心が満ちる山歩き

美しい自然と、山に登れる健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山・街歩き・温泉・クラシック音楽‥‥

八幡平 岩手と秋田の県境に広がる大きな雪原

2020年05月15日 | 東北の山


八幡平(1,614m)



「~ 八幡平の平をタイラではなくタイと読むのは、八甲田山などに多い「岱」と同義語であるからだろう。タイとは山上の湿地帯の意で、あるいは古語の「田井」から来たのかもしれない。東北地方では山上の湿地を御田とかタンボとか呼ぶ例が多い。 ~」
(深田久弥『日本百名山』(新潮社版))

 『日本百名山』の目次を開くと、名前の終わりが「山」と「岳」以外の字になっている山が6座あります。その中で八幡平は、長野県の美ヶ原と並んで、最も山らしくない名前の山だと思います。
 盛岡駅から八幡平頂上バス停まで、岩手県北バスでおよそ2時間です。このバス旅行も楽しいです。終点が近づくと、道路の両脇は雪ですが、「壁」ほどの高さにはなっていませんでした。
 バス停近くには秋田と岩手の県境を示す標識があり、少し登るとおよそ25分で頂上でした。その途中には小さな「鏡沼」があり、真っ白な雪に青い穴がぽっかり開いた水面でした。
 頂上は展望デッキの工事中で、資材が置かれていました。「平」は山とは反対語のような漢字ですが、アオモリトドマツの森の中にある頂上は、まさに真っ平な場所でした。
 その八幡平にはいくつかの池、沼がありますが、一番大きいのが八幡沼です。
 夏道がすべて埋まった雪の上を八幡沼まで歩いていくと、すごい景色が現れました。陸の部分と沼の部分の境界線がはっきりしていません。長細い形の沼の畔は、雪と水が渾然一体になっていました。初めて見る景観ばかりでした。
 明日登る予定の岩手山は、ここより400m以上も高い山なのに、雪はずっと少ないようでした。


 簡単に登れてしまう八幡平ですが、日本百名山にふさわしい山の一つだと思います。この景色はとても好きになり、その後も季節を変えて2回行きました。
 藤七温泉彩雲荘の、荒涼とした景色に広がる露天風呂もすごい温泉だと思いました。1時間しか入れなかったのが心残りでした。ここまで公共交通で来るには、14:25着のバスを降り、15:27発のバスで帰る方法しかありませんでした。
 また、八幡平に行ったことは、近くの秋田焼山や三ツ石山に登るきっかけにもなりました。これらの素晴らしい山々の近くには、玉川温泉、後生掛温泉や松川温泉といった個性的な温泉の数々もあります。






 (登頂:2014年5月下旬) 



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