Eri's blog

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

2021/03/01

2021-03-01 09:17:00 | 日記
「本当は日本が大好きな中国人」という本の続きです。

次は日本の救援隊についてです。
2008年5月12日に発生した四川大地震でのことです。

外国の救援隊の中では1番早く現場に駆けつけました。
5月16日のことでした。
すでに生存者が助かる確率の高い黄金の72時間が過ぎている。
しかも日本の救援隊が中国側の指示で赴いた現場が先に解放軍の救援隊が生存者無しと確認した場所でもあり、解放軍としては万が一にも日本の救援隊に生存者を救出されてはメンツが立たない。
だからわざと生存者のいない場所を現場にあてがわれたのだと噂されていた。
実はこの大地震の救援については災害規模が大き過ぎ、また情報把握が困難であったため軍上層部の決定が遅れ、解放軍の救援活動の初動が大幅に遅れていた。

解放軍の救援活動に被災者の不満と不信が募っているところで、日本人に活躍されると解放軍の立場がなくなるというのは中国当局者の本音ではあった。

それでも日本の救援隊は与えられた現場で昼夜休みなしの作業を続けた。
相当過酷な作業だったようで、夜間用のライトを中国側が提供するという約束だったのが用意されておらず、夜間何時間も作業を中断することもあったという。

重機を使えば遺体を傷つけるため、後半は手作業だった。
そして16時間の作業の末、17日朝にビルの瓦礫の下から母子の遺体を救出した。
この母子の母であり祖母である女性は「遺体でも一目会えてよかった。日本の救援隊の多大なご苦労に深く感謝します」と述べたといいます。

このとき、救援隊は遺体を慎重に運び出し、横たえて救援隊全員で黙祷した。
この姿は救援隊の必死の作業をずっと見守ってきた中国人記者たちも胸を打たれ涙を流したという。

新華社がこの時配信した写真は、全国のメディアが使用。
またテレビでもこのシーンは繰り返し流された。
このニュースで、ほとんど全中国人が日本の救援隊、そして日本と日本人に感謝と賞賛を贈った。
中国の災害現場で、救援隊がこのように一体にまでの敬意を払う場面は過去になかったからだ。

現実の中国社会では、庶民の思いは中国共産党的唯物主義やシステムの合理化によって踏みにじられているようで、このあとの取材で遺体が疾病の原因になるとして身元の確認もされないまま石灰にまぶされて地面に埋め立てられた現場を見たり、遺族の見ている前でブルドーザーなどの重機が崩壊した建物の瓦礫を撤去し、引きちぎられた腕や足などがバラバラ落ちる様子の目撃談も聞いたそうです。

致し方ない状況とはいえ、この中国式の救援活動は被災者遺族の心を再び傷つける二次災害のようなものでもあった。
だからこそ、日本の救援隊が16時間かけて手作業で遺体を救出した話や黙祷や敬礼で死者を悼む姿は被災者遺族だけでなく、多くの中国人の心を揺さぶったと書いていました。


日本でもっとこういうことをテレビや新聞などで取り上げてほしいなと思いました。