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明鏡   

鏡のごとく

「時の行列」

2018-11-15 23:00:08 | 茅葺
行列を、毎朝、見かけていた。

子供達が、制服を着て、一列になって歩いていく。

それは、無言の行列のようで、どこまで行っても同じ景色のようで。

子供達は学校までの道のりを一列になって歩いていく。


一人の子供が、赤信号で止まっている私と目があって、我に返ったように、列から離れて、歩道にしゃがみ込んだ。

ランドセルと一緒に座り込んで、何かを待っているようだった。

何もこないより、友達が来るといいね。

そんなことを思っていると、倅から、

寝坊したんですけどもしかして「時」動かしました?

と言うわけのわからん自由なメールが届いた。

どちらかというと、時が止まっていた気がしたのだが。

「高床式倉庫」

2018-11-14 19:59:20 | 茅葺
今、高床式倉庫の補修を行なっている。

昔の人が作っていたであろうというものを思いながら、よしをさしていくのである。

右側を私が、左側を親方がさしていくのであるが、左右が同じように、上がっていかないといけないので、バランスを見ながら、いい塩梅に仕上げていくのに、何度もつきものでついていく。

両手でつくものと、片手でつくものなどで、さしたよしを奥深く入れ込んでいくのである。

美しい「なり」となるように、根気よく、何度も何度もつくのである。

高床式倉庫に、住んでみたい気になる。

これだけ、作っていくと、愛着がわくものである。

自分で、最初から作ってみたいと思う。

吉野ヶ里のさしよし体験

2018-11-11 15:33:43 | 茅葺

吉野ヶ里のさしよし屋根補修の合間にさしよし体験の時間を設けて、親子連れの方々や年配の方々や若い方々も参加して、一緒にさしよしをすることができた。

貫頭衣を着て、手袋、ヘルメットまでして、さし補修をしていくうちに、子供たちが特に、黙々とさしよしをしていくのを見守りつつ、人間の作る喜びの、原点を見た気がした。

もう、目の前に山があって、その山を一回りも、ふたまわりも大きく、ふわりと柔らかに、生き返らせるように息を吹き込むように、一手づつ丁寧に、気持ちを一手の先に集中して、さしよしをしていくのである。

長く、おおらかに、生き生きと生き続けて、そこにあってくれるように、魂を込めて、さし補修していくのである。

吉野ヶ里のスタッフの方々もそこに集まってくる方々も、おおらかになり、時間も空間も心情も広々と見晴らしが良くなり、楽しでいけるようになるようで、こちらも、ほのぼのと、心がほっこりしてきた。

子供たちが、どうか、そのように広々とした心を持って、そのまま、心穏やかにいき続けてくれますように。