行く。ほどなく、しめ縄が張られた
大鳥居の石段を上ると荘厳な宝登山神社。日本武尊ゆかりの
古社で、三峰神社や秩父神社とともに秩父三神社の一社であ
る。

参拝して宝登山麓駅へ向かう。広い車道を上っていくと雑木
林に雪がある。成人の日に降った雪だという。蛇行して坂を
登ると山麓駅だ。


         山麓駅のロウバイ

ロープウェイに乗り眼下の景色を眺めているうちに山頂駅に
着いた。ロウバイ園への坂道を登っていくと東ロウバイ園に
でる。花はちらほら咲き始めているが、2分咲きほどか。

ちょっと寂しい。さらに上をめざし登ると西ロウバイ園だ。
山の斜面は黄色く染まりロウバイの花盛りだ。小春日和の
ロウバイ園は強い芳香がただよう。


       ロウバイ園の華やぐロウバイ

澄みきった青空に透きとおる黄色い花びらは冬日に映えて
美しい。花見の人びとはロウバイにつつまれ写真におさま
り、花のかぐわしい香りを楽しんでいる。

おしなべて花は下向きに咲く花姿がいとも愛らしい。花言
葉は「慈愛、優しさい心」。花の少ない冬枯れに、ロウ細
工のような黄色い可憐な花は一足早く春を告げる。


       山の斜面を染めるロウバイ

植栽されているのは、素心ロウバイや満月ロウバイ、和ロ
ウバイの三種である。一見しても判別が難しい。

ロウバイ園を登りつめると、ほどなく三角点がある宝登山山
頂(497.1m)だ。そこからほど近い木立が茂る一角に
宝登山神社奥宮が鎮座する。安全を祈り山頂南側の見晴へ。


           宝登山山頂

凛とした青空に奥秩父の甲武信ヶ岳(2475m)や鋸状の
両神山(1723m)などの名峰が連なり、左に目を移せば
削られた武甲山が聳える。

ツツジが咲く初夏、両神山を登ったが際立つ岩峰のため鎖場
が多く厳しい山だった。また、秋が深まるころ、金峰山(2
599m)から国師ヶ岳(2591m)を越え、長い樹林帯
を縦走し甲武信ヶ岳に立ったことが懐かしく浮かぶ。


          奥秩父の両神山

山頂駅から下り山麓駅へ。そこら近い、長瀞秋の七草寺巡り
の不動寺(ナデシコ)に参拝し往路を戻り岩畳へ。

踏切を渡り、土産物屋や食事処が軒を連ねる「岩だたみ通り」
ぬけて岩畳へ。石段を下り荒川の河原にでる。1月は渇水期
で水量が少ない。船の発着場は遊船が北風に揺れていた。


         川下りの発着場

岩畳に立つと、荒涼とした結晶片岩帯は幅80m、長さ50
0mにわたり岩石段丘が広がる。上流へ向かい奇岩怪岩を探
勝しながら散策すると東屋がある。


          岩畳の絶景

一息入れ、ビューポイントの岩畳に立つ。対岸にそそり立つ
秩父赤壁の断崖絶壁から流れ落ちる「明神の滝」が望まれる
。残念だが、厳冬のため滝は氷柱になっていた。滝も冬休み
だ。

眼下に、断崖絶壁の渓谷を流す川下りの遊船がゆく。清冽な
流れをのぞくと、あまりの高度感に体がぞくぞくとし目がく
らみそうになる。


    屏風を立てたようにそそり立つ秩父赤壁

緑輝く初夏、岩を砕く激流の水しぶきあびながら谷間の絶景
を楽しむ舟下りは最高だろうと夢想する。

広い岩畳を歩いていたら北風が強くなり寒くなってきた。岩
場を戻り県立自然の博物館に立ち寄ろうにも時間がない。あ
きらめて長瀞駅に向かった。

水仙がほころぶ観音崎

2017-01-10 09:19:38 | Weblog
 冬至もすぎ年の瀬が押し迫るころ、わがやの小さな庭にも
スイセンが咲き始めた。うつむきかげんに咲く清楚な花姿に
ほっこりとする。

12月28日(水)、北風の凛とした冬ばれ。観音崎は三浦
半島の温暖な気候に恵まれ、県立観音崎公園ではスイセンや
ヤブツバキが咲いているだろう。


        観音崎灯台の庭のスイセン

京浜急行の馬堀海岸駅で下車。馬堀海岸沿いに造られたうみ
かぜの路へ。「うみかぜの路」はJR横須賀駅から平成町、
馬堀海岸を経て観音崎までの約10キロメートルの海沿いを
結んだプロムナード。

国道16号線と並行し整備された広い遊歩道は走水へと延び
る。国道や遊歩道にはカナリーヤシが植栽され南国情緒がた
だよう。


        うみかぜの路(馬堀海岸)

