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日本の、東京の居酒屋巡りをお届けしてきたブログ・・
信州への転居に伴い、内容も一新してリニューアル!!

城下町ほろ酔い散歩

2011年10月04日 | Weblog

今回はイベントの報告です。102日に松本の4軒の居酒屋の共同開催で、震災と風評被害に苦しむ福島の8件の酒蔵を招き、日本酒を飲み歩くイベントが開催されたのである。その名も「城下町ほろ酔い散歩」である。お客さんは4軒の居酒屋を回り、各店に待機する2件酒蔵の酒を飲んで町を巡る内容で、自慢の酒を8杯まで飲むことが出来るのだ。試飲ではなく、おつまみを食べながらちゃんと酒を味わうイベントであり、8杯飲むと四号瓶を1本飲む計算となる。

僕は今回イザケン仲間とともに2人で参加したが、全部で90人くらいの人が参加していたらしい。フレンチと日本酒を合わせる「NOMDOS」からスタートし、ホームグランド「風林火山」を経由。初めての訪問となる「アガレヤ」を巡り、最後は映画「神様のカルテ」の舞台になった「厨十兵衛」へと流れる。

 NOMDOSの深沢君が開会の挨拶を!

 

料理をつまみがなら福島の8杯の酒を飲み、最後の店を出るころには開始から5時間が経過していた。ゆっくりと酒を楽しみ、途中で町をブラブラするため、酔いは想像よりも軽くしか回らず、終了後は相棒とともにBARを探して歩き回り、結局日曜日にバーは営業していないということを学習し、中華料理屋に寄って日本酒で乾いた喉をビールで洗い、ラーメン屋でお腹を満たして家路に着いた。

イベントは全体的には楽しく過ごせた。蔵の人にいろんなことを聞いたり、おもしろい話題でわいたり、いつもと形態の違う営業スタイルの居酒屋を楽しみ、ほろ酔いで松本を歩く良い5時間であった。

 

 

 風林火山でまったりと・・・

 

また来春には福島の蔵を呼び、新酒を飲むためのイベントを企画しているとタイソンから聞き、松本の居酒屋店主達の積極的な取り組みに頭が下る思いであった。

しかしひとつ僕ら的には問題があったので、苦言を呈すわけではないがこれを提議しておきたい。

10月の松本と言えば秋も深まり、夕暮れ時は少し暖かいカッコをしていないと肌寒い季節である。しかも酒を飲む一方、酔いを深くしないために和らぎ水を大量に飲むこともあり、必然的にトイレも近くなるし体が冷えるのである。

最近の日本酒の傾向はどうしても「冷酒」で楽しむ趣向である。それはそれで僕もよーく理解しているが、中には「ぬる燗」や「熱燗」にこそ向く酒もある。蔵の字とを前に「これはぜひ冷で」と言われれば冷で飲むものの、僕らが「これは燗にしたい」と思う酒を蔵の人も「この酒は燗に向きますよ」と言うのであればぜひ燗で楽しみたいものだ。しかもこの気候。人肌程度に温まった酒の味わいがその酒のイメージを引き立てる効能は大きく、その酒が持つ本来のポテンシャルを大きく引き出すものである。

今回とある店で「山廃」の酒があり、冷で一口飲んだ香りと味わいから、「これは燗にしたい」と相棒と意見が一致。すかさずその蔵の方に話しをすると「これはぬる燗にするとなお良い」との返事が。そこで蔵の方がその店の店主へ燗にして飲みたいという客がいることを報告。しかし店主の答え

は「NO」であった。

 これが今回の一番「辰泉」

 

店のカウンターの端っこに電気を入れて作動させる白い燗付け器があるにも関わらずである。これは僕らのエゴだろうか?非常になっとくできないワンシーンでした。

しかしまあそれ以上は特に問題もなく楽しめるイベントであり、3月の新酒イベントが今から楽しみである。それと希望をひとつ。福島の酒を飲むにあたり、ぜひ酒の肴に福島の幸を食してみたいものだ。生魚は難しくても、福島の地の漬物や酒に合う珍味はいけるのではないか?ぜひ次回検討して欲しいものだ。

最後に。福島から自慢の酒を持ち、信州松本へ来てくださった蔵の方々に感謝の念を。そして風評被害に負けずこれからも良い酒を醸して頂きたい。その応援が微力ながらできればと、次回のイベントにも参加を今時点で決心。

そしてこのイベントを立ち上げ、開催に漕ぎ着けた松本の素晴らしい居酒屋店主の皆さん。

ゼロからのイベント。日常の仕事の最中で企画しここまで漕ぎ着けた努力は素晴らしいものだと思います。この努力が必ず松本の居酒屋界を大きく牽引することは間違いないはず。

こんなイベントを開催できちゃう力に自信を持ち、今後も松本を居酒屋から盛り上げていただきたいと切に望みます。どうもお疲れさまでした!


