胸毛ネットワークス

格闘家に関する余計なお世話なコラム

vs思春期のほとばしりテレビ 2

2023-01-19 14:24:13 | 土佐の男
――――思春期のほとばしりテレビ内お客様対応センター


小林 「鬼丸王子♥」

鬼丸 「何だい子猫ちゃん」

小林 「クレームの電話ですよ、ヒマでヒマで仕方のないバカ視聴者から」

鬼丸 「ふむ、ヒマな奴ほどクレーム入れてくるからな。・・・それより今夜どう?」

小林 「ウフフ。いいですよ。奥さん旅行中なんですよね?」

鬼丸 「うん。じゃまた後でな・・・。おっと電話出るの忘れるところだった。バカはこういう事にも反応するからな、もしもしぃ、お電話変わりま・・」





















土佐犬民 「保留押せーーーっ!!!」


















鬼丸 「うおっ」

土佐犬民 「オイッ! 今のやり取り丸聞こえじゃろうがドアホーーッ!! 電話変わる時は保留押さんかよバカタレが! 電話口で不倫の一部始終聞かされたおらの気持ちが分かるかよ!? 手の震えが止まらんぜよ! 不倫だけやない、散々人の事バカ呼ばわりしよっちからに! あとおまんと久々のトークとか、おまんの苗字が鬼瓦から鬼丸に変わっちゅうこともそうやし! 色んな事が重なり過ぎち訳が分からんぜよ!」

鬼丸 「いきなり何ですかあなたは? お言葉ですけどね、保留押さなかったのは俺じゃなくて小林ですよ!」

土佐犬民 「すまん。いやオイッ! 何でおらが謝る! そういう問題じゃなかろうがアホウ! 小林はおまんの部下じゃろうが! おまんの教育不足っちゅうことを言いゆうがぜよ!」

鬼丸 「アンタどっかで聞いた喋り方だな・・・・・あっ! 思い出した! アンタ昔に俺にクレーム入れて、その後テレビに出た土佐犬民だな? インパクトがあったから覚えてるよ。確かそれで炎上してやがんの。プッ、だっせ」

土佐犬民 「オイッ! 口の利き方! ほんまにおまんは社会人としての素行がなっちょらん! 相変わらず寸法が悪いと言うたち・・・・・・・。ふっ、ふっふっふ」

鬼丸 「ん?」

土佐犬民 「それぜよそれぇ、そのクッソ生意気な態度。なんでもハイハイ言うて素直に従う今の若い衆よりよっぽどやりがいがあるぜよ。おまんを鍛え直しちゃる! オイッ! まず鬼瓦! じゃなかった鬼丸! なんで苗字が微妙に変わっちゅうがか説明せれ!」

鬼丸 「いや、俺の苗字、自分でもずっと鬼瓦だと思ってたんですけど実は鬼丸だったんスよ。笑っちゃいますよね、ハッハッハッ!」

土佐犬民 「何をいいゆうがぜよおまんは? そんなバカな話があるかアホンダラ! 苗字が変わるとか、世間を震撼するレベルの犯罪者くらいしか聞いたことないぜよ! おまん20代か30代か知らんけど苗字間違えて何年も生活できるわけないろうが!」

鬼丸 「何言ってんスか! 俺今58ッスよ!」

土佐犬民 「オイッ! 定年間近! そしてまさかの同年代! “~ッス”とか若ぶった言葉使うなアホンダラ! テレビ局の人間がそんな言葉使いはいかんじゃろがバカタレが!」

鬼丸 「いや、そんなことよりね、名前なんですけどよく考えてみて下さいよ。だいたい鬼瓦なんて苗字おかしいでしょ?」

土佐犬民 「知らあああん! どえらい変わった苗字の人間がおるのが世の中の寸法じゃろうが!おまんの理屈じゃと鬼丸もたいがいのもんぜよ! ええか、例えばにゃ? 相手に苗字を聞いて『東に海に林と書いてしょうじと言います』っち言われたらああそうですかと受け入れるしかないがぜよ! なんでとうかいりんじゃないんですか?とは聞き返さんじゃろうが! それが日本の寸法じゃろうが!」

鬼丸 「え? いやいや東に海に林でとうかいりんって人もいますよ?」

土佐犬民 「おおお、おるかもしれんが論点のズレ! い、いかん、思い出した、こいつに例え話をしたら話がややこしゅうなるがじゃった! もうええ! 苗字の話は終わりじゃ! ほんでさっきの小林! ちゃんと教育しちゅうがかよ? 電話でおらが鬼瓦おるか言うたら『そんな人はいません』とか言うち取り合わんかったき、他の部署に電話したりして調べたがぜよ! ほいたら『鬼丸』いう人間ははおるっちゅう話じゃいか! じゃき試しに小林に『鬼丸おるか』言うてみたら繋がるっちゃあどういう事ぞ! おぉん!? おまん考えちみ? 鬼が付いた時点で鬼瓦の事やっち分かるろうが! おまんの会社に鬼が付く苗字の奴何人おるがか言うちみよっちゅう話ぜよ! ほんっまにに寸法の悪い上司やと部下も部下ぜよ!」

鬼丸 「はい、そうですね」

土佐犬民 「ほう、おまんにしちゃ素直やにゃ」

鬼丸 「はい、そうですね」

土佐犬民 「・・・ん?」

鬼丸 「はい、そうですね」

土佐犬民 「オイッ! オイッ! 鬼丸! さてはお前また相づち用に新しい音声を録音したじゃろ! ホンマにこのわりことしが! 出てこい! オイッ! オイーーッ!

