Hai dormito bene ?

「よく眠れましたか?」

ホフマンという画家

2007-02-27 | Diario*日記
四旬節にふさわしい一枚、
受難を前にイエスが、血の汗を流すほど苦しまれた場面。
「ゲッセマネの園」または「オリーブ山の祈り」というテーマです。

聖書の場面では3人の使徒を伴ってオリーブ山に登り、
「ずっと起きていて」と言ったにもかかわらず使徒は寝てしまう。
多くのこのテーマの作品には、眠りこけた使徒が描かれているのに、
この作品はイエスの姿だけを照らし出しています。
深いふかい静寂の中、イエスは父である神にありったけの祈りを捧げる。
この後イエスは捕えられ十字架へと臨むのでした。


ネットで探し物をしていた時に偶然見つけたのですが、
ずっとず~っと好きだった「33歳のキリスト」の作者、
ハインリヒ・ホフマンの手になるものでした。
ホフマンは作家のほうが有名で、この画家のほうは
30点あまりの作品が紹介されるに留まっています。
20年ほど前だったか、もっと前だったか、
聖具店で見つけた一枚のポストカードのキリストに惹かれ、
今もモニタの前で、穏やかな眼差しを遠くに投げています。
この視線が時に物悲しく見えたり、厳しく見えたり、
なかなか微妙な輝きを持っているのです。
もう、なんだかうれしいやらどうにもならない気持ち。
また一つ、贈り物をいただきました...


よく、節分で気が変わるといいますが、
節分が過ぎて間もなくの7日、父の担当ケアマネさんが、
経営者と決裂して突然辞めてしまいました
そういう人だったのか、と二重のショック...
翌日、信頼する人から条件のいいお仕事の紹介がありました
同じ頃母が、父を置いて一週間の九州行きを決めていたことがわかり
10日間考えた末両親に、準備をよく考えてもらうよう話しができたのが18日
その3日後の灰の水曜日、父が手術を受けるかもしれない知らせを受けました
夜の灰の式では大きな灰の塊が手の中に落ちてきた

この三週間、私の心はジェットコースターに乗ったように
上下左右に大きく揺さぶられて、記憶もおぼつかないほど疲れていました。
一番不安で心細いのは父本人なのですけれど、気の利いた話もできず、
なんとも情けない状態だったのです。
一週間経った今日、やっとのことで話しをすることができました。
そして目に留まったホフマンの作品群。
神さまの愛は激しすぎますわ...


どちらにしても心を乱されることなくじっくりと思い巡らして、
いま・ここでなすべきことをしていくしかないのです。
全て信頼して、お預けできますようお祈りください~



さて、経費帳整理しなきゃ(すでに確定申告の時期)




2 Comments

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切ない・・・ (りょう)
2007-03-03 23:12:04
>「ずっと起きていて」と言ったにもかかわらず使徒は寝てしまう。

この場面はイエスさまが可哀想でなんともやり切れなくなりますね・・・。

どれほど苦しく寂しかったことでしょう。

それでも、この絵のイエスさまはどこか諦観のようなものが感じられますね。

ついに神にすべてを委ねることを決意されたような・・・。
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諦観 (acqua)
2007-03-04 23:43:17
いわゆる「あきらめる」の意味ですね。
私もそう感じました。
だからとても苦しく限りない孤独の中に、
穏やかな空気が溢れているのだと思います。

全てをお委ねする決意。
かくありたいです。
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