あきさんのゲーム・映画感想

プレイしたゲームや観た映画の感想をつらつらと述べるブログです。

ゴジラ

2024-06-29 23:23:58 | Movie


ゴジラ

1954
監督 本多猪四郎



感想

 相反するはずのエンタメとアートが融合したトップクラスの名作。出演者全員が戦争経験者なために彼らが経験したことをそのまま表現していることから、全てにおいてリアルがある歴史的な一作。

 いわゆる初代ゴジラです。
 近年だとマッドマックスのようなタイプで、エンタメとアートが融合した素晴らしい大作ですね。

 戦争で生まれた何者か(ゴジラ)が、戦後8年、死に物狂いで築き上げた最先端のビルや電車などが破壊されていくのは恐ろしさと同時に申し訳無さも感じさせられます。

 また数分おきに演出される戦時の象徴的出来事、例えば満州国への移住を想起させるシーンや疎開シーン、自身が戦争経験した軍事行為をそのまま演じるシーンなどが描写され、その生々しさに私は強烈なインパクトを受けました。

 さらに登場人物たちが自身の仕事に誇りを持ち、命をかけてまっとうする様子には胸を打たれます。

 冒頭から最後まで素晴らしく、冒頭の数分にいたってはあまりの完成度に度肝を抜かれましたよ。

 本当に素晴らしい映画で、世界的な名作のひとつだと感じました。観たことのない人は必見の、最高の体験でした。

マッドマックス:フュリオサ

2024-06-08 18:33:47 | Movie


マッドマックス:フュリオサ

監督 ジョージ・ミラー


IMAXで視聴

 とても面白かったです。
 エンタメよりはインテリ寄りで前作ほどの衝撃はありませんでしたが、今作は圧倒的で非常に論理的かつ美しい世界を前作よりも丁寧に描いていました。

 個人的には【DUNE】シリーズに求めていた感動や体験を供給してくれた感覚です。言わば伝記物のような面白さですね。【DUNE】は原作がありますから、どうしても原作に引っ張られて【MADMAX】のような論理的で美しいパズルのような世界は描きにくいのかもしれません。

 その点、【マッドマックス】は全てにおいて描写に理由があります。貴重なタンパク質の確保の仕方、神話や宗教の利用、そして暴力。さらに人の歴史や感情。

 論理的でパズルのように整理整頓された脚本ですから、展開や全体的な流れはある程度予想はできます。けれども今作はサーガということで、緻密に構築された世界の魅力を存分に提供してくれました。

 今作だけでも映画として素晴らしく完成されていますが、前作も合わせることで自然の荒廃を意識させられ、さらに核や戦争への恐怖を抱かされる内容となっております。

 前作同様グロ表現がありますから全ての人にオススメはできないのですが、人の営みや歴史を考慮すると目を背けることのできない描写ですから、今作の【マッドマックス:フュリオサ】、ぜひ色んな人に観ていただきたいです。

 エンタメと芸術が融合した、素晴らしい映画でした。

関心領域

2024-06-02 05:22:24 | Movie


関心領域

監督 ジョナサン・グレイザー




 面白いです。
 静かな恐怖がまとわりつく、悪趣味でA24らしい芸術・ホラー系の映画でした。

 関心領域という映画は間接的な恐怖が続きます。直接的な描写はありませんが、収容所から聴こえてくる音、日常的かのように思える会話、血を吸って咲いているように想像してしまう美しい花々、カメラの画角など、常に隣にあるのは恐怖です。

 そして、それらに無関心であることこそが最もな恐怖であるかのようにラストは描写されます。

 映画として成り立っているかといえば疑問が出る人もいるかもしれません。日常を映しているだけのホームビデオのように感じる人だっていても不思議ではないでしょう。説明を一切しませんから、「なんかよくわからなかった」という人も多いはずです。

 映画オタクは好きかもしれませんが、映画を普段観ない人にはオススメしません。観客が映画に対してなんらかの感情を抱くことで映画として成立するような映画だと私は感じましたから。つまりシンプルなエンタメ映画ではなく、アートティックで難しい映画ということです。