お湯割り解禁

2011年09月20日 | Weblog

 

出張で都内へ。今日は池袋へ泊まることに。学生時代から池袋には縁遠く、なかなか遊びに行くこともなく、未だに待ちのことはよくわからない。が、良さそうな店はすぐに見つかった。池袋駅西口から徒歩3分。怪しい繁華街の真中に「豊田屋」はある。

長いカウンターと10卓以上はあるテーブルがほぼ満席で、サラリーマンの笑い声と、店員の掛け声がぐわんぐわんと木霊する良い雰囲気だ。

さてホッピーを注文し、名物ヤキトンの中から「タン」「ナンコツ」を塩で注文。揚物も欲するがカロリーを考えて「タマネギフライ」を注文した。

ホッピーを呑みながら店の中を眺めると、入れ替わり立ち代るお客さんで常に満席状態。僕の座るカウンターもぎっしりだ。

目の前で若者が一生懸命焼くヤキトンに程よいコゲがまとわれた所で僕の前へ提供された。

「ナンコツ」はコリコリしているが肉も程よく付いていて美味い。「タン」もゴリゴリと分厚く、肉の旨味がじわりと染み出てくる。七味唐辛子をかけて口に運ぶたびホッピーがさらりと喉にすがすがしい。瞬く間に追加の中身を注文することに。

熱々の「タマネギフライ」に添えられたケチャップを付けてガブリ。甘みが滲み出てきてこれも美味い。タマネギの成分で血液をサラサラにしつつ、油で中和するなんとも不思議は料理であるが、僕の好きな揚物の1つだ。

さて追加で「焼き鯖」「カシラ」を注文し、お酒は芋焼酎のお湯割りに変更だ。外は残暑で蒸し暑いが、店内は一連の電力制限が解かれてためかギンギンに冷えている。今年のお湯割り解禁は今日となる。芋の香りが解け出た甘い湯気が立ち、焼酎の辛味と芋の甘味が同時に口の中に広がり、優しく血液に解けていく。やはり焼酎はお湯割りである。濃い目に作られているの酒飲みにはもうれしい配慮だ。

さて「焼き鯖」は脂が乗り、皮もパリパリでご飯が欲しくなるほどだ。焼き魚で酒を飲む喜びは大人でないとわからない。若い頃は考えられなかった組み合わせである。「カシラ」にはカラシを付けてがぶりとかぶりつくと旨味と脂が口の中で混ざり合い「肉食べてる!」という実感が脳漿に湧いてくるのだ。ヤキトンの醍醐味は歯ごたえと脂である!

ああ、大衆酒場はやはり良い。仕事を忘れて1人でカウンターに向かう時間があるからこそ、毎日の仕事に集中できるってぇもんだ。嫁さんには悪いが、これは働く男にとって大事なひと時なのである。

さて心地よい酔いが体に回り、これ以上呑むと腰を据えたくなるかだるくなってしまう。良いところで切り上げるのも一人飲みの極意だ。適度に適度に、である。

会計を済ませて店の外に出ると、池袋の町は相変わらずの雑踏である。景気が悪いのすら感じられない活気が溢れ、ギラギラした欲望の熱みたいなものに少しうんざりもする。

そういう楽しみには興味がない僕はホテルを目指して歩き出すのであった。


夏の終わりに

2011年09月10日 | Weblog

 

夏も終わりが近いのか、信州松本は朝晩は窓を開けて寝ることが難しい気候になってきました。去年ほどではないにしても、暑い夏でしたね。今年は例年よりビールをよく飲みました。BBQをしたり、友達が集ったりすると、普段よりビールの量が増えます。

ビールにはやはり枝豆です。新潟にいる友人から毎年新潟の茶マメが送られてきます。けっこう大量にね。これがまた美味いんです。丁寧に一房づつハサミで切りとり、更に房の両端をパチリとカットし、水で洗ったあと、塩でかるくゴリゴリとモミ洗い。

少ないお湯をストーブ鍋に沸かし、その中に枝豆を投入!3分程度で硬めに仕上げてザルにあげ、塩を振って熱々を食べるのです。もちろん大量に茹でるので一日では食べきれません。そうなると残りは冷蔵庫へ。一日たって若干柔らかくなり、味の落ち着いた枝豆もこれはこれで美味いんです。

