R-1グランプリ
街裏ぴんくさん、優勝おめでとうございます。他の方もとても楽しませてもらいました。ありがとうございます。
いやー、今回のR-1はレベルが非常に高かったですね。ちゃんとR-1でこれほど笑ったのは初めてです。前はキツい時間がありましたが、今回は段違いです。
そもそもディレクターか運営会社が代わったのかってほどに違う完成度の番組になっていましたしね。ちゃんと面白いテレビでした。
さて。
優勝は街裏ぴんくさんとのことで。
本当。
圧倒的なしゃべりの技術でしたね。一見すると勢いだけのように思えるかもしれませんが、あの嘘をさもある話のように4分間も観客に聞かせるのは非常に高い技術が必要です。
どのタイミングで観客が疑問を持つのか、どこの話の流れで観客が一拍離れようとするのかなど、そうした計算の元にネタが構成されています。
それだけではなく、そのときにどのワードを入れるのかなども綿密に練られていました。初めてネタを聞いた4分間、私はその技術力に圧倒されて尊敬の念さえ抱いたほどでしたよ。
お笑いは虚構です。
嘘なんですよ。嘘をさも真実であるかように観せて笑わせるエンターテイメントです。コントもそうです。漫才もそうです。全ては虚構のお話なのです。
街裏ぴんくは堂々とありえない大嘘を言い、大嘘なのに場面を想像できてしまうほど言葉だけで観客を操りました。なんて恐ろしい技術でしょうか。
しかも4分間、言葉巧みに観客の興味を掴み続ける。大嘘で。圧巻ですよ。綿密な分析によって論理的に構成された、極めてインテリなネタでした。
笑いよりも尊敬が先にくるというのはお笑いとしては良くないとは思いますが、だとしても賞レースですし、優勝するに値する素晴らしい技術だと感じました。
また。
ルシファー吉岡さんは惜しかったですね。最初のネタには驚きました。M-1決勝レベルの完成度のネタだと思います。素直に面白いですし、R-1グランプリへの期待が爆上がりした瞬間でしたね。
2本目のネタも面白かったのですが、テンポが落ち着いていて不利だったのかもしれません。1本目の完成度に比べて少し落ちる印象でした。めちゃくちゃ笑いました。
吉住さんは、うーん、わかりやすいのですが、ネットリとしすぎてて私は好みではありませんでした。
あとシンプルに顔が疲れすぎていてそこで笑えなかったですね。とにかく休んで欲しい、そういう感情が先に来てお笑い以前の問題でした。展開も非現実過ぎて入ってきませんでした。演技力はあるのですが、ネタ的に言えば街裏ぴんくとの差は嘘の魅せ方、技術力の差だと思います。
とはいえ。
独創的でわかりやすくストーリーもしっかりとしているので、ストーリーラインを欲しがるクリエイター気質の人にはハマるのだと思います。
バカリズム、陣内とか。
一方でインテリ論理的思考のザコシはわかりやすく同じくインテリ論理的思考の街裏ぴんくに票を入れていましたね。野田クリスタル、小籔も論理的な人ということで、街裏ぴんくに。
票に関して言えば、残念ながらルシファーは1本目のネタは文句なく素晴らしかったのですが、2本目がストーリー的にも論理的にも吉住やぴんくほど振り切れていなかったのかなぁと。
決勝3組はそんな印象でした。
他にもトップバッターの真輝志さんも良かったですよね。今年のR-1でなければ決勝3組にいけてた内容でした。旦那と一緒に観ていて、R-1のレベルに度肝を抜かれた瞬間でしたよ。
ラストのどくさいスイッチ企画さんは、アマチュアだからこその型にハマらないネタ構成でしたね。粗さはありますが、非常に面白かったです。
それにしても。
トンツカタンのお抹茶さんは素晴らしかったですね。あんなに「かりんとうの車」というわけのわからないモノに対して最初から最後まで真正面から向き合うなんて、大笑いしましたよ。
コイツやりきったなぁ!
なんて思って笑いました。
しかもオチもキチンと「かりんとう」と向き合って、殉職した車へ敬礼をする。最高でしたよ。
そりゃあツッコミどころはありましたが、ひとりで運転しつつ曲をかけてノリノリで歌っている感じ、車を運転する人はとても共感できたのではないでしょうか。個人的にはすごく良かったです。
と。
お笑い厄介オタク夫婦的な視点だとこんな感じのR-1グランプリでした。
この調子だと来年もR-1グランプリ期待、できそうですね。