デイダラボッチに引き続き、もののけ姫にでてきます神様、乙事主について書いてみます。猪の神様です。
神話で猪🐗が出てくるのは、
因幡の白兎を助けて美女と結婚した大国主命を嫉妬深い兄神たちが殺してしまう場面です。
兄神たちは、大国主を伯耆の国にある山のふもとへ連れて行き、珍しい赤い猪を山の上から追い立てるので下で捕まえろと言いつけます。兄神たちは、大国主を殺すために、火で真っ赤に焼いた大岩を上から落としました。転がり落ちてくる真っ赤な大岩を猪だと信じて疑わない大国主は、大岩を正面から受け止めようとし、絶命してしまいます。
また、猪はヤマトタケルが命を落とす場面にも出てきます。ヤマトタケルは、草薙の剣を置いたまま、伊吹山(伊冨岐)の神を退治に出発します。伊冨岐神社は、岐阜(美濃国)にあります。
そこで、ヤマトタケルは、
「こんな山の神ぐらい、素手で殺してやろう。」
と言って山に登ります。そのときに、山の辺で大きな白いイノシシと出会いました。ヤマトタケルは、
「この白いイノシシに化けたやつは、この山の神の使いだろう。まあ、今殺さなくても、帰る時に殺してやろう。」
と言ってさらに山を登って行きます。すると、突然、大雨が降って来て、ヤマトタケルの行く手をはばみました。
実は、このイノシシは、神の使いではなくて、神そのものだったのです。
それがきっかけでヤマトタケルは衰弱し、あっという間にミノオワリとなります。美濃(ミノ)にて亡くなったヤマトタケル。置いてきた草薙の剣は尾張(オワリ)の熱田神宮にあります。
ここでも、生→🐗→死です。
ヤマトタケルがお亡くなりになった伊吹山にも、ダイダラボッチと思われる巨人伝説があります。
昔、美濃(岐阜県)と近江(滋賀県)の境に「ダダ星様」という巨人がいました。ある時ダダ星様は自分の力試しとして伊吹山と養老山を担いでみることを思いつきました。ダダ星様は早速大きなもっこを作り両方の山を入れてウーンーと担いぎました。そのもっこの網目からぽろぽろとこぼれてできたのが南宮山です。またダダ星様が踏ん張ったときに足がグッと土に食い込んだため、近江と美濃には一つずつ足跡があります。
ダダボシ様🟰ダイダラボッチ様です。
ダイダラボッチは、夜にしか姿を現さない巨人で、山や湖を作るという大仕事をします。
ダイダラボッチを闇夜の巨人(破壊や死をも司り自然を創造する神)とすると、猪
が表すのは、そこへの道案内のような感じもあり、猪🐗は、生→死への門番のような、閻魔大王の側近のようなそんな感じもします。
干支の12支でも、最後は亥🐗です。亡くなった大国主命はねずみ🐀(干支の始まり)に助けられ根の国(死の国)を脱出します。
乙事主の乙を一に置き換えると一言主になります。奈良の一言主神社に参拝した際、雄略天皇との逸話が紹介されていました。一言主神はイノシシの姿として描かれる神様です。

この当時、一言主神は土佐に流されます。カモ氏の神様、一言主神は「死国」の響きをもつ四国の土佐神社に祀られています。この一言主は、事代主であるとも言われています。
また、出雲口伝によりますと、最大の事件8代目大国主命(ヤチホコ)が罠にはまり幽閉され亡くなる場所が「猪目洞窟」です。この洞窟は、夢でさえ見たら死ぬと言われるほど恐れられた場所でした。黄泉への入り口です。また、大国主命を助けようとした事代主も罠にはまり、粟島の「静の岩谷」の洞窟に幽閉され亡くなります。粟島は、阿波(徳島)の響きと同じで、これまた四国にあります。
乙事主、一言主、事代主、大国主命は、生→🐗イノシシ→死で繋がります。
イノシシのイノは命であり、シシは、死々の響きがあります。
ところで、神社にはハート型の猪目(イノメ)が色んな所にあります。


イノメ
字のごとく、イノシシの目を意味しており、猪目は古来より魔除けのために使われていると宇佐神宮のガイドさんが教えてくれました。
日本では昔から「忌むべきもの」を祀ることで災いを免れようとする文化があります。神道では死は穢れ忌むべきもの。「タタリガミ」という言葉がありますが、災いが起こると「タタリ」と呼んで崇めることで防災を祈りました。
しかし、「タタリ」と呼ばれるものの背景の痛みを乙事主の姿には見る事が出来ます。血だらけの姿。また、シシガミ、デイダラボッチの首をとろうとしたことに怒り、白い身体に泥をつけあい集団で反撃にでる場面。


イノシシに込められたメッセージは大きいなと思います。白い身体に泥をつけ合う行為は外見を大地と同化させる行為に感じます。大地の痛みを自分のこととして表す感じがします。イノメはハート型です。実際のイノシシは優しい目をしています。