さて今年の夏にはまった食べ物が2つあります。まず1つ目は豆腐です。僕はもともと豆腐好き。家でも外でも飲みに出るとよく豆腐を食べます。冷奴はもちろん、湯豆腐、鳥豆腐、揚げ出し豆腐など、豆腐は最高のツマミの1つです。

しかし今年とある映画を見て以来、何もかけずに豆腐を食べることへの価値を見出しました。安曇野の友人宅の庭で夕方にBBQをしていたら、遠くから豆腐屋のラッパの音が。おじさんが乗る自転車を発見し、大声で呼び止め、走っておじさんの元へ。普通我が家では僕の趣向に合わせて木綿豆腐を買うのだが、友人の勧めで今回は絹ごしを購入。すぐさま包丁でカットし、醤油も何もつけずに口の中へ。甘くて豆の香が凝縮された豆腐の味に思わず意識が・・・絹ごしなのに木綿並みの硬さであり、しかし口どけと上品さは絹ごし。これは素晴らしい豆腐だ。それ以来、道の駅で豆腐を買っては、家で何もかけずに食べる習慣が身についた。少し味をつけるなら醤油よりも塩がオススメ。ぜひおいしい豆腐を買ってお試しあれ。

そしてもう1つが「ズッキーニのラッキョ酢和え」だ。ズッキーニって知り合いからけっこうな頻度でもらうんですが、意外と家庭で食べる機会がなく、しかもでかいズッキーニが多いんで腐らせてしまうことも多々ありました。しかしさっきの安曇野の友人の奥さんが作ってくれたこの「ズッキーニのラッキョ酢和え」に出会ってからは、我が家に常にズッキーニが在庫されることに!レシピは簡単。大きな(別に普通サイズでもOK)ズッキーニを5mm程度の厚さにカット。そしたら熱してないフライパンにシーチキンを1缶投入して火をつけます。ジュワジュワ音がしてきたらズッキーニを投入!シーチキンの油でズッキーニを炒めると、じわじわ水分が出てきますが、ここでラッキョ酢を投入!ズッキーニが蒸れて柔らかくなります。ラッキョ酢はラッキョウを漬ける際に使用する味のついた液体。ラッキョウをつけるシーズンにしか店にならばないため、購入できないようなら甘酢を作って代用可能。我が家ではラッキョ酢にお酢を足して使用している。

3分程度軽く炒めたところで調理は終了。味付けはラッキョ酢のみ。塩味はシーチキンから拝借する減塩メニューでもあります。

これが甘くてすっぱくておいしいのなんのって、これまたビールとよく合うなんてレベルではないのです。やばいんです。あぁ、食べたくなった・・・

ビールが特においしい季節もそろそろ終わります。店頭には秋味が並び始めました。さあもうすぐ秋。夏に勝る美食のシーズン開幕です。冷酒から熱燗へのシフトもそろそろですね。さあ、秋を迎えにいきましょう!


われこそは幻のチャンピオン

2011年08月22日 | Weblog

 

先日、と言ってもかなり前になるが、毎年参加している「利き酒選手権」の松本地区大会に参加した。僕自身今回が3年連続3回目の出場。と書くとまるで甲子園出場校のプロフィールに見えるが、参加申し込みすれば誰でも参加できるのだ。

毎年松本駅前のホテルが会場となり、松本酒蔵組合の方がスタッフとして切り盛りする会場で利き酒を行う。初年度は1人で参加したが、去年は友人2人を連れて参加。そして今年も松本イザケンの相棒を連れての参加である。

ホテルで受付をし参加費3000円を払う。宴会場に円卓がたくさん並び、会場後ろのスペースに利き酒選手権の舞台が設置される。

利き酒の方法だが、いくつか方法があるそうだが、この選手権では嗜好順位法という方式を取る。6種類の酒が同じビンに入り、AFまでのラベルを貼られてテーブルにおかれている。まずそれを10分程度で利き酒をし、自分の好きな順番に並べて用紙に記入する。人によって順番は異なるのだ。そして隣のテーブルに行くと同じように6種類の酒が並び、今度はイロハニホヘトのラベルが貼られている。それをまた利き酒し、最初のABCDEFGにつけた好きな順番に対し、イロハニホヘトがそれぞれどれに当たるかを選択していく方法である。いわば自分の好みを結びつける形であり、「これが吟醸」「これは本醸造」というふうな選択方法ではない。今まではどうしても頭で考えてしまい、迷いが生じて途中でわけがわからなくなり、点数は伸びなかった。今年はそのスパイラルにはまらないよう心がけ利き酒の臨んだ。

