心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

北アルプス・立山 別山から雄山までの縦走(10) 大汝山から雄山の神殿へ

2020年12月03日 | 北アルプス


立山(別山(2,880m)・真砂岳(2,861m)・大汝山(3,015m)・雄山(3,003m))
((9)のつづき)


 「~ 最も古い記録は奈良時代の『万葉集』に遡り、天平十九年(七四七)に越中の国守であった大伴家持は「立山賦」で、「すめ神の うしはきいます 新川の その立山に 常夏に 雪降り敷きて……」(巻一七・四〇〇〇)と詠み、神が住まいし夏でも雪をいただく畏怖すべき対象として立山を讃えている。当時は山々の連なりをタチヤマと呼び、タチとはそびえ立つ山容を表すとともに、神々の顕現の意味も持たせていたと考えられる。 ~」(『山岳信仰』鈴木正崇(中央公論新社))
 

 今日の縦走路で最も高い大汝山に着きました。今年初めて、3,000m峰に登ることができました。
 室堂が見下ろせます。みくりが池とみどりが池が、つながって見えるのが面白いです。標高で500mも下にある、とても小さなみどりが池の水面に、雲がうつっているのが分かります。
 りんどう池を取り囲むように歩道が付いています。歩道は真ん中がぐっと落ち込んで、急な坂になっています。立っている山頂に向かって雲のかたまりがゆっくり昇ってきます。
 雄山神社の神殿が見えます。山に開かれた都と呼びたい景色で、北アルプスの眺望の中でも特に印象的なものの一つです。東京都の御岳山も山都ですが、立山は御岳山の3倍以上の高さがあります。
 御前沢氷河も見えました。ここは日本最南端の氷河です。今日は内蔵助氷河と御前沢氷河、2つも氷河を見ることができました。立山は雪も氷河も似合います。御前沢の方がずっと大きく、流動する量も内蔵助の年3cmに対して、御前沢は20倍の60cmであるといいます(立山カルデラ砂防博物館)。氷の大きさ、重さがスピードを速くするのでしょう。しかし、御前沢の風景は大きすぎて、氷が動くことは逆に想像できませんでした。
 雄山神社からはブロッケン現象も見ることができました。虹色の形をした小さな輪が確かにありました。雲が途切れて見えた鋭いピークは槍ヶ岳に違いないと思いました。





 (登頂:2020年9月中旬) (室堂山・浄土山につづく) 



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