 あとに残る恐怖には独特なクセがありますから、A24と聞いて【ミッドサマー】【ヘレディタリー】を真っ先に思いつく人たちが最も楽しめる映画だと思います。

 それだけでなく、戦争を描いた映画としての切り口は非常に斬新で興味深く、観客がいないと映画として成り立たないという面白さを含む【関心領域】。手放しでオススメしませんが、刺さる人には今期No.1の可能性を秘めている、A24らしいホラーを感じる映画でした。

オッペンハイマー

2024-04-13 23:57:38 | Movie


オッペンハイマー

監督 クリストファーノーラン



感想

 IMAXで視聴。
 とても技術力の高い映画。TENETのクリストファーノーランらしく、ワザと時間軸を操作して混乱した時代や混乱した人物像を描いており、わかりにくくしているところもあります。けれどもこの映画のために開発した白黒のIMAXや監督の優れた技術力など、映像美として見る価値が非常にある映画です。

 問題点は意図的に時系列をわかりにくくしていることから観客は混乱しがちな映画だということです。とはいえ構成自体は基本を抑えて行って帰る形で、全て物事を回収していきます。そのあたりも面白い箇所でした。

 また主役は歴史的に重要ではなく、脇役である彼らの方が歴史的に重要であることを俳優の絵力で表現していることも見事でした。

 監督の素晴らしい技術力に惚れ惚れする映画でしたねー。圧倒的な監督としての力を感じられます。

 注意しなければいけないことは、日本人として腹の立つ箇所があるところです。所詮はヒトゴト、彼らは理解をしているフリをしているだけです。もちろん私も含めて。

 それからアメリカ人へのフォローでしょうか。アメリカは悪くないよー、社会が、世界が悪いんだよーというフォローが少し見受けられます。アメリカ人のメンタルはよわよわですからね。それもやむなし。

 そして。
 映画界隈は左なために、「そりゃ賞を取るよな」とズルく作っているように思える映画ですから、そうした点も視野に入れておくと、この映画を違う形で楽しめるかもしれません。

 というわけで。
 クリストファーノーラン監督だからこその、観る価値のあるスゴい映画でした。しかしナイーブな話を扱っているので、観る前に深呼吸をしてから観るのをオススメします。

デューン 砂の惑星 PART2

2024-03-18 21:34:26 | Movie


デューン 砂の惑星 PART2

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ


感想

 とても面白かったです。
 IMAXをオススメ。素晴らしい映画体験ができますよ。

 映画としては娯楽方面。パート1は必修で、パート1で説明した内容前提で映画は進んでいきます。
 
 【アラビアのロレンス】+【スター・ウォーズ】といった感じで、人を超えた信仰の象徴となっていく様子は良かったですね。シリーズ化を匂わせていますから、スター・ウォーズのような存在になるかもしれません。元々デューンはスター・ウォーズの元ネタみたいですしね。

 またIMAXで視聴したのですが、サンドワームの箇所は音による振動もあって、さながら4DXのような体験ができました。最高でしたねー。IMAXならではのシーンでして、大迫力で臨場感もあり、この値段でこんな体験をしても良いのかと思ってしまうほどでした。

 砂漠の映画ということで名作【アラビアのロレンス】を思い出しますが、展開はまさしく【アラビアのロレンス】。60年前の命を賭けた映画に対して、60年で培った技術で対抗していました。違うアプローチで面白かったです。

 個人的には【アラビアのロレンス】に軍配が上がるのですが、つまるところ名作と比べることができるというのはそれだけで素晴らしい映画だと思います。

 芸術映画の側面もある【アラビアのロレンス】と比較しましたが、今作は娯楽映画の作り方に寄っていて、原作が60年前ということもあり展開は予想を超えていきません。

 とはいえ大迫力で派手なシーンはとても魅力的で非常に楽しめます。パート1を観たことのない人にはオススメしにくいですが、パート1を観たのならばオススメしたいタイトルでしたね。

 娯楽映画にするならば出して欲しいキャラ、やって欲しい展開もありましたが、あれはあれで良かったのでしょう。

 それから【スター・ウォーズ】感もありましたね。第2のアベンジャーズといいますか、第2のスター・ウォーズといいますか、そこらへんを狙っていそうな映画が散見されますし、これもそのうちの1つということなのでしょう。

 シリーズ化するのでしたら、もしかしたら歴史の立会人に私たちもなれるのかもしれません。「あのときデューンを映画館で〜」ってね。

 ラスト付近は駆け足でしたが、素晴らしい映画です。観ることをオススメしたい映画ですね。