連日熱戦が広げられているトリノオリンピックですが、ある競技で女性選手がドーピングが原因で銀メダルを剥奪されて選手村を追放されてしまいました。興奮剤の一種を使用していたようです。
オリンピックのたびに問題となるドーピングですが、どうして後を絶たないかと感じる読者も多いのではないでしょうか。
試合後の尿検査さえ切り抜ければ、普段のトレーニングで使用してしてもわからないだろうというのがドーピングをする側の論理なのかもしれません。あるいは、ドーピングは誰でもやっていること、じぶんだけやらないと不利になるというのもやる側の理屈なのかもしれません。
いずれにせよ彼や彼女は確信犯なわけで、このような人たちを相手にするには性善説に基づいたシステムが機能しないことは容易に予想できるでしょう。
情報セキュリティも同様です。確信犯に対抗するには、確信犯向けの対策が必要です。しかし、オリンピックのドーピングと違う点がひとつあります。オリンピックへ出場する選手の中で、ドーピングがいけないことだとは知らないとか、ドーピングについての知識が全くないという人はまずいないはずです。
しかし、情報セキュリティの場合、自分がやっていいことといけないことがわからない、またそもそも情報セキュリティについてほとんど知らないという状況が大いにあり得ます。
このことから、情報セキュリティ対策は広範囲にわたることがわかります。まず、やっていいことといけないことを峻別して、ユーザーに理解させなければなりません。また、その禁を犯してしまうとどんなことが起こるかそれについてもきちんと教育する必要があります。
世界中からセキュリティ破りの確信犯が隙あらば侵入しようと、守りの弱いサーバを狙っています。これは外なる敵です。そして、自らの無知のために情報システムを危機にさらしてしまうユーザーがいます。これは内なる敵です。
この外と内、両面からの敵に備えて対抗しなければならないのが情報セキュリティ対策担当者の仕事なのです。
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