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日本の、東京の居酒屋巡りをお届けしてきたブログ・・
信州への転居に伴い、内容も一新してリニューアル!!

梅雨明けだ!

2012年07月19日 | Weblog

7月も半分すぎました。梅雨も明けました。

夏です。信州松本もすさまじい日差しの降り注ぐ季節となりました。が、朝夕は涼しい風も吹き、夜は肌寒い日も。信州の夏はさわやかで心地よい。良い季節がやってきます。

さて6月のまとめです。今月も色々なことがありました。利き酒大会は先日報告させて頂きましたし、松本の兄貴分と飲みに出かけたりしたことも先述しましたね。

他にどんなことがあったか?それをダラダラ書きます。お付き合い下さい。

週末に嫁さんと昼夜問わず外食に出かけます。その途中、気になる店を見つけました。以前から存在は知っていたものの行った事がなかった店。市役所近くにあるお惣菜屋です。古い店であり、古めかしいショーケースにうまそうな揚物が並びます。

その中からコロッケとメンチカツを購入して味見。うまし・・・ジューシーでさくさく。気にいった我らは安曇野の友人宅へお邪魔する際にもお土産として購入。

ピーマン嫌いの友人も、ピーマン入のメンチカツがお気に召したようでなにより。その友人家族と穂高の山の中にあるカフェへ出かけました。鳥のさえずりが聞こえる森の中に建つカフェ。食事もおいしいがなにより雰囲気と空気がうまい。久々の落ち着く時間でした。

さてこの6月でレバ刺しの販売が法的に禁止されました。最後の方は色んな店で騒動も起きるほどでしたね。少数の不衛生で倫理感の欠ける店のせいで、安全に供給できている店も煽りをくらう形のこの騒動。一方的にダメにするのではなく、規制を設けて安全性を確保することで今後レバ刺しがまた食べれる世の中になることを望みます。このままにしておくと、逆の意味で危険なことになるような気が。密造酒じゃないけど、そういうことがおきそうだね。さて例に漏れず私もレバ刺し食べましたよ。大宮に出張で行った際にいつもの「酒蔵力」で一度。そして京都に研修で行った際に一度。最後のレバ刺し堪能しました。

京都駅近くにある「へんこつ」と言う店。昔から気になってたがなかなか行けず、今回意を決して訪問。ここは煮込みの名店であり、大鍋で煮込まれた様々な部位の入るモツ煮込みを鍋底からすくい取ってお皿に盛る「サルベージ」というメニューが人気。

サルベージとはよく名づけたもの。いろんな食感があり、濃厚で旨い!これに合わせるサッポロ黒ラベルがまた親父臭くていいんです。

続いておでんも食べます。具は色々ありますが、僕は「豆腐入りのお任せ」を注文。味噌仕立ての濃厚おでんには大きな豆腐とたけのこと筋肉とジャガイモが。

ほくほくトロトロしてうまい。思わず熱燗を頂き、冬ならもっとうまく感じるんだろうな、と悦に浸る。

さてレバ刺です。

ぷりぷりとろとろ・・・甘いんです。ゴマ油と塩の素敵なベールに包まれています。

これが人生最後のヒトクチにならないことを切に祈ります。うまかった・・・

初訪問の「へんこつ」は噂にたがわぬ名店であった。

さて家メシも充実。今月我が家の定番料理の仲間入りを果たしたのは穂高にある肉屋さんで売っているソーセージである。友人宅でBBQをする際にいつも肉を買いに行く店なんだが、ここの肉がまたやばい。安くてうまくて綺麗。ものすごいコスパなのである。

その友人から教えてもらった極太ソーセージはフライパンで焼くだけでたまらなくジューシーでボリューム満点でうまい!我が家の冷凍庫に欠かせないメンバーとなった。これを旬のアスパラと一緒にストーブ鍋で焼くだけ。マスタードと白ワインが花を咲かせるのです。ああ、たまらない!!

