心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

安達太良山 箕輪山への縦走と秘湯「中の湯旅館」

2014年12月29日 | 東北の山


安達太良山(1,700m)・箕輪山(1,728m)


 高村光太郎の詩集「智恵子抄」で有名な安達太良山は、近隣の磐梯山吾妻山と同じく活火山です。安達太良山の活火山らしい迫力は、麓からは分かりません。稜線まで登って、火口を見下ろすことで初めて雰囲気が伝わってきます。火口の沼ノ平は、何がどうやって爆発したのかという複雑な形で、1枚の写真だけでは全容を明らかにできません。今も火山ガスが噴出しており、火口の中を歩くことはできません。遠くに見える磐梯山は、端正な形が対照的でした。 

 日本百名山に挙がっているのは安達太良山なので、多くの人がここだけを登頂するようです。しかし、単独の安達太良山だけではない、安達太良連峰の最高峰は箕輪山です。
 箕輪山は反対に穏やかなピークで、八ヶ岳にある編笠山の上半分を押しつぶしたような形をしていました。
 箕輪山からの下りが一苦労で、登山靴が泥だらけになりました。やがてスキー場のゲレンデに出ました。


 下山した後、会津横向温泉中の湯旅館の温泉につかりました。「純自炊湯治療養の宿」とあります。入口には、「頭のよくなる霊泉」という、不思議な大きな看板が出ています。
 炬燵に入っているおばさまに声をかけて、入湯料を支払い中へ入ると、まさに鄙びた温泉でした。
 年代物の「分析表」があり、黒色ではない部分は字がにじんでいます。季節によって泉温が一定しないようで、「かなりアバウトです」と正直な掲示もしてあります。頭はよくならなくても、泉質はとにかく最高でした。内湯もよかったですが、紅葉を眺めながら入る露天風呂が絶品でした。他に入っている皆さんは、地元福島の方ばかりでした。しばしば来られるそうで羨ましい限りです。良い温泉に限って、不便な場所にあるのだと思います。





 (登頂:2012年10月下旬) 



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