Book: Fが通過します

2006-10-20 | book & comic
     


     


     


■「Fが通過します」/佐藤雅彦


細長ーい、ようかんのようなミニミニ本。

大学でやっぱりズドンとやられたのは佐藤雅彦の授業で
感情を抜いた記号的な表現なのに情緒的であるということ

やっぱりやっぱりくらくらしてしまう

「クリック」も「毎月新聞」も「プチ哲学」も「日本のスイッチ」も「ねっとのおやつ」も
何人に貸したりあげたりしたか分かんない(結果行方不明)


最近はだいぶ好みが変わってしまったのだけれども
それでも改めてうめいてしまう
「あああああ」



個人的には、
「イタリアをはいた猫」(猫がはいてる長靴が、長靴じゃなくてイタリア)とか
「エレベーター9F/4F」(見てのお楽しみ)
「海星/海月」(見てのお楽しみ)
がとっても好き。



過去の作品と同じ概念のものも多いけど、
細長サイズで1ページ1案、という形状に意味を持たせた企画たち。


箱に書かれた「84546273 5413」「164N75」の暗号も、解読できるとさらにニッコリ。







Comic: ハトよめ

2006-07-26 | book & comic


今から5年前、大学のメディアセンターでHスくんが貸してくれたのがはじまりでした。


■ハトよめ


平和の象徴・ハトが主人公なくせに、道徳的要素と品位がまったくもってゼロとゆう
ものすごいマンガ。

わたしの中で「子供に見せたくないマンガ」NO.1。
だって、ほんとに、「いい話」がないんです。

おそろしくアンモラルまっしぐら。
大好きです。すいません。


・「うるせえ」
・「ブッ殺す!」
・「ベッカムに頼るな!」
・「ちくしょう俺ばっかり仮免落としやがって!」
・「レンジでチンしておしまいだ!」
・「物理的におばさんだろ!」
・「ドモホルンリンクル!ドモホルンリンクル!」
・「やたらとパ行を多用すれば奇抜だと思うのは大間違いだ・・」
・「いいのよどうせ捨てキャラだから」


数々の名言。
なぜかコピーワークのセンスがすごい。



好き嫌いハッキリ分かれそうですが、毒舌好きなかたはぜひ。









Comic: 高野文子/絶対安全剃刀

2006-05-13 | book & comic
    


なにも
ほしがらなぁい


なにも
きたいしなぁい


だれも
しんじなぁい


だれも
またなぁい


だからマリーさんー
い つ も
しあわせなのですぅね











不幸だと嘆くひとがいたらそれはねあなたかんたんなことよ/足ると思うこと



Comic: u n d e r c u r r e n t

2006-04-12 | book & comic


アンダーカレント」/豊田徹也



- ずいぶんはっりとおっしゃるんですね
- 山崎さんは悟さんに会ったこともないわけでしょう
- わかりもしないのに決めつけて・・・

- ええ会ったこともありません
- では4年交際してさらに4年間結婚生活なさってたあなたは
- 彼のことがわかるんですか?

- 全てわかってるとはいいません
- でも
- 少なくともあなたよりはわかっているつもりです!


- ふむ・・・
- それではひとつ訊きたいんですが
- 人をわかるってどういうことですか?











Book: ウェブ進化ろん

2006-04-05 | book & comic


やっと読み終わりました。。


著者は、いい組織だなあと思える「はてな」の取締役のかた。

分かりやすくてナルホドなんだけど、
「ナントカ論!」みたいな敷居の高いタイトルをつけない方がよかったのかも、と思った。
ネットで今何が起きているかをまとめ上げた集大成なことは確かなのだけど


こういうのって、「業界の外のふつうのひとたち」が手に取らないと、意味がない本だと思うから



とっつきやすいタイトルと、
もっともっとやさしい言葉で、「論じる」んじゃなくて「伝える」ように書いたら

読んだらとても得るものの大きいこの本が、もっともっと意味を持ったんじゃないかなと



すごく読んでほしい人がたくさんいるから、けっこう真剣にそう思った。






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以下のコトバにひとつでもひっかかりがあるかたは是非、777えん投資してみてください。


・グーグルとヤフーってどう違うの?

・アマゾンでお買い物したことあります

・「Web2.0」って聞いたことあるようなないような

・ミクシイやってます

・「ウィキペディア」って見たことあるようなないような

・グーグルアースはヤバイっす

・お前の言っていることはよくわからん!