野菜のおいしい季節がやってきました。枝豆、ズッキーニ、トマト、モロッコインゲン・・・これをシンプルに料理して夕涼みしながらビールで頂く。夏はこれだからいいのです!

さあ7月も楽しく元気にいきましょう!


満腹だぜぇ~ 【万両~丸幸コース】

2012年06月24日 | Weblog

先日久々に僕の松本の兄貴分と2人で飲みに出かけた。そう、毎年年末餅つきに呼んでくれる兄貴である。兄貴は仕事を辞め、現在新しい仕事への準備をしながらトラック運転手をしており、その合間を縫って飲みに出かけた。

エイトオンスで待ち合わせ、軽くビールを飲んだ後、前回は早じまいしていて入れなかった駅前の焼き鳥屋「万両」へ向かう。

駅前のビルの階段を上がると、時間が止まった昭和のままの空気が溢れる店があった。

大きなカウンターとテーブル席3個ばかりの小さな店を通称ババアが1人で切り盛りする。兄貴はおば様の事を、敬意と愛を詰め込んでババアと呼ぶ。ラーメン屋に行っても、飲み屋に行っても、「ババア、ババア」と嬉しそうに呼ぶ。ババアのいる店というのが兄貴の飲み屋の理想の姿なのである。ババアと呼ぶには失礼かもしれない、昔相当美人だったと思われるママさんにビールを抜いてもらい、「適当に」と一言かけて串を焼いてもらう。

カウンターにあるTVからはW杯アジア最終予選のオーストラリア戦が放送されている。普段の僕ならTVの前にかじりつくところだが、兄貴といる間はそれは端に置いておく。

「これがうまいのよ」と出てきたのは「レバの味噌焼き」だ。味噌ダレをつけて焼いたレバーはしっとりと甘く、火加減も丁度良い。同様にハツも味噌焼きにしてもらい、他にも数本の串を頂くがどれも美味い。鳥だけではなく、トンもあるのが嬉しい。「サラリーマン」と並ぶ串焼きの名店に認定だ。

兄貴は中学時代からここに通っていたそうだ。通称ババアのママさんもその頃の話をしきりにする。「あんた、まともな話をするようになったじゃん。大人になったね」と言われた兄貴が「うるせぇ」と言いながらはにかむ。この店の空気は心地よい。笑いに溢れるいい店である。焼酎の水割りを2杯ほど頂き、色々な話をする。兄貴から聞く松本の話はいつもおもしろい。

さて続いては前回も寄らせてもらった兄貴の後輩のご家族が営む中華料理店「丸幸」へ。

レモンサワーを注文し乾杯。店主山本さんはレスラーのような風貌だが優しいおもしろい方である。ご両親、奥様も店におられ、家族経営のよさがびしびし伝わるいい店であるがそれ以上に食べ物が美味い!!まずは定番の「餃子」。僕は松本平で一番好きな餃子だ。ジューシーな肉汁とレモンサワーの甘酸っぱさが合う!そして今夜は初めて頼む「シュウマイ」。きんちゃく状に包まれたシュウマイを揚げてあり、なんとこれにソースをかけていただく。シューマイの概念を覆されるソースとのマリアージュ。完全に脱帽である。「うまい」と言った後の山本さんの「そうだろう」という感じの笑顔が素敵である。

そして今夜の〆に「ソース焼きそば」をお願いする。「うちのは少し違うよ」と厨房に下って行った山本さんが5分後に持ってきたのはツヤの良いソース焼きそば。ソースの香りがたまらない・・・一度麺を油通ししてから具材と炒めているとか。信州は焼きそばと言うとあんかけ焼きそばである。あれはあれでもちろんとてもおいしいのだが、どうしてもたまにソース焼きそばが食べたくなる。が、なかなかソース焼きそばを出す店がない。しかし今夜は素敵で貴重な出会いがあった。これは間違いなく松本一の焼きそばである、いやソース焼きそばである。この満足感と満腹感はプライスレス。というか兄貴にご馳走になってしまい申し訳ない。いやー美味かったしサワーの飲みすぎでお腹パンパンだ。

兄貴と別れ、川沿いを歩きながら夜風に吹かれて帰宅。僕は丸幸と万両の素晴らしさを延々と嫁に語るのでした。兄貴、ありがとう!!


