心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

伊豆ヶ岳・古御岳・子ノ権現 足腰にご利益があるお寺への山旅(2)

2021年02月21日 | 奥秩父・秩父


伊豆ヶ岳(851m)・古御岳(820m) ((1)のつづき)


 山頂部分には巨岩が露出して、樹々の向こうに秩父の山並みが見えます。なだらかな武川岳の奥に、石灰岩の採掘で削られた武甲山の頂上だけが見えています。
 伊豆ヶ岳の岩石はチャートです。チャートは鉄よりも硬いといいます。これは秩父の両神山と同じです。
 南に向かって下り、すぐ登り返すと15分で古御岳です。地図を見ると標高は820mですが、現地に立つ標識は830mでした。等高線を辿ってみると、820mの方が正しい気がします。
 ここから長い稜線歩きが始まります。ところどころアップダウンを交えながら天目指峠まで下って行きます。ほとんど杉林の中ですが、快調に歩ける道は飽きません。
 東京・埼玉の県境を走る長沢背稜に、天目山(てんもくやま)という山がありますが、「てんもく~」ではなく「あまめざす」と読む天目指峠はユニークな地名で、辞典をひくと「峠名は、アマメ柿(天然の甘柿)があった指(焼畑)ということから付けられたという。」とありました(『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』(角川書店))。
 ここでは登山道が車道と交差していますが、車道を下った先にある「久通」(くずう)も、振り仮名がなければ読めない地名でした。
 峠から登り返し、子ノ権現に近づくと眺望が開けました。午前中に登った伊豆ヶ岳と古御岳が、ほとんど同じ高さで並んで見えるのが美しいです。


 子ノ権現天龍寺は911年に創建された寺院です。茅葺き屋根の本坊が重厚です。明治16年に奉納されたという、木の板に書かれた絵も目をひきます。色褪せてはいますが赤色と青色ははっきりしています。そして、日本一の鉄ワラジは重さが2tもあるといいます。その横には白と赤の下駄が1足ずつ置かれています。子ノ権現は足腰を守る神仏として信仰を集めています。山歩きでこのお寺を訪れることができてよかったと思いました。
 境内には、”東京スカイツリー眺望処”もありました。634mのスカイツリーとほぼ同じ高さから、東の方角を眺めてみましたが、それらしきものは分かりませんでした。こちらの方がいい景色だという気がします。
 ここまでは車道も通じていますが、参道沿いのお店で温かいうどんをいただき、さらに山道を下って西武線の西吾野駅に出ました。寒い冬晴れの日ならこういう登山がいいなと思った一日でした。






 (登頂:2013年1月中旬) 



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