しかしやはり明確に味を利き分けるのは難しく、途中で悩み始めてしまった。が、そこで僕の目にある違和感が。この6種類の酒、かなり色合いが違うな、と。同じ蔵の酒が並ぶのだが、本醸造と大吟醸では色合いが異なるのはよくあること。それにしてもどれも色合いが違う。一番濃いものと一番薄いものは顕著であり、その中間の4種類も若干色合いが異なる。僕はひらめいた!今日は色で判断してやれと。残り時間が少ない中、6種類の酒を濃い順に並べて記入。すかさず隣のテーブルに移り、6種類のビンを見比べて色で順番をつけていった。しかし1番濃いものと薄いものの区別は簡単なものの、2番目と3番目、3番目と4番目などの区別は難しく、そこは少し口に含み、味の違いも利き分けつつ時間一杯まで粘り、解答用紙を埋めた。

さて全員の利き酒が終了するまで相棒と雑談。全員の解答が終わると採点発表までの時間に答えあわせが始まる。美寿々の社長が発表する答えに沿い、自分の答えを採点するが・・・なんと全問正解である。まさか?と思い何度も採点。しかしやはり全問正解である。隣の相棒も驚くが、相棒はしっかり利き酒した結果で1問外しの高得点。さすがである。しかし僕は全問正解だ。「これは2人揃って県大会だ」と盛り上がる。そう、ここで成績優秀者は長野県大会に進むわけで、今年はこの後の時間でそのまま県大会が実施される。

さて協会からの結果発表の時間がきた。上位5人の発表ということで、1人、2人と知らない人の名前が読まれていく・・・3人目の知らない・・・4人目に相棒が呼ばれた。そして最後の1人・・・そうか、全問正解だから最後ね、と思っていたら5人目も知らない人の名前が・・・なぜ??府に落ちない表情で相棒は県大会の利き酒を開始。僕はわけのわからぬまま自分の席で相棒を見守る。なぜだ??

県大会も終わり、相棒も残念ながら予選落ち。利き酒参加初めてのおば様が優勝し、全国大会への切符を手にした。

利き酒大会が終わると円卓に酒と料理が運ばれ、日本酒飲み放題の宴会となる。円卓の違う参加者と話をしたり、会場にいる蔵人と話をしたりしながら酒を頂くわけだが、今日の自分のこの結果を確かめたくて仕方ない衝動に駆られる。

仲のいい蔵人である「笹の誉」の笹井君(とっても杜氏)に声をかけ、じつはこれこれこういうことだと話しをし、特別に解答用紙を持ってきてもらうことに。

5分後笹井君が笑顔で現れる。そして一言「安部さん、なにやってるんですか?」と。見せてもらった僕の解答用紙には、なぜか1から6までつけられた順位の中に1番が2つある。「んっ?」と考えてみると、どうやら最後に時間がなかったため、最後に書きこんだ「4番」が途中までしかかけなかったようで、「1番」になってしまっていた・・・ボンミスである。

「これ多分記入ミスだろうからそのまま満点にしようとか、記入ミスはミスだから特別に段位は与えようとか裏で話したんですけどね」と笹井君。そう、点数がよい人には利き酒段位が与えられるのだが、結局そこは厳しく判断され失格となったそうだ。

いかにも惜しい利き酒選手権だった。がミスはミス。悔やんでも悔やみきれない。しかしこれで僕は酒は口や鼻だけで利くものではないことに気がついた。「酒は目で利け」と僕が言うなら大げさではないだろう。来年こそは絶対優勝してやると近い、相棒といつもの風林火山へ結果報告へ向かった。

「来年も色がわかるように透明のビンにしろよ」と笹井君に強く言い放った僕。幻のチャンピオンは来年の雪辱を誓う。


がんばれ、マツ!

