韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

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韓国ドラマ「ホジュン~伝説の心医~ (2013/MBC)」について~(35)

2021-03-03 18:48:29 | 韓国ドラマ
 ホジュンが捕まったあと、それを知った側室恭嬪(コンビン)は王に赦免を嘆願して、いったんはそれが通ります。しかし、重臣たちの会議でそれが取り消されてしまい、ホジュンたちに対する審問が始まります。

 その頃、恭嬪が胸の痛みを訴えて意識を失ってしまいます。御医ヤン・イェスが診察しますが、手の打ちようがありません。そこで、王からホジュンに命令が下り、恭嬪を診察することになります。

 ホジュンの応急的な手当てで、恭嬪は一命をとりとめますがまだ状態は安定しません。そこで、王は恭嬪の治療をホジュンにまかせることにします。

 そして、懸命のホジュンの治療により恭嬪は何とか回復し、再び王にホジュンの赦免を訴えます。ホジュンに心から感謝した王は、再びホジュンの赦免を命じ、これに抗議するものは罪に問うとまで宣言します。

 これにより、ようやくホジュンとダヒは赦され牢屋から解放されることになりました。

 …さて、まあ結末から言えばここでホジュンが有罪になってしまうと物語が続けにくくなるので赦免されるのだろうという結末は予想されていましたが、さすがに一回で許されるわけではなく重臣たちの大反発を食らったあとの、王の心からの決断という形をとりましたね。

 もしホジュンがもう少し政治向きのことに関心を持って、そのような立ち振る舞いをしていれば、そこまで重臣たちも反対しなかったのかもしれません。そう考えると、自身の政治的な立場を決めて、はっきりでも、それとなくでもいいので普段からアピールする必要性があるのが、宮中というところなのでしょうか。

 今回ホジュンは恭嬪に救われましたね。今や、仁嬪(インビン)の勢いの陰にかくれてしまって一頃の勢いも失ってしまいましたが、ホジュンはそんなことも関係なく懸命に治療を施しました。

 もし、ドジだったどうしたでしょう。落ち目になった側室などにエネルギーを費やすのは無駄なことだと考えて、よこしまな考えをもってしまったかもしれません。

 ホジュンは、普段からそんなことをちらりとも考えもせず、どんな患者にたいしても同じ真摯な態度で全力を尽くすから、上記のように王と、恭嬪から信頼されたのだと思います。

 相手や相手の様子をみてころころと態度を変えるような人間なら、こういう結末をむかえなかったことは確かだと思います。

 前回の記事でも書きましたが、「馬医」ではそのようにして、態度をころころと変えて世渡りをしていこうとする医官や医女の姿がユーモラスに描かれています。とても面白いので、こちらもぜひ視聴してほしいと思います。

 さて、大きな嵐が過ぎ去りました。これから宮中はどうなるのでしょうか?次回をお楽しみに。