大地への愛が溢れているのが、シシ神様、乙事主なのかなと思いました。

【画像は全ておかりしました。】
ダイダラボッチという巨人が山や湖沼を作ったという伝承が各地に多く残っています。

ダイダラボッチ
たとえば、富士山に纏わるものとしては、富士山を作るため、甲州の土を取って土盛りしたため甲州は盆地になったとか、

富士山を作るため近江の土を掘り、その掘った跡地が琵琶湖となったとかいうのがあります。
先日紹介しました榛名富士に関しても、土盛りして作ったので、掘った後は榛名湖となったとか、

榛名富士が富士山より低いのは、もう少し土を運ぼうとしたが夜が明け、途中でやめたためとか。
また、同じく上毛三社の赤城神社側の赤城山に関しても、ダイダラボッチが腰掛けて踏ん張ったときに窪んで出来た足跡が水たまりとなり、木部の赤沼がそれであるなどです。

ダイダラボッチは山の神様のようですが、
このダイダラボッチがデイダラボッチとして、もののけ姫では森の神としてでてきます。

もののけ姫には乙言主という猪の神様、昼は人間の顔を持った鹿のような姿をした神様、夜はデイダラボッチがでてきます。



もののけ姫といえばタタラは大きなテーマです。たたら製鉄のために自然を破壊する人間が描かれています。
福島県の相馬市は日本初の踏み鞴によるたたらが行われた場所でした。

また、出雲は良質の砂鉄が取れるため、長い間たたらが行われていました。
出雲のヤマタノオロチ伝説は、タタラにより、山が切り崩されたことにより、河川氾濫を抑える事が出来なくなったことを暗喩しているとも考えられます。
たたら製鉄では、大量の砂鉄と木炭を必要とするため、1回の操業で砂鉄採取用に1山が大きく削られ、木炭用に1山の木々が丸裸にされていたようです。それを年に10回とかやるわけです。それは、もう人間視点からしか地球を見てなくて、自然界に棲む動植物、土壌にいる菌類からしたらたまったものではありません。
デイダラボッチは、首を落とされたことで、人間や様々な生命を見境なく奪います。たたら場も崩壊してしまいます。

後に、アシタカとサンがディダラボッチに首を返すことで、荒れ果てた森に木の芽が芽吹きはげ山は少しずつ緑を回復していきます。
山を切り崩し、森を伐採しはげ山にし、森林や山が瀕死となり、再生には長い時間がかかります。その間に祟りのような自然災害がおこります。
たたらvs自然神の祟り
これがもののけ姫の大きなテーマ。
アシタカは蝦夷の長の設定です。

東北はアラハバキ信仰が残り、アラハバキは鉄鉱石が御神体であり、アラハバキ神は長髄彦と深い関係があります。
アラハバキは艮(北東)の方角にある東北の地で守られ、北東は艮の金神、祟り神として畏れられてきました。
祟りのように見えて、大地からしたらマイナスのエネルギーを元に戻すかんじなのかもです。
ディダラボッチは、破壊を司るシバ神のようでもあり、森の神、山の神、自然霊の味方のようでもあります。
猪、鹿、デイダラボッチ、森の精霊コダマ。

こだまとデイダラボッチ
自然が語りかけるテーマを、もののけ姫デイダラボッチに垣間見ます。
まるで、千と千尋の神隠しのカオナシのような存在にも通じるなと思いました。
【画像はお借りしました。】
今日はジブリ映画の中でマイベスト1である、となりのトトロの可愛い主人公の名前について、言葉遊びをしてみます。
可愛い姉妹の名前は、メイとサツキ。5月が英語になるとMay(メイ)、古語だと 皐月(さつき)です。
mayは英語では「かもしれない」ともなり、may➕be でmaybe で「たぶんそうなる」です。
メイには、その音読みの響きから、明、冥 、鳴、命、なんかがあります。
冥土なんかは、冥途(めいど)とも書き、冥界(めいかい)、黄泉(よみ)のことで、死後、死者の霊魂がたどって行く道。亡者のさまよい行く世界。暗黒の世界こと。陰陽では陰。
冥は、明(明るい)世界の真逆に思われますが、実は、同じく存在していて自分次第「かもしれない🟰may😊」です。
また、命(メイ)というのは、ミコトとも読めます。自分の内に「鳴」る(ウチナル)ミコトからの天命(メイ)を鳴り響かせるかどうかで、冥(暗く)と鳴ったり、明(明るく)鳴ったりする「かもしれません。maybe」。鳴らして成らすのは自分次第かな。
明(メイ)は、日と月があります。
日(太陽)と月は、昼と夜。明という漢字は、陰陽を両方を含んでいます。
1週間の始まりは日曜日から。次が月。日月並びます。休みの「静」から働く「動」へスタートです。9月1日は学校も始まります。
静→動を誠道にしたいものです。先ずは静か。坐の時間を必ずとり静かを大切にします。
皐月(さつき)は、五月。
5月は、日本の旧暦である太陰暦(ユダヤ暦、中国暦などがこれにあたる)では、田植をする月であることから「早苗月(さなへつき)」と言っていたものを略したという説もあったり、稲を植えることを古語で「さ」と呼び、田植えの月ということで「さ」月となったというものがあるようです。
五月(サツキ)の五は、当たり前ですが、四の次の、すなわち4に1を足して得る、数です。四方の真ん中。十字架の交点。
易では、五爻は、安らかな気持ちで、気楽に、 待っていればよいとき。 行くべき道から外れることがなければ、 良い結果に通じていくことになるとされます。
陰陽5行は自然界の森羅万象を「木」「火」「土」「金」「水」の自然界の代表的な5つに分類した哲学です。


