韓国が誇る潘基文(パン・ギムン)国連事務総長だが、実際は「歴代最悪」の烙印を押されている。今年9月、米ニューヨークタイムズ紙に「潘基文は一体どこにいるのか」と題したコラムが掲載された。内容はシリア内戦などの国際問題への国連と潘総長の対応を酷評するものだった。
〈国連史における最悪の事務総長というレッテルをはられてしまった。“無力な傍観者”“どこにもいない男”というありがたくない形容も枚挙にいとまがない〉
〈潘基文事務総長も国連もシリア国内の大虐殺を止めることに関しては全く無力だった〉
非常に辛辣だが、実は潘総長への批判が起こったのはここ最近の話ではない。
2009年にはノルウェー国連大使が潘総長を「やる気と学ぶ意欲に欠けているせいで、多くの交渉で影響力を発揮できていない」と批判している文書が流出。2010年には国連内部監査部のトップが退任するにあたり、潘総長に「あなたの行為は嘆かわしいばかりか、真剣に非難されるべき」「国連事務局は腐敗の道をたどっている」と50枚に及ぶ抗議文書を送りつけている。
国連外交に詳しい民間シンクタンク・独立総合研究所所長の青山繁晴氏が国連内で囁かれる潘総長の人物評を語る。
「自分のキャリアに傷をつけたくないために、対応を誤ったと国連の責任が問われているハイチのコレラウイルス問題などにはほとんど取り組んでいませんし、人事面でも、韓国人を大量に採用して幹部を固めています。最近になって始めた対日批判も、次期韓国大統領を狙ってのものと不評を買っています」
もはや“誇れない”国連事務総長となっていた。
※週刊ポスト2013年12月13日号