鬼丸 「はいはいもう、うるせえなあ。で結局今日は何の要件なんスか?」

土佐犬民 「コホン、ええか? あんにゃ、ほとTの番組ににゃ、おらが出ちゃっても構わんぞ?」

鬼丸 「は?」

土佐犬民 「じゃ、じゃき要するにの、明石御殿にも出演した大スターのおらがほとTみたいな弱小テレビ局に出ちゃってもええぞっちゅう話よ。ほいたらほとTも視聴率がガーーッと上がるぞ? 悪い話じゃないじゃろ?」

鬼丸 「なんだ、自分の売り込みかよ。間に合ってますー、大丈夫ですー。失礼しま・・・」

土佐犬民 「ま、待て! 待っちくり鬼丸! 実はおらぁ今仕事んないがぜよ! 例の炎上事件以来一回もテレビに出ちょらんがぜよ! 助けちくり! 今後の見通しがつかんがぜよ! 別にテレビに出たいわけじゃない、何でもええき働かせてもらえんかよ? うっうっう・・・」

鬼丸 「仕事ねえ・・・。あ、そうだ、放送作家とかどうッスか? 今足りないとか同僚が言ってたんですよ」

土佐犬民 「放送作家? テレビ番組を作るいわゆる作家さんかよ? 色々経験がないと出来んがじゃないかよ?」

鬼丸 「いや、企画さえ良ければ誰でもなれるんスよ。経験も全く不問ッス。俺が持ち込んだ企画が通って放送されたこともありましたからね」

土佐犬民 「なぬ? おまんが? どんな番組ぜよ?」

鬼丸 「その道の専門家を集めてですね、自分がその対象をどこまで愛しているかを競うっていう企画を持ち込んだら通ったんですよ。で初回は全国の動物研究者を集めて、ヤマアラシをボールに見立ててラグビーをさせたんです。そしたら全員怖がって膠着状態になっちゃいまして、あーやっちまったと思っていたら一人、ヤマアラシを捕まえて血だらけになりながらトライしたツワモノ研究者が表れまして、会場がどよめきに包まれました。そして針だらけの学者の針を敵も含めて全員で抜くという、まさにノーサイドというべき感動的なシーンも生まれましてかなり手ごたえを感じたのですが、動物愛護団体や視聴者から大量の苦情の電話が入りまして、評価は芳しくありませんでした。で、第二弾として、焼肉業者による『ミノ噛み砕き王選手権』は、全員10分くらい噛んだ辺りでオエーッと吐いてしまったので全く尺が取れなくてボツになりました。第三弾は、弁慶力持ち競技大会ってあるじゃないですか、あれを不発弾を使ってやってみたらスリルがあって面白いんじゃないかと思ったのですが、全員規制線を超えた時点で警察に捕まってこれもボツになりましたね」

土佐犬民 「おまんやっぱりネジが一本抜けちゅうにゃ・・・。アレかよ? そういう体当たり的な事ばっかりでトーク番組とかはやらんかったがかよ?」

鬼丸 「トークもやりましたよ。最近だと、レジで前に並んでいる人のカゴから一番高そうなものをこっそり自分のカゴに入れ、相手が帰宅して商品がないことに気づいた時の慌てようを想像して嘲笑い、一方で自分には全く必要のない高額商品を買って損するというサドとマゾを同時実現して店内で昇天したというエピソードを披露した、サイコ次郎というニューカマーを発掘しました。彼にはNGがないとの事なので、次回は北朝鮮へ行って金正日の銅像に生卵をぶつけてみるという企画を考えています。もしくは新型コロナの研究に役に立つんじゃないかという真面目な企画も考えていて、タイトルは『中国のコウモリ全部喰う』です。誰もやらないので彼に期待しています」

土佐犬民 「ちょっと待て、頭が痛うなってきた。一回整理するぞ? ・・・おまんのそういうぶっとんだ発想に対して周りの人間はどういう反応をしゆうがぞ?」

鬼丸 「いいねそれって言ってますよ。何か?」

土佐犬民 「やっぱり会社全体が毒されちゅうがやにゃ・・・。いや待てよ、この業界じゃそのくらいの感覚が必要ながかもしれん・・・。所詮腰かけ程度でタレントになろうとしたおらが甘かったっちゅうことか?・・・クソッ、何が何やら分らんようになってもうた。おい鬼丸、おらは生き方を間違えちゅうがじゃろうか?」

「プー、プー、プー」

土佐犬民 「オイーーーッ!」


闘いは続く。

最新の画像もっと見る