白波がたつ東京湾から吹きさらす寒風を衝いて歩く。冷たい
風に身が引き締まる。ジョキングを楽しむランナーも多い。
強い海風にヤシの葉が大きく揺れて波打つ。

歩いて来た遊歩道を振り返ると、紺碧な空に真っ白な富士山
が輝き神々しい…。

整備された遊歩道も終わり国道は登り坂となる。ほどなく広
い走水水源地(ヴェルニーの水)だ。名水の誉れ高く水をペ
ットポトルで持ち帰る人があとをたたない。


        破崎緑地からの富士山

坂を登っていくと破崎緑地に小さな展望台がある。青く澄み
渡る海原に白い秀麗な富士山が浮かび類なき美しさ…。

なだらかに下り旗山崎公園を過ぎると走水漁港。さらに国道
を歩くと走水神社だ。鳥居をくぐり石段を登って社殿に参拝
する。


           暮れの走水神社

走水神社は日本武尊が走水沖で嵐に遭遇した際、その妃・弟
橘媛が海に飛び込んで海を鎮めたという故事から、日本武尊
と弟橘媛を祀る。

再び国道を南下し、走水ボードウォーク(全長580m)に
入る。東京湾の冬景色を眺めながらボードウォークを巡り散
策を楽しむ。


         走水ボードウォーク

観音崎に東京海上交通センターの白い塔がまぶしい。風を遮
るコーナーで一休みする。

寄せては返す波の音を聞きながらソーセージを肴にビールを
飲んでいたら、”トンビにソーセージをゲットされてしまっ
た” トンビに油揚のお笑いだ! 


         近代的な横須賀美術館

ボードウォークから国道へ上がり、三方を緑に囲まれた全面
ガラス張りの横須賀美術館に立ち寄る。所蔵する秀作を鑑賞
し、谷内六郎館で代表作(週刊新潮表紙絵)に懐かしさを覚
え作品のコメントに心温まる。

再び国道にもどり、しばらく歩くと観音崎公園入口に着いた。
県立観音崎公園は、東京湾に突き出た観音崎のほぼ全域に広
がる。シイやタブなどの照葉樹におおわれる。


         浦賀水道を行く大型船

海岸の岩礁帯は波に洗われ変化に富んだ自然美があふれる。
海岸沿いの遊歩道をたどり観音崎園地に立つ。浦賀水道を行
き交う大小さまざまな船舶、さらに漁船と多い。

岬を回り、海岸園地のベンチに掛けて、対岸の富津や金谷、
保田の房総半島を一望する。富津岬から観音崎の距離は約
7キロメートルと短い。


         海岸園地の岩礁帯

余談だが、長年の釣りから、観音沖は潮が速く魚の身がしま
り美味い…。季節ごとの魚種も多い。

観音崎灯台へ向かう。照葉樹が鬱蒼と茂る石段を上がる。ジ
グザグを切って石段を上っていくと白亜の観音崎灯台が現れ
る。日本初の洋式灯台だ。


         白亜の観音崎灯台

関東大震災などで崩れ、今の灯台は三代目という。灯台周辺
の草むらにスイセンが群生しいい香りがただよう。

灯台の展望台に登ったが強風のため早々に退却する。庭の句
碑に「汽笛吹けば 霧笛答ふる 別れかな」昭和43年、初
代海上保安庁長官大久保武雄。木下恵介監督の映画「喜びも

悲しみも幾歳月」の舞台となった。実在の灯台守の妻・田中
キヨの手記に基づき作られたという。

灯台から地層が見える通路をぬけ深い森を歩き北門第一砲台
跡に。園内の随所に砲台跡があり、東京湾防備の要塞地帯だ
ったことを物語る。


       戦没船員の碑に立つブロンズ像

冬鳥の声が響く森を散策し、戦没船員の碑を見学しブロンズ
像のりりしさも痛ましい。薄暗い照葉樹林の森をたどり花の
広場へ。

花の広場は広い原っぱだ。花壇の一角にスイセンやパンジー
などが咲き春らしさがただよう。往路をもどり、海岸園地か
ら岬をまわり観音崎自然博物館をめざす。

海沿いの遊歩道は心地よい磯の香りに癒され荒々しい岩礁帯
のロケーションを楽しむ。トンネルをくぐり車道を歩き展望
園地に。房総半島は霞み青い海原が湾口へと広がる。


       展望園地に群落するスイセン

園地の斜面一帯はスイセンが咲き誇り遠い春を告げているよ
うだ。東京湾へ入港する大型船もよく見える。隣の観音崎自
然博物館は休刊日。

たたら園地へ行くと、山に囲まれた広い園内は満開のスイセ
ンやヤブツバキが咲き乱れ寂しい冬景色に明るく華をそえて
いた。


       たたら園地に咲くヤブツバキ

白砂のたたら浜におりる。光あふれる砂浜は子どもたちが波
に戯れる。青い海を眺めのんびり憩うのにいいところだ。

スイセンやツバキを楽しみ冬の海に満足し帰宅の途へ。