「御刀研磨処三浦」さんを訪問しました。
気仙沼市本吉町でご活躍されている美術刀剣研磨師の三浦さん。
日本美術刀剣保存協会が開催する公募展の研磨の部で、全国の刀剣研磨師が目指す最高賞にあたる寒山賞(令2年)、薫山賞(令和5年)を、宮城県で初めて受賞されました。
※左から二番目が寒山賞を受賞した刀の押形
宮城県卓越技能者(宮城の名工)[知事表彰]も受賞されています。
お忙しい中にも関わらず取材をご快諾いただきました😭✨
早速説明をしてくださる三浦さん。
こちらの刀剣は400年前の江戸時代の刀とのこと。
研磨の行程は、下地研ぎと仕上げ研ぎに大きく分けられます。
三浦さんの工房では、上の写真左側で5日間、右側で5日間ほど研ぎ進め、
最後はこちらの作業台で、小さな研石等を使い、5日間程度かけて仕上げるそうです。
刀剣1本あたり2週間もかけて研磨するとは、驚きです。
刀身によって、相性のいい研ぎ石を選び、研磨するそう。
研石の種類もたくさんあります。
「光の中の景色を見て」刀を研ぎ澄ましていくという三浦さん。
1000 年の歴史がある日本刀の世界でも、平安時代や鎌倉時代の刀剣は科学的に不純物として除去される素材も含有しながら、現代では再現できない潤いや鉄味があり古名刀と言われる所以だそうです。
時代や材料の産地、刀剣を作る人、研磨する人の違いが、刀剣の仕上がりに反映され、唯一の刀剣が生まれるそうです。なんて深い世界なのでしょう。
記録として、担当した刀剣の押形の制作も行っているとのこと。
依頼があれば、押形の販売もするそうです。
刀剣自体を所持しなくても、推しの刀を愛でられるなんて素敵です。
仙台と京都の師匠の下で修業を積み、気仙沼で独立してから4年で寒山賞を受賞し、その後も薫山賞の受賞など躍進を続ける三浦さん。
そのルーツは、前職で行っていた、魚や肉の解体に使う包丁を研ぐという作業から来ているそう。
現在は、個人愛刀家や神社などからの研磨依頼を中心にお仕事をされているとのことです。
「依頼者からの意見が厳しいほうが、技術を高められる」と話す三浦さんからは、刀剣へ真摯に向き合う熱い思いがひしひしと伝わってきました。
幽玄で美しく、そしてデリケートな刀剣の世界。
「鬼滅の刃」や「刀剣乱舞」といったコンテンツが流行し、世代を問わず注目されている刀剣ですが、初めて本物を見学させていただき、細やかな作業とその歴史に魅了されました。
目標は、刀剣研磨師を続けること、感動すること、古い刀も新しい刀もよりよい仕上げにして刀の価値を高めること、と話す三浦さんの活躍にこれからも注目です!
刀の世界にご興味のある方は工房見学もできるそうなのでぜひHPで「御刀研磨処 三浦」と検索してみてください🔎
ホーム - 御刀研磨処 三浦 (kenma-miura.com)
三浦さん、お忙しいところありがとうございました☺