イ病、教訓を語り継ぐために

2015-01-14 | 日記






























イ病、教訓を語り継ぐために

2014/09/26 15:52

神通川流域で発生した4大公害病の一つ、イタイイタイ病は、去年12月、被害者団体と原因企業の三井金属が「全面解決」とする合意書に調印する動きがありました。

このことが「すでに解決した問題」として一部に受け止められ、風化が懸念されています。

そうした中、県立イタイイタイ病資料館で語り部を務める女性がある工夫をして教訓を語り継ごうとしています。

小松さん「やはりその都度来られた方に、しっかりと伝えなければならないという、そういった緊張感の元で毎回臨んでいます」

神通川流域の被害地域、富山市婦中町に住む小松雅子さん、イタイイタイ病で亡くなった祖母を看病した経験があります。

また、父は、患者を救済するには裁判しかないと住民をまとめて勝訴に導き、再発防止に尽力した故・小松義久さんです。

その父の遺志を受け継ぎ、後世に語り継ごうと2年半前に開館した

県立イタイイタイ病資料館の語り部に志願しました。

これまでの講話は66回に上り、2600人以上に語ってきました。

この日、訪れていたのは長野県の中学1年生およそ80人。

語る内容は、父が50年近くにわたって取り組んできた活動の足跡とそこに込められた思いです。

小松さん「父は常に患者さんの立場で命の尊さ、健康の大切さを感じ、そして環境、公害は環境問題の原点と父は言いました、環境を破壊したら命は滅びます」

小松さんは、少しでも自分の話が記憶に残り、何かの機会に思い出してもらえるよう、ある工夫を考えました。

「自分自身が前向きの気持ちになれる言葉をいくつもいただいたので・・・」

小松さんは、去年2月から講話を聞いてくれた人全員に手作りのメッセージカードを渡しています。

裁判に勝訴した判決文の一部やイタイイタイ病のQ&Aのほか、中学、高校生にはこのことわざを入れました。

「人、一度して之をよくすれば、己は之を百度す、人、十度して之をよくすれば、己は之を千度す」

努力を積み重ねれば目的を達成することができるという意味の中国の故事です。

小松さん「年齢を重ねるごとにいろんな受け止め方、感性には違いが出てくるその時にまた大人になった時にあらためてまた足を運んで見学に行ってみようというきっかけの一つになってもらえたらうれしい」

小学生や大人用もあり、年代によってメッセージの内容を変えています。

カードは自費で製作し、これまで渡した人の数は1700人以上に上ります。

「私は皆さんにこのようなカードを作ってきました」「おうちの方にお持ち帰りいただき、何度も何度も読んでみてください」

生徒、女子「熱意がこもっていました。これを見ながら振り返っていきたいと思います」

男子「小松さんの伝えたいことはカードにあると思うのでしっかり読みたいと思います」

小松さん「2度と悲惨な公害病を起こさないためにもやはり風化をさせてはならないという思いを持ちながら自分の進む道として頑張っていかなければならないというのは日頃から思っているところです」

教訓として後世に語り継いでいくという小松さんの志と強い覚悟を感じました。

富山に暮らす私たちも関心を持って担わなければならない役割です。

資料館では、27日、四大公害病の語り部を招いて伝承会と意見交換会が開かれます。







小松義久


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