快挙達成 利き酒選手権

2012年06月18日 | Weblog

毎年恒例の利き酒選手権がやってきた。今年は例年より少し早めの6月中旬の開催。今年も毎回一緒に参加するイザケン仲間のS君と、もう1人は初参加のS原さんの3人で参戦した。S原さんは取引先の飲み仲間みたいな方で、ソフトで愉快な方である。

さて会場時間少し前に会場のホテルで待ち合わせし、参加費(¥3,000-)を支払い入場。

円卓に席を取り、少し緊張しながら開会を待つ。今年の参加者はおおよそ70名程度。その中に長野県各地で行われた地区大会の成績優秀者が混ざっており、今日の松本大会の成績優秀者と合わせて、この後県大会が続けて行われるのだ。

さてブログにも書いたように昨年の私と言えば、全ての酒の色だけで順位付けし、全問正解に導くものの、なんと記入間違いをしてしまい「失格」という結果に終わっている。つまりは幻のディフェンディングチャンピオンなのである。今年も色で全問正解をとってやるとばかりに会場入するものの、なんと利き酒テーブルに置かれる酒のビンが透明ではない!すかさず近くを通りかかる「笹の誉」の杜氏である笹井君に「どういうこと?」と聞いてみた。この笹井君、昨年の私の記入ミス事件の一部始終を知っており、「来年も透明のビンでよろしく」と昨年念を押しておいただけに、実は今回の利き酒用の酒を提供した蔵人に「ビンは透明で」と頼んでくれたそうだ。でも希望は叶わず・・・残念。でも笹井君、ありがとう!

毎年恒例の竹本会長(亀田屋)の挨拶の後、熊谷さん(美寿々)の利き酒の説明があり、さっそく競技が始まる。競技の方法は詳しくは書かないが、毎年恒例の嗜好順位法である。

しかしここでも落とし穴が!競技開始に合わせ、会場のカーテンが閉められ、会場は薄暗くなる。ビンの色に加え証明の調整!これぞまさに「幻のチャンプ、アベッカムシフト」か!?なんてことを勝手に考えながら競技に入る。

さてやはり酒の色はグラスに注がないとわからない。よって比較ができない。これはいかん!しっかり味わい、違いをかぎ分けながら利き酒を進める。

今年はいつもより違いがわかるような、わからないような・・・難しい。でも明らかに臭い(失礼)酒もあり、いくつかは明確に味を捉えられたような気が。なんてことをしているうちに利き酒は終了となる。さて自己採点すると「16点」。例年の私の中では高得点であるのだが、S君はなんと「2点」。S原さんも高得点の様子で、私は今回の県大会には進出叶わぬ様子だ。

さて結果発表が始まり、初参戦のS原さんは地区大会4位。そしてS君は昨年に続く県大会進出のみならずなんと地区大会初優勝を飾る結果に!私の両サイドから県大会進出が決まり、笹井君も笑いながら僕を見る。トホホであるがまあ良いとしよう。僕も今年は記録更新だ。

さて各地の代表と共に我が精鋭2名も参戦した県大会だが、利き酒する酒の数も増え、S原さんにおいては1回目で飲みすぎたようで2人とも惨敗。やはり県大会のレベルは高いようだ。まあでも2人とも満足な様子であり、私もなぜか満足である。

そうこうしているうちに料理とお酒も運ばれてきて、普段飲まない銘柄の酒を注ぎあいながらの宴会に突入。途中入賞者S原さんの表彰やS君の優勝セレモニーに続き、S君による乾杯の音頭もあり、宴も盛り上がりを見せる。

(竹本会長から賞状を授与されるS君)