2011年08月03日 | Weblog

大変お久しぶりでした。気がつけば二ヶ月くらいブログ更新を怠っておりました。プライベートに仕事に多忙であったり、早めの夏休みでハワイに旅したりと元気に充実してはおりました。さて久々に筆をとりますが、サッカーファンで松本暮らしの僕が触れないわけにはいかない事が起きました。そう、松田直樹の心筋梗塞です。

松田直樹と言えば日本中が熱狂した2002年の日韓ワールドカップ。トルシェ率いる日本代表不動のサイドバックです。宮本、中田浩二と3人で、いわゆるフラット3という形式のバックラインをひき、安定した守備を見せ、初のワールドカップベスト16に貢献した選手です。

Jリーグでは横浜マリノスの生え抜きであり、昨年戦力外通告を受けるまで16年マリノス一本で生きてきた。移籍にあたり高額な契約金を用意したドバイのプロリーグと、当時まだJFL昇格間もない、全国的知名度はゼロに等しい松本山雅という選択肢の前で悩み、結果最後は山雅スタッフの気持ちに感銘し山雅移籍を決めた様子はテレビでもドキュメンタリー番組として放送された。

一世風靡した日本代表選手。マリノスでは何度もビッグタイトルを獲得し、U17から小野や中田英寿や稲本と日本代表経験を積んできた。そのプライドが下部リーグ移籍という現実の前で大きな障害にもなったであろうし、引退すら考えたであろう。でもサッカーを続けたい、自分を欲しいと言ってくれるチームのために力を尽くしたい。そんな戦力外通告を受けた彼だからこそわかる気持ちを携え、山雅J1昇格の切り札として新天地松本へ来てくれた。

元日本代表選手の入団は松本にも山雅にも大きなパワーと希望を与えたが、今季のリーグ戦では期待以上の成果が見えないまま監督交代などもあり、順位も中の上でうろついているままだ。

今まで自分がいた環境とのギャップにも来るしんでいただろうし、自分へのふがいない気持ちもあったろう。先日の試合後、スタジアムで応援してくれたサポーターの前にチーム全員が並び声援に対して感謝を表す恒例行事をボイコットした。その態度に山雅サポーターも怒りや批判の声をあげた。松田は以前からやや問題児的一面を持つ選手だ。日本代表合宿を勝手に離脱したり、世界のジーコも松田には三行半をつけたことも。もっとも輝いていたトルシェジャパンの頃も、時折スタッフにかみついたり、勝手な発言や行動が目立つ場面があった。マリノス内でも同様だったが、生え抜き選手を愛するマリノスサポーターの間では許されていた行為が、真面目な県民性の長野では許されないという地域差もあったろう。松田には松田の言い分もあるだろうが、ややがっかりさせられる面がある反面、何事にも正直で愚直なスポーツ選手の一面が松田の愛すべき人間性なのだ。

マリノス時代、試合に勝利した後に涙を流しながらインタビューに答える松田がいた。相手チームが負けを確信し、まるで攻めてこようとしない。試合途中で試合を諦めている。そんなことに感情を揺すぶられる熱い男なのである。

松田の本質を理解して松田を応援しろとは言わない。戦力外通告を受けた過去の人と言う見方をする人もいる。でも松田は山雅のためにピッチを走っていた。慣れない環境でもがいていた。うまくいかない中で苦しんでいた。スポーツ選手なら環境に順応しろ、甘い!と言う声もあるだろう。でも人間そんなに強くない。家族や友人と離れた環境で強く生きる事の厳しさなんて僕には理解できない。そんな中のこの病気である。

最近批判にさらされていた松田。彼の非も認めるが、松田がこのまま終わるなんて絶対にあってはならない。彼は意識の戻らない意識の向こう側できっと戦っているはず。あきらめていないはずだ。

日本に、そして松本に希望を与えたサイドバックの無事をただ祈るばかりだ。

マツ、カムバック!!

 


八王子 酒蔵一平

2011年06月01日 | Weblog

仕事の都合で金曜日に八王子へ。軽く飲みに行こうと、八王子駅近くにある大衆酒場へ繰り出した。松本イザケンの相棒が時々八王子に出張するため前に偵察してきてくれてたから、なんの不安もなく暖簾を潜った。その名は「一平」。店内は長いカウンターが右側に。左手にいくつかテーブルがあり、奥の方にはでかい座敷がある様子。店内ほぼ満席の活気ある中、カウンターにポッカリあいた空席に幸運にも座れた私。元気のよいおばちゃんにホッピーを頼み、ゆっくりメニューを閲覧開始。刺身に焼鳥。煮物に揚げ物。居酒屋定番と言えるツマミ達が一通り並び、万人うけするバランスよいラインナップである。さてジョッキに氷がたっぷり入り、よく冷えたホッピーと、ビールグラスにたっぷり入った焼酎が届く。渇いた喉に早く水分補給をと、グラスの焼酎をザブリとジョッキへ投入。そしたらなんとジョッキが満杯に。これじゃあホッピーが入らないと、笑いながら焼酎を半分ほどグラスに戻してホッピーを注ぐ。焼酎も多いが、氷も大量。この焼酎で何本ホッピー飲めるか考えてしまう。と、まあとりあえずグビリ・・・喉に爽快感を与えたところでツマミを注文。注文が入るとカウンターの向こうから威勢のいい声があがる。厨房の高いレベルを伺わせる空気に期待が高まる。

