麻雀放浪記2020
監督 白石 和彌
非常に面白かったです。
ふざけているようで真面目なインテリの、素晴らしくブラックユーモア溢れる秀作。内容が多少尖っているためにオススメを気軽にできませんが、この映画から学べることがたくさんある作品でした。
教科書のような美しい構成、お手本のような脚本、ブラックコメディとして正しいキャスト。そして、しっかりとした人間観察から作られた丁寧な描写。よくできてます。優等生なことが残念なぐらい。
何も事前情報を入れずテキトーな麻雀映画を観るつもりでネトフリを漁って観てみたら、あまりの監督の技術や豪華キャストに驚きました。調べてみたら納得。「仮面ライダーBLACK SUN」に似てるなぁと思っていたら同じ白石和彌監督でした。「孤狼の血」の監督ですね。
観る人が観れば、展開も全てわかります。なにせ教科書のように丁寧ですからね。インパクトのある情報で視聴者を揺らし、その影でしっかりとした構成を展開させる。そして主人公たちを挫折させ、成長させる。なにからなにまでお手本です。
しかし、気になった点もあります。それは丁寧すぎる説明です。邦画によくあるのですが、丁寧に説明しすぎるんですよね。助長になる。説明などをカットすれば30分ぐらい削れたのではないでしょうか。それでより濃い神映画になれます。もちろん売れるかどうかはさておき。
個人的にはずっと振り回してくれた方が楽しいのですが。監督の真面目さが出てますよね。数字を出したくて、いまいち尖りきれない。できる映画は秀作止まりで、だから「邦画にしては」非常に面白い、となるのです。
とはいえ。
出演している日本プロ麻雀連盟の東城りおプロ雀士も良かったです。二階堂姉妹だと華がありすぎて特別ゲストになってしまいますからね。彼女だと上手く溶け込んでて感動しました。あと森山会長も一瞬、出てましたよね? 笑い転げましたよw
「麻雀放浪記2020」は手放しにオススメはできる映画ではありません。けれども非常に丁寧で優秀な映画です。多くのことが学べる、とても教科書的な作品といえるでしょう。
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