いつも思うのですが、「木」「火」「土」「金」「水」には、「日月」が無いなぁ、と。自然には、日と月はかかせないし、人間は生きている限り、日月(ヒツキ)という時間に縛られています。
日月を明るくとらえるか、冥ととらえるかは、自然の一部である人間のカラダの働きをもつ、隠れた本当の心に気づくかどうかであり、自分の心を司る内なる神と出会うかどうかということかもしれない(maybeたぶんそうだ )なぁと思います。😊
太陰暦の5月に田植えをして、自然に任せて稲穂🌾が実るのを待つように、陰陽5行の五爻である、「安らかな気持ちで、気楽に、行くべき道から外れることがなければ、 良い結果に通じていくことになる」、は
日本古来の神の道、教祖経典はない神道に通じ、ただ自然と共にある道に繋がります。
可愛いくて、優しいメイとサツキ姉妹。
自然の精霊と仲良くなって、助けられるストーリー。
となりのトトロは名作ですね!

先日、映画を観に行った際、2023年夏公開のディズニー映画、マイエレメントのチラシの絵に目がとまり、一枚貰ってきました。
それがこちら。
(水と火の)
正反対の2人が起こす奇跡の化学反応

マイエレメントは、私の要素ということですね。
そして、ディズニーの予告をみると、木や風などの要素も映画に出てくるようで、キャラクターが可愛くて益々観たくなりました。楽しみです。
ヴォールトディズニーカンパニー創立100年を2023年に迎えるみたいですね。
漢方ではマイエレメント(人の体の要素)は「気・血・水」によって成り立っていると考えているようです。

画像はお借りしました
陰陽5行では、水は腎臓、火は心臓。
身体の水の要素と繋がる腎臓は、夜の月🌝夜に照らされた静かな母なる海🖤のイメージです。
車でいうと、ラジエーター。熱くなりすぎを防ぐために水で冷やします。また、体内にある透明な液体、体液は、鼻水や尿、リンパ液などの体のあらゆる水分を指し、免疫力に大きな関わりがあります。排出することで自分を守る感じですね。

火は、身体の血液ポンプの心臓。燃えるハート♥️です。また、車でいうとガソリンです。太陽のような☀️イメージもあり、人をエネルギーにより突き動かします。
血は、全身に酸素や栄養を運んだり、ホルモンバランスの調整もしてくれます。排出したら大変、輸血が必要となりますし、自分の血液もドロドロにならないようにサラサラにして体内で守らないとですね。
気は人間の体を動かす根源となるエネルギーで、車でいうと運転手、身体のエレメントでいうと、指令等の脳🧠かなと思います。
車が整備され、ガソリン⛽️も満タン、ラジエーターも水で満たされていても、運転手が気が荒かったり、平気で違反したら、自分が危険なだけでなく、周りにも甚大な被害をおこします。
脳は心により気が苛立つとカッカッして熱くなったりします。イライラプンプンは冷やす必要がありそうですが、脳は、カッカッしないようにか?髄液にぷかぷか浮いています。

画像はお借りしました
妹が脳脊髄液減少症に苦しめられた時、脳が物理的に水(髄液)を失い悲鳴をあげたわけです。そういうことになると全身が悲鳴をあげ苦しみ悶えることになります。
脳を火とすると、たえず髄液が周りを循環して綺麗な水で守り続けているともいえます。脳脊髄液も脳の指令によって作られ、1日に3〜4回入れ替わりますから、脳脊髄を火とすると、脳脊髄液は循環する水のエレメント(要素)で、絶えず綺麗な水で守っています。
身体のバランスを良くするには、脳が正しい動きをすることが基本で、まずは気の平静を心がけたいです。静かな坐の継続が要と思っています。
ディズニーは、水と火をどのように描くのでしょうか。マイ(自分の中の)エレメント(要素)なのに、近くて、遠い。

水と火があうこと、これは近くて遠いのかな。遠くて近いのかな😌。