S君がセレモニーの中で「酒の兄貴分」と話し、私に手を向けてくれたのには少々感動。できの良い弟を持つことは兄貴冥利につきるもんだ。表彰状をもらうのは中学生依頼をはしゃぐS原さんへも幸せな父の日を演出できたと勝手にご満悦な私は初の「利き酒初段」認定を受ける。来年こそは県大会、心意気を決め、最後にまたまた登場したS君の万歳三唱で宴も幕を下ろす。最後に笹井君と健闘をわかち合い、いや笑い合い、僕らは帰路に着いた。

さて翌日の朝刊に華々しいニュースが掲載された。なんと利き酒選手権開催の記事の写真中央に真剣な表情で利き酒をする私とS原さんの姿がでかでかと載り、しかも参加者のコメントとして私のコメントと名前が掲載された。違う意味での勲章である。来年は優勝者としてここに誰かが乗ることを誓い、酒飲みは酒飲みに精を出すのである。

(余談ですが。通っている料理教室の新聞記事に以前写真が掲載された我が嫁と合わせ、信濃毎日新聞夫婦で制覇の快挙達成である)

 


五月の振り返り

2012年06月05日 | Weblog

6月になりましたね。そろそろ梅雨時期。楽しい夏の前にいやな季節がやってきます。

さて5月の総まとめです。5月も色々なことがありました。

前にも書いたクラフトフェア松本。嫁さんと初めて出かけました。280人の作家が店を並べ、様々な工芸品を展示販売します。手作りの良さを様々なものを通して感じました。

その後ホーム居酒屋「風林火山」へ寄り道。嫁さんとここに2人でくるのは相当久しぶりということでかなりテンション高め。カウンターに座ってみれば目の前に店主タイソンが。そしてホールには今日限定復帰の奥様が。僕らがここに始めて通い始めた頃の風林火山がそこに。久々に居心地の良い時間。僕はタイソンと最近入籍を済ませた若大将と話を。嫁は奥様となにやら会話を。これが家族で親しめる居酒屋の姿である。

料理も美味かったぞ!「ラムだがら生で食える」とタイソンが薦めてきたラムスペアリブの鉄板焼き。甘くて臭みもなくジューシーで美味!

いったい何点盛り?と聞きたくなるハイレベル刺し盛に日本酒も進む。

(初めて飲んだ松尾の戸隠)

やはりホーム居酒屋は良い!

そして金管日食も観測成功。木漏れ日が作る駐車場の幻影が神秘的でした。写真は撮らず、記憶にフタをしたのであります。

家ではまたまた料理作りに熱を上げた週末。嫁さんの強い希望を受け、今年初の冷製パスタを作成。ガスエビの頭と殻を炒め、そこにアサリを投入し白ワインで蒸し揚げる。エビの殻からおいしいダシが出たところで網でこし、濃厚なアサリとエビのソースが完成。エビとイカを軽くボイルし皮を湯剥きしたトマトと合わせて冷やす。トマトは身と皮をミキサーにかけ、塩コショウで味付けしこちらも冷蔵庫で冷やす。カッペリー二が売ってなかったのでフェデリーニをアルデンテより長めに茹で、氷水でガチリと締める。よく冷えた上記ソースと具材をパスタと和えて完成。お好みでバルサミコを。

結果的にフェデリーニにしてよかったゴリゴリプリプリした食感。

 

嫁さん作成の2種類のピザと合わせて白ワインを頂きつつ、旭天鵬の涙の初優勝を祝った日曜日。

友人宅で初体験したたこ焼きパーティーにはまり、たこ焼き焼き器を購入し、3回ほど自宅でチャレンジ。毎回丸く大きくたこ焼きを作るスキルが向上している5月です。簡単で楽しい!

また私は所要で東京へ。帰りの電車までの1時間を利用して久々に「しょんべん横丁」へ。定番の「もつ焼きウッチャン」で極上ヤキトンとレバ刺し(食べれるんですよ!)をシャーベットホッピーで流し込み、最後に初めて酢豆腐を食べて特急あずさに飛び乗ったり。

(濃度の調整が難しいシャーベットホッピー)

(プリプリうまいレバ刺し)

(梅酢の酸味がさわやかな絶品酢豆腐)

(帰りの特急あずさから夕焼けが。ほんのり眠気が・・・)

そういえば月の初めには友人宅で今年初のBBQをしたり、翌日茶臼山動物園に遊びに行っり。信州の外遊びも本格的に開幕ですね!

