エメリヤーエンコ家の格闘談義

アレキ 「さぁ兄貴、UFCのピョートル・ヤンvsメラブ・ドバリシビリについて語ろうか」

ヒョードル 「なんでヤンはあんなに組み付かれたか分かるか？ それはヤンがボクシング＋テイクダウンディフェンスっていうスタイルだからだよ。テイクダウンに行くとかキックを放つっていう動作がほとんどないから必然的にボクシングで闘うしかないんだが、俺がこれまで言ったようにパンチが当たる距離ってのは組み付かれる距離でもあるわけだから、今回のドバリシビリのような優れたレスリングのできる選手だと組まれ放題なわけだ。ま、逆にその古いスタイルでよくそのランクにいるなとも思うけどもね。

あと誰と誰の試合だったか覚えてないんだが、フェンスを掴んで即ペナルティを受けてたシーンがあってそれはそれですごく良かったと思ったんですけど、別の試合を観てたらレフェリーが手で払うだけで済んだ試合もあって、これはスタンスとしていかがなものかと。別に金網掴むなんて今に始まったことじゃないよ、たださぁ、例えば今盛り上がってるWBCなんか観てるとボールとストライクの判断が審判によって多少変わるのは理解できるけども、MMAの金網を掴む、掴まないっていうのは変わっちゃいけないと思うのね。もちろん選手が動いている時に止めてまでやれってわけじゃなく、いったん離れた時に正式にペナルティを与えるとか、レフェリーが見逃しても認知できるシステムを作ってくれよって話」

アレキ 「ベンソン・ヘンダーソンが引退宣言したな」

ヒョードル 「タフな選手だったよね。アンソニー・ペティスの三角蹴りを喰らったシーンに代表されるようにとにかく被弾する人で、それでも愚直にテイクダウンを取っていくっていう。昔はギロチンチョークが得意だったけどUFCに上がってからは極端に下になるのを恐れてか鳴りを潜めていたね。それでも王者に君臨したんだから一時代を築いたことは間違いない。お疲れ様！ 以上！」

アレキ 「またね～」