一昨日からの続きです。
猿かに合戦を勝手に検証しています。
猿は臼につぶされてしまいます。
臼は、『古事記』の中で、オオクニヌシが兄弟神の八十神に焼き殺されたとき、カミムスヒがオオクニヌシを復活させた話の中にでてきます。
その後、オオクニヌシが国譲りに同意し、出雲国に神殿を築いたとき、食事の世話をすることになったのがクシヤタマという神様で、クシヤタマは臼と杵を使って火を切り出し、次のような祝詞を奏上します。
「ここで私が切り出した火は、高天原ではカミムスヒの祖先神が住む立派な新しい御殿の煤（すす）が垂れ下がるまで炊き上げ・・」。
煤はタタラ製鉄や竈の神、ひょっとこなどの出雲に繋がるイメージがあります。
カミムスヒは大国主命が国造りをしたときに助けた、少彦名神の父であり、天神でありながら、高天原と出雲を結びつける役割を果たします。
臼は、この逸話にもあるように、出雲や食に縁があります。
また、栗については、白山の御祭神ククリヒメの栗を暗示している気がしています。
栗菓子🌰🌰
古事記の応神天皇の詠んだ歌に
「この蟹や 何処（いづく）の蟹 百伝（ももづた）ふ 角鹿（つぬが）の蟹（このカニはどこのカニ。はるばる遠い角鹿のカニ）」というものがあります。
この歌は応神天皇が矢河枝比売という女性に一目惚れして詠んだものとされています。（ちなみに矢河枝比売は、丸邇（ワニ）氏。因幡の白兎の時にでてきた、ワニ氏で、白兎の橋渡しをした存在です。古事記なんかにワニ氏は沢山でてきます。皇族とワニ氏は婚姻関係を結びます。）
この応神天皇の話で、カニが日本で初めて文献に記されたとされています。
角鹿は敦賀（福井県敦賀市）の古名。古代、敦賀のカニは朝廷への献上品の一つに数えられていたようです。
角鹿は現在の敦賀市を中心に越前町なども含む領域。白山のあるあたりです。越前蟹は有名です。敦賀一帯を治めた豪族が「角鹿氏」です。
また、ツルガは、鶴の響きをもちます。
また、鹿についても、鹿島神宮や春日神社は鹿が神使いです。ハサミのを持つ蟹は、角をもつ鹿とも仲良しのように思います。鹿については、また、別で書いてみます。
越の国、敦賀の白山はククリヒメが御祭神であり、敦賀はまた、
「豊かな海の幸は古事記に残るほど喜ばれた。御食国（みけつくに）として朝廷の台所を支えた」と古事記にはされています。
最後に、牛糞についてです。ギリシャ神話にでてきます。神々の王ゼウスの子、ヘラクレスの「十二の功業」のうち6番目の課題である「アウゲイアースの家畜小屋掃除」に登場します。
この家畜小屋の牛のフンは、30年一度も掃除されていないレベルでした。そこを掃除しろとヘラクレスは言われます。
ギリシャ神話の中で、蛇も蟹も英雄ヘラクレスに退治されますが、蛇を守った蟹座は12星座のひとつ、蛇はうみへび座として輝いています。
大神神社のご眷属は蛇です。三輪山が御神体。日の出の神、饒速日命だと思っています。ギリシャ神話でも蟹は蛇を守り星になります！ヘラクレスについて以前少し書いてました。
猿かに合戦は、太古国取り合戦の中で辛酸をなめた存在を暗示させます。隠された名前をもつ御祭神や眷属神、神話に深く繋がる話だと想像しました。世界の神話と日本神話にも同じような話もあります。
猿かに合戦は、国譲りを半ば無理やりさせた側を、せめて童話の中で懲らしめようとしたのかもと、勝手に想像してみました。
これから、蟹🦀を食べる時に、猿かに合戦を思い出しそうです(*^^*)
平和がいいですね。復讐するは我にあり。復讐劇は童話の中くらいがいいな。必ず神は見ておられる。何が良いかはわからない。だからこそ、神にお任せ。
昔話がいにしえよりずっと残るのは、神々が残したいと思った内容がストーリーの中に隠されているからなのかもしれません。
🐇🦀🌰🐝🐒
弱いものいじめや酷いことはしない。
仲間は助ける。
因果応報。
猿かに合戦のストーリーは勧善懲悪ですが、
復讐するは我にありでもありますから、
復讐劇は昔話や童話の中だけにして
悪縁悪果を断ち切るように、
本当の悪は自滅し霧散すると信じ
一日も早く世界に平和がくるようにと祈ります。
おしまい
【画像はお借りしました】