個人的に一番おもしろかったのは、「ロングテール現象」のおはなし。







Book: ハンバーガーを待つ3分間の値段

2006-03-02 | book & comic



伝説のゲーム「シーマン」の制作者が執筆、てことで即買いした本。

(ちなみにシーマン ↓)









思考法をネタにした本って、いっぱいあるのだけど ↓

       


どれも、アイデアを「出すまで」の心がけ論というか
あくまで個人個人の方法論だったりするので、あんまり発展性がなかったりして



けど、この本はすき。




俺ゲーム業界じゃないしなあ、と思うかたもいるかも知れないけど

ゲームって、
一瞬でも振り向かせれば成功な広告とちがって

長時間、続けさせるための仕掛けづくりだったり
ストーリーや世界観のつくりこみ
ひとの行動心理をふまえたインタラクションの仕込み

あらゆるチカラが必要なコンテンツだから

ゲームプランナーって、実際やっぱすごく面白いひとが多くて。




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面白かった要素を勝手に。。。


- 「デフォルト」獲得の争奪戦

- 「通告」から「情報」へ
 
- 「省略」のコミュニケーション

- 「待ち時間」から「持ち時間」へ

- 「正確」と「リアル」の差

- 「メタファー」をさがすということ






特に最後のメタファーの話。
これ、ほぼ日での連載の中にもあるんだけど、共感。


ブログというものが世の中に出てきたとき
その全く馴染みのない概念を、

「日記」という説明で紹介され続けなかったら

ぜったい、こんなに一般に広まらなかったんじゃないかと思っていて


意味を調べると「継続して更新され続けるWebページ」と出てくる”ブログ”に
「日記」という既存の概念をあてはめて普及させたひとはすごい、と思う。








この本は、こんな質問から始まっています。




- ” 『現象』の反対語を答えなさい。 ”












Comic: 働きマン

2005-12-04 | book & comic


広告学校にいたとき、あるコピーライターのかたがこう言った。

「最後は、自分一人の戦いです。」


コピーをひねり出す作業のうえでは確かに、ただしいことなのだけど
わたしはすこしだけ胸がいたんで


純粋でまっすぐにクリエーターの言葉を吸収する学生の前で
ほんとはそれを、言ってほしくはなかった。





わたしが初めて”制作”というものを経験したとき
「ああ、」って思ったこと。


ひとりでつくれるものなんてないということ。



自分で描いた絵を、自分で街に売り出しに歩くようなアーティストの作品以外は
かならず、
誰かの手が加わって完成する。



クリエイティブな作業をするポジションは憧れが向きやすいけれど
でもね

そもそも、営業のひとがシゴトをとってこないと、そのプロジェクトって、無かった。

わたしのきらいな「セッタイ」を
わたしや誰かの代わりに営業のひとがやるから、お得意がつながってる。

メディアのひとが媒体枠を買ってきてくれるから
そのCMはテレビに流れる。
ヤフーにバナーを出してくれるから、そのWEBサイトに、やっと、人がくる。

バイク便のひとが雨のなか走ってくれるから
企画書かいて、電話をうける時間ができる。


当たりまえのことなのだけど




それまで関係者しか見ていなかったサイトが
バナーを打ったとたん
CMが始まったとたん
嘘みたいにアクセス数がはね上がって

メディアのチカラというものを目の当たりにしたし
すごく
うれしくて


渋い顔のクライアントの前で
ぶあついメディアプランをひっさげて熱弁していたメディア担当のかたに
はやく、アクセスレポート見せなきゃって








あの感情

忘れたくない。









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- 営業の千葉って人間が 会議ですごい頑張ってくれて

 あの人達が売ってくれないと

 本

 書店さんに並びませんから







営業のしごと
ライターのしごと
張り込みカメラマンのしごと
編集のしごと
セラピストのしごと
女というしごと
男というしごと


すべての
それぞれの成果があって、ひとつのものを生み出してゆく。







そんな当たりまえのことを

当たりまえのように語ってくれる、花形クリエーターがいてもいいんじゃないかと







発信力のあるひとたちが、してあげられることがある。






多少説教くさいとこもあるけど

安野モヨコはそれを、この作品で成し遂げたのだとおもう。









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