本城直季さんの個展とハシゴしながら、いってきました。
--------------------------------------------------------
スコット=ド・ワシュレー来日展 ― いつからハゲなんだろう
2006年4月25日(火)~5月7日(日)
--------------------------------------------------------
25歳で事故に遭い、脳に障害を負って「記憶が一日以上持続しなくなった」ひとの、「記憶を残す装置」の展示。
今回の展覧会において「作品」とよばれるものは、
氏自らの記憶障害を補完するためにあくまで個人的な営みの一環として生み出された装置にすぎません。
自らの記憶を翌日まで留めるため、彼は元エンジニアとしての技術力を生かし多くの装置を開発してきました。
つまり、彼の装置はあくまで自身の個人的事情によるものであり、
他者に見せることを前提としてはいないものです。
また、彼自身の記憶が一日しかもたないことにより、それらの装置は彼のさまざまの努力にも関わらず
作り出されるのとほぼ同時に―次の日には―忘れられてしまいます。
出会った日本人の名前の印鑑を、靴の裏につけて記録してたり。
いつも一緒にいる彼のお姉さんがいろいろと工夫してるみたい。
100%自分のため、の行為なのに、
第三者のディレクションがちょっと入ると、アートに変質。
おもしろかったのだけど、おもしろがっていいものなのか。
フクザツな気分でギャラリーを出たのだけど
やっぱり「ド・ワシュレー」って名前の真偽がきになりますよ、ゴメンナサイ。
ちょっと不謹慎な悪意って
笑いながら不思議な気分になる。
「笑っちゃいけない」というモラルを、
客に意識させといて
「それは偽善だよ、ふふ。」と
作者から言われているような。
どうしても笑いが止められないときのスイマセンと同じかんじね。