さてまずはイザケンの相棒オススメの『ハムカツ』すごい。2センチはある分厚いハムがジューシーであり、外はサクサクカリカリ。かなりのスピードでハムカツが着たため、一杯目のホッピーとマリアージュできた。大衆酒場はハムカツとポテサラだ。ソースとの愛称がチープでたまらない。(次の日の夜。嫁とホームグランド風林火山にてハムカツとポテサラを食べるとはこの時は予想だにせず。風林火山の素敵なハムカツ談は後日)

次に登場したのは『シメサバ』だ。店の魚を扱う技術を見るのにシメサバは最適な料理であると僕は考えているが、やはり期待通りの良いシメサバだ。これには酒でしょと、慌てて燗酒を頼み、ホッピーはチェーサーに早変わり。たっぷりワサビを絡めたシメサバが熱燗にまとわれ、溶けて流されていく。この上ない幸福が脳天を焼く。(次の日の夜。風林火山でシメサバを食べるとはこの時は予想だにせず。これまた風林火山のフレッシュなシメサバ談は後日)

カウンターの両隣は入れ替わり立ち替わり。大衆酒場らしい速度が流れる中、もう少し食べたい僕はメニューを端から端まで読みあさり、いくつかの候補を頭に揃え、胃袋と理性と財布と会議を行う。八王子ドラフト会議で選出されたのは「野菜かき揚げ」だ。タマネギとニンジンがたっぷり入ったサクサクかき揚げは、酒ともホッピーとも愛称抜群。優しい味のつけダレにかき揚げを浸し、酒と一緒に流し込む。天麩羅系のメニューは他にも多々あり、季節物のアスパラ天麩羅にも惹かれたが、具材を欲張りかき揚げを選択。天麩羅が食べれる酒場はとても素晴らしい。(次の日の夜。風林火山で山菜天麩羅を食べるとはこの時は予想だにせず。季節感満載の風林火山の天麩羅談は後日)

わいわい賑わう店内の空気に浸り、周りのお客さんの話に耳を傾け、八王子の変遷をなんとなく理解しつつ楽しい時間は過ぎ、約1時間半の滞在で店を出る。手元に伝票が置かれ、なにか注文すると常に新しい合計金額が明示される仕組みはとても財布に優しい。お父さんが心から楽しめる満点酒場として心に登録だ。

ビルの谷間に佇む大衆酒場。名古屋の「大甚」や銀座の「三州屋」。そんな都会ならではの大衆酒場の空気に久々に身を浸し、心地よい酔いが体にふりかかる夜でしたとさ。

(残念ながら撮影した写真は容量大きくてブログに載せれず・・・)


おひさしぶりです

2011年05月27日 | Weblog

 

お久しぶりです。

大震災の後、なかなかブログ更新もせず、春が過ぎ、梅雨の気配すら感じる季節になりました。みなさんいかがお過ごしでしょうか?

僕は大震災のショックからも立ち直り、今できることをやりながら、自分なりの生活を楽しんでおります。

時に友人とバーベキューをしたり。時に友人と飲みに出かけたり。時に友人宅の庭の芝生を張る作業を手伝い。嫁さんと手羽先食べに名古屋に出かけたり。まあつつがなく元気に過ごしておりました。

ブログ更新が滞ったのは別に震災とは関係ありません。実は新しい、いや昔の趣味が復活し、最近そちらへ時間と頭を割くことが多く、頭の中からブログがすっかり消えておりました。その趣味とやら・・・それはまたいつかお話しするとして。今日は久々に見つけた穴場飲み屋を紹介します。

その名は「サラリーマン」。松本市の町の中心地から少し離れた路地に佇む小さな酒場。カウンター10席程度と小上がりが2つ。狭い店は60歳くらいのご夫婦2人で営なまれ、いつも仕事帰りのサラリーマンで賑わっています。

最初は松本イザケンのメンバーで訪問。子上がりで楽しく酒を飲み、その家族経営の大衆酒場ならではの空気を堪能したものの、もう一度店を精査したくなり、先日嫁さんと再訪問を。

