心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

八ヶ岳 最高峰・赤岳から硫黄岳への縦走(1)

2020年08月07日 | 八ヶ岳


赤岳(2,899m)・横岳(2,830m)・硫黄岳(2,760m)


 「~ 九月のなかば、阿弥陀岳の頂上から見た赤岳は真っ赤だった。台風が接近していて、雨風の強い夕方だった。山の西面をなすあの大きな岩壁が、荒あらしい西日をまともに受け、山全体がどぎついフォーヴの赤で塗りつぶされていた。 ~」
 (山口耀久『八ヶ岳挽歌 続・随想八ヶ岳』(平凡社))

 八ヶ岳は、八ヶ岳という一つの山があるのではなく、いくつもの山の集まりです。その中で一番高い山が赤岳です。
 赤岳の名前は、岩石に酸化鉄を含み赤く見えるのが由来だといいます。
 赤岳の後で、群馬県の赤城山と、南アルプスの赤石岳に登りましたが、どちらも赤くは見えませんでした。今でも覚えているのは槍ヶ岳で、早朝にヒュッテ大槍から見上げた槍ヶ岳は本当に赤く染まっていました。
 「フォーヴ」のような、野獣のような赤色の山を一度見てみたいものです。


 蓼科山、天狗岳、縞枯山と八ヶ岳の峰々へ登り、次は最高峰を目指したいと思いました。
 アルピコ交通の美濃戸口バス停から、舗装はされていませんが車も通れる道が1時間半ほど続きます。登山道に入ると、左へ右へ何回も沢を渉りますが、歩きやすい橋がしっかり整備されています。
 傾斜がきつくなるのは、赤岳鉱泉と行者小屋を過ぎ、地蔵尾根に入ってからです。行者小屋から赤岳を見上げると、岩壁はまるで山ではなく崖のようです。
 次第に地面の色が変化し、「赤岳」の片鱗を見せます。高い木がなくなり、梯子が出てきます。二軒の山小屋がずっと下に見えています。麓はほとんど緑に覆われ、小屋がはっきり分かります。
 足もとは次第にエンジ色のように濃くなり、黒味を帯びた岩石も混じるようになりました。
 地蔵尾根の名前通り、お地蔵さんがまつられていました。金網で補強された階段状の急登をこなすと稜線に出て、地蔵尾根は終わりました。







 
 (登頂:2012年8月中旬) (つづく) 



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