(今年初のBBQは安曇野の友人宅の庭で開幕)

(子供がいるとほのぼのします)

(きりんは最高のファンサービスを)

(ここのアイドルは文句なしレッサーパンダ)

2012年5月も楽しく信州で過ごしましたとさ。


松本の5月は工芸の5月

2012年05月28日 | Weblog

5月の松本は工芸の月。日ごろから民芸家具や工芸に彩られる松本ではあるが、なぜそういう町になったかは歴史が深い。また別の機会で取り上げたいが、2人の名士が松本に工芸文化を根付かせたことで、松本の工芸文化は飛躍を経た。

5月末の土日にクラフトフェアという一大イベントが行われるのをフィナーレにし、5月になると松本のいたるところで工芸関連のイベントが行われる。展示会しかり、路上販売しかり。また数多くの飲食店やショップが工芸品を並べ、町全体でその温度を上げるのだ。

さて酒飲みの私にも工芸に触れられるイベントが開催されたので参加してみた。松本の上土という松本城の近くの町内にお洒落で歴史の古い三代澤酒店がある。そこに酒気を製作する作家の作品を集め、その酒器にお酒を入れて飲むというイベントだ。1時の開始時刻に合わせて早々と町へ出た我が夫婦。とある名店で昼食を(一番乗りで)取り、三代澤酒店にも開始時刻の前に到着。これまた一番乗りでチケットを買い入店。昨年改装された店内は広くスタイリッシュでありつつ落ち着く空気に満ちている。大きなテーブルにたくさんの酒気が並ぶ。

ガラス、陶器、土器、木製の漆器など。大きさも形もさまざま。お酒は入れ物で雰囲気と味や香りも変わる。素敵な演出である。ビンから注がれた酒は裸であり、その衣装となるのが酒器である。この中から気に入った酒器を選び、その中にお酒を入れてもらう。お酒は松本市内の5蔵がこのイベントのために別あしらえのラベルを張り提供されている。

大信州、善哉、亀田屋、笹の誉、岩波の5蔵の中から蔵人とも新興のある大好きな笹の誉を頂く。反勺で300円。実際片口についでもらうとかなりの量に感じる。これをもち日なたの席へ腰を下ろす。嫁さんは運転があるので甘酒(大信州の吟醸甘酒)をチョイス。酒関連のイベントや展示会用にギャラリー的なスペースもあり、そこが試飲ゾーンに割り当てられている。さっそく味見だが、普段使う酒器とはまた赴きも異なり、漆の質感も非常に高級感がある。香りも立ち、飲み口も良い。良い酒器はやはり素晴らしい。笹の誉も甘い香りとしっかりした味わいが期待以上だ。昼酒に酔いつつ、まわりのお客さんの会話につられて笑ったりしていると片口は空に。もう一杯とばかりに次は「大信州」をチョイス。こちらは少し辛口できりりとして旨い。最近甘酒に傾倒気味の嫁さんも七笑、木曽路、大信州の甘酒の質感や味わいの違いと語る。聞いていてとても興味深いものだ。

我がホーム居酒屋風林火山にも酒の飲めない梅酒通がいるが、何も日本酒やウイスキーやワインだけがうんちくを語れる酒ではないはず。甘酒評論家としての嫁の意見はなかなかなものである。

約1合の酒を味わい、もちろんその酒器の質感も味合わせて頂いた。もう少し飲むなら酒器を変えさせてもらい、同じ酒を飲み比べるのも楽しいだろう。

(僕の選んだ酒器)

(窓際に置いてみると、漆と酒の色の濃淡がうつくしい。酒を入れてこそ酒器である)

お酒と工芸。その間を取り持つ役目として酒器は最高の役者である。お酒屋さんができる工芸との係わり合い。