韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

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ウイニーによる国家的危機

2006-03-16 05:00:00 | 情報セキュリティ
 WEB版読売新聞によると、「政府は14日、ファイル交換ソフトWinny(ウィニー)を介した情報流出が相次いでいるのを受け、国民に直接、パソコン情報の管理の徹底を呼びかけることを決めた」そうです。

 ウイニー問題は、とうとう政府が直々に国民におふれを出すまでの騒動に発展してしまいました。これまでいろいろなコンピュータウイルスが問題となりましたが、政府が直接そのことについての呼びかけを行ったことは、少なくとも私の記憶にはありません。

 普通のコンピュータウイルスは、コンピュータにさまざまなダメージを与えますが、それはあくまで個々のコンピュータのダメージにとどまります。また、これまでもパソコン内の情報を外部に勝手に送信してしまうウイルスはありましたが、これだけ大規模の情報流出事件を続けさまに起こしているウイルスは未だかつてなかったと言えるでしょう。

 ただ混同してはいけないのはウイニーを使うだけでは情報漏洩は起きないということです。ウイニーがウイルスに感染することによって、甚大な被害を及ぼす情報漏洩を起こすのです。この点だけははっきりさせておきたいと思います。

 とはいえ、ウイニーを使用し続けると問題のウイルスに感染する可能性がかなりの確率であると言わざるを得ないので、もはやウイニーの使用を放棄することが、唯一この危機から脱出する方法です。

 以前の記事でも述べましたが、ウイニーそのものは単なるファイル交換ソフトです。しかし、それを利用して著作権を無視した違法コピーが行われ、かつ、ウイルスに感染することによりパソコン内の情報が外部に片っ端から漏洩されてしまうことが大きな問題なのです。

 ここまで事態が大きくなると、ウイニーそのものは単なるファイル交換ソフトで決して悪いものではありませんという議論も旗色が悪くなってきました。諸悪の根元はウイニーであると見なされてしまうという深刻な状況に陥っていると言えます。

 結局本来は無害なソフトウエアでも、その使用法とそれを取り巻く状況の変化によって、そのソフトウエアそのものが有害視されてしまう状況が発生するということがこの一件でよくわかります。

 情報セキュリティ対策の観点からソフトウエアを評価する場合にも、そのソフトウエアの機能だけを見ていてはそのソフトウエアがセキュリティの危機を招く可能性があるかどうかわからないということです。そのソフトウエアの特質をよく理解し、将来にわたっての波及効果まで検討した上で導入していいものかどうか検討しなければならないというのが、この事件からの教訓です。

 ウイニーによる情報流出はいったいどこまで波及するのでしょうか。まだまだ予断を許さない状況が続くと思います。

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