ソコモットボタン

昼に散歩中、近くの家電量販店に行った。
なんとなく目的なしに電気屋さんに行くのが好きだ。

いつもは目もくれないコーナー、マッサージチェアの横を通ると、
体験機がかなりの数置かれており、すべてのチェアに人が座っている。
皆、至福の表情でマッサージを受けているのだ。

中には絶対毎日来てるだろうという感じの人もいて、
何かこのコーナーだけ異様な盛り上がりを見せている。

その時、だ。
プシュー。。。と100年の冷凍保存から解凍されたみたいな感じで目の前の機械から立ち上がった男性がいた。急に目の前のチェアがタイミングよく空いたのだ。
他に待ってる人もいないし、果たして現在のマッサージチェアの実力とはどの程度のものなのか、試してみることに。

座って適当にボタンを押すとまず「体型を調べます」と言って体をくまなくチェックされる。結構屈辱的だ。

そしてマッサージが始まった。
途中で気付いたのだが、押してくる部分があったかい。そういう機能らしい。
なかなか絶妙な感じで押してくれるので、いいのだが、ちょっと音声案内がうるさい。
耳元で「手です」「腰です」などといちいちマッサージしてる部分を伝えてくる。わかってるし、と思う。

とにかくマッサージに集中しようと、目をつぶっていると、また音声ナビがなんか言っている。

「。。。の場合はソコモットボタンを押して。。。」

なんじゃそら？とおもったとき、
絶妙なマッサージが背中をえぐるように始まった。

「おお。。。なかなか。。。」


あ。。。さっきなんか言ってたな。。。ソコモットボタン。。？
ふと操作パネルに目を向けるとそこにあったのは

「そこもっと」ボタン。

気持ちいいマッサージがあったらこのボタンを押すとそこばっかり繰り返すのだ。
なんちゅうかわいいネーミングのボタン。
どうせなら「あ　それいたいボタン」なんかもあるといい。痛いときあるし。

すっかりその機能を気に入り「そこもっと」ボタンによる
集中的な背中へのマッサージ施術を時間の許される限り受けた。


なんかスジかわったみたい。