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新・アドリアナの航海日誌

詩と散文、日記など。

あんびしゃす

2013-07-22 20:59:01 | ポエム



古い詩集の 茶色くなった紙に 今はもうない活字で そっと埋め込まれていた
そのことばは 裸電球の ほの暗いあかりを 思い出させた。
もう五十年以上前の ひとりの男の 若く 希望に燃えていた 思いは
今は 古びた 紙のなかに 裸電球の 橙色の 光とともに 埋まっている。
それは 遥かな星からのように 五十年後のわたしに ほのかな明かりを 届けてくれた。
地上に届く頃には はや 消滅していたかもしれないほど 遠いその星の 光は。


あんびしゃす。