Alglory Web Travel Diary

日々の気づいた事、気になった事を綴る。
時空の扉の管理人のBLOG。
since:2004-08-07

ローマ人の物語〈7〉― 悪名高き皇帝たち

2006-12-06 00:34:24 | ローマ人の物語
ローマ人の物語〈7〉― 悪名高き皇帝たち

さて、引き続き第7巻のレビューですが
本巻で取り扱われている皇帝はアウグストゥスの後を継いだ4人の皇帝
ティベリウス
カリグラ
クラウディウス
ネロ
の4人について、書かれています。

この巻のサブタイトル、悪名高き皇帝たちは本当に悪名高かったのか?著者はこの問いに対して、評価を再構築させていきます。
私が、この本で一番影響を受けたのは第2代皇帝ティベリウスについてでしょう。これだけ実績と評価が乖離した皇帝も珍しかったのではないでしょうか。アウグストゥスの後を継いだこの皇帝はストイックなまでに、見事な統治をしていきます。特にローマを襲った金融危機に対しては、この後の日本政府のバブル崩壊後の経済失政と比べてもはるかに見事でした。しかしその禁欲的な性格と民衆に対する受けの悪さが彼の評価を後世まで低いものとします。
第3代皇帝カリグラは、カリグラです・・・
第4代皇帝クラウディウスは、その生来の身体的特長の為に、後世の評価が低く抑えられている皇帝の1人であるといえます。
歴史家皇帝としてのクラウディウスは、真面目に政務に取り組んだ皇帝の1人であり、これが行った政策は五賢帝時代に花開くものもありました。
第5代皇帝ネロ
これに関しては、前半の黄金治世と後半の暴走の対比が面白く、その暴走も後世のキリスト教徒によって捏造されたものもあったわけです。
4人の皇帝の行った治世の再評価が行われた本書はローマ人の物語の中でも白眉の存在といえます。本書が大ベストセラーになったのはこの巻が世に出たことによって確立されたと私は思っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