カウンターに腰を下ろすと、自家製の福神漬けのようなお通しが。頼んだ瓶ビールはアサヒスーパードライの大瓶。これがサッポロラガーだと言う事無しなのだがまあ仕方ない。

最初に訪問した際に感動した「煮込み」はやはり絶品。小腸にレバーも混じり、あぶらっけもたっぷり残る新鮮なモツの味わいは、今のところ松本一!松本三大煮込みを制定しようと試んでいる我らイザケンは、早くもその一番手に出会った。

そして驚愕の「ニラタマ」。普通タマゴは薄く広く焼かれたものが主流だが、ここのはスクランブルエッグのニラ入り、と言った感じ。大量に入ったモヤシがシャキシャキでボリューム満天。塩加減も程よく、ついつい箸が進む逸品だ。

最初の訪問時はこれに「野菜炒め」など注文したが、量も多く、今回嫁と2人ではそれほど食べれないというわけで「焼き鳥」を注文。お母さんが一生懸命焼いた焼き鳥は普通だが、普通にしては旨い。

ビールの後は「チュ-ハイ」を。ジョッキに大きな丸氷が1つ入り、後はめい一杯焼酎とソーダが入る。ソーダのシュワシュワ感すら感じないほど焼酎の濃いチューハイを2杯も飲めば、仕事帰りの体に睡魔すら忍び足。てな感じで2人で3,000円なり。安いね、旨いね、安心だね。でも後で計算してみると・・・ビール650円。チューハイ450円×3杯。それだけで2,000円。残り1,000円で3品食べれるなんて、このご時勢ありがたし。

風林火山に次ぎ、我が家の主力になることまちがいなし。

 


感謝!

2011年04月11日 | Weblog

 

大震災から約1ヶ月。幸い僕らの住む松本には大きな影響は無い。店にお水は売ってないものの、普通に生活が出来る。東京も計画停電は撤回されるとか。少しずつ日本は前に進んでいるようだ。

さてこの前の土曜日、長野にミスチルがやってきた。今回は幸運にもチケットを入手でき、久々にミスチルに会う事ができた。大震災の後のライブ。開催地や開催時期の問題で延期になったライブもあり、長野でも開催されるのかどうか微妙だったが、ミスチルはやってきた。

会場の電気を必要最大限落とすなど、震災に配慮しつつの開催だった。ライブの約3時間、最後まで聞いてみるとやはり震災、日本へのメッセージ色の強い曲が多く、急遽震災に際して歌う曲を変更したのだろう?というのがわかる。

ライブの最後、観客に別れを告げて手を振る桜井さん。モニターに移された桜井さんの口から「がんばろう」という言葉が読み取れた。そう、このライブをこのタイミングで聞くことができた僕らは、その中から感じたメッセージを胸に、進んでいかないといけない。頑張らないといけないのだ。なんて思わせてくれた言葉をいくつか紹介したい。今回のライブで演奏された曲の、心に浸みた言葉の数々です。

「何度でも、何度でも僕は生まれ変わっていける」

「何が起きても変じゃない そんな時代さ覚悟はできてる」

「負けないように、枯れないように、笑って咲く花になろう」

「愛はきっと奪うでも、与えるでもなくて、気がつけばそこにあるもの」

「悔やんだって後の祭り もう昨日に手を振ろう」

そして最後に歌われた、今回の震災のために作られた曲「かぞえうた」。

「ひとつふたつ もうひとつ忘れて またはじめからはじめる 希望の歌」

「僕らは思ってた以上に もろくて小さくて弱い でも風に揺れる稲穂のように 柔らかくたくましく強い そう信じて」

うちに嫁さんは今回初めてミスチルのライブを見た。こんな時だからこそ、ただ楽しいだけのライブじゃないライブだったかもしれない。でもライブ終了後、ただ単に喜び、そして大きなメッセージも受け止めていた。やはりライブはすごい。そしてこんなときだからこそライブをやってくれたことに感謝である。

さあ、このライブからもらった力を胸に。また今日から前を向いていこう!

 


大切な友人達へ

2011年03月18日 | Weblog

未曽有の大地震。想定外の大津波。悲惨な原発事故。

この大震災を語るのに普段使わないような悲劇的な形容詞が山のように浮かびます。

それに対し、今自分に出来ることの少なさを強く実感します。

直接被害のない地域に暮らす人間として、普段なら肌身に感じることのない震災ですが、今回ばかりは違います。TVから流れる映像を直視できない時があります。

今自分に出来ること・・・節電や義援金募金への参加・・・それくらいかもしれません。

決して大きなことはできません。1人の人間としてできることの小ささに腹が立ちます。

だけど、だからこそ今思うことがあります。今自分にできることは、自分と家族の生活を守ること。そして人に迷惑をかけず、落ち着いた行動を取ることではないかと感じます。

東北地方は立ち直るのが困難なほどの危機に直面しています。今まで日本に降りかかっ

た被害の中でも特にひどいレベルの災害です。しかし日本は敗戦、大震災、不景気から

いつも立ち直ってきた優秀な民族です。日本はこれから復興に向かうでしょう。必ずその過程に、そしてその先に僕らに出来ることがあるはずです。

この震災が今の日本が間違った方向へ向かいつつあることに対する試練だとしたら、僕

らはこの試練をしっかり乗り越えないといけません。神は乗り越えられる試練を人に与

えると言います。そして乗り越えられる人間にだけ試練を与えるとも言います。だから

こそこの試練は日本国民全員で抱え、分け合って乗り切るものなのだと思います。

「僕らは連鎖する生き物」という言葉が心に浮かびます。自分に今できることが、必ず

何かに形を変え誰かに届く。それを信じて今やれることから始めようと思います。

その想いが僕の大切な友人に伝わることを祈り、またみんなで顔を合わせ、楽しいお酒

を飲める日が必ず来ると信じます。それまでみんな元気で!


ファイト東北!

2011年03月14日 | Weblog

恐ろしいことです。東北地方の方には何と言葉をかけていいかわかりません。僕はあの日あの時さいたまにいました。会議出張です。前の日に赤羽の古き良き飲み屋で一息ついていたことが嘘みたいです。おそろしい揺れでした。どこが震源かわかるまで、離れた家族のことで頭がいっぱいになりました。震源が東北で、大被害が出ている情報が集まるにつれ、不思議と安堵と言うものは心に湧きませんでした。いつどこで大地震が起きるともわからない日本に居ることをあらためて強く実感しました。僕は地震当日帰宅難民になり、翌日車で松本へ帰ることができただけ幸運でした。

情報が入るにつれ、被害状況に耳を疑います。僕は子供の頃伊豆に住んでいたことがあります。誰もが知る地震多発地域です。住んでいた6年の間に伊豆大島の噴火。群発地震と海底噴火を体験しました。地震になれているつもりでしたが、今回は特別です。数は少ないものの東北地方の友人の安否も確認できましたが、ほっとしつつも喜ぶことはできません。

そして原発と言う日本全体の問題も浮上してきました。地震の影響が出てないからと言い、決して安心なんてできません。物資の不足、ガソリンの不足にも直面しています。そして松本でも地震が絶えません。身の回りに危機は今たくさん潜んでいます。

こんな中で今自分に出来ることを考えます。助けに行くこともできなければ、何かを送ることも困難です。自分の生活もあり、家族を守る使命もあります。でも何かできないかと考えてしまいます。節電や節約くらいしか今できることはないのかもしれません。何かできることが明確にわかれば、そこに力を伝えたいのですが。今はそういうタイミングでもないようです。ただ自分に出来ることをしつつ、他人に迷惑をかけず、被災地の無事を祈るほかありません。

日本はたくさんの地震、敗戦、不況を乗り越えて今またこの地震に直面しています。でも日本人は勤勉で誠実な民族です。この地震を報道する各国のメディアも賞賛し、日本の復興を信じるコメントをたくさん報道しています。日本人は必ず立ち上がれます!そしてこの経験をもとに、よりよい日本をこの先も作っていくことが出来るでしょう。そう信じています。

この地震が日本に対する何かのメッセージだとしたら、日本が近年失おうとしている人情や誠実さを取り戻すために与えた試練かもしれません。そう思わずにはいられません。TVで流れる津波の映像を見ながら「すげー、やべー」とへらへらして見ている若者を見ました。殴りたい衝動にかられます。こういう日本を作るために龍馬は生きたのではありません。その想いが起こした地震なのだとしたら、この地震から何かを学ばない人間はただの馬鹿だと思います。友人が言ってました。「東北の人には悪いが、これは教訓である」と。僕もそう思います。僕らにはこの地震から学ぶことしかできませんし、それが一番大切なことだと思います。この地震が日本の進む方向を改めて見直す機会になることを願います。そうしないといけないと思います。

東北地方には日本有数の銘酒を醸す蔵がたくさんあります。三陸の魚をつまみながら、東北の銘酒を笑顔で飲める日が一日も早く来ることを祈ります。

東北のみなさん。そしてその東北を復旧させることに全力をそそいでいる自衛隊や警察や消防、レスキュー隊。そして海外の派遣団に医師。みなさんの無事を祈り、成功を信じます。そして政府の精一杯の対応を望みます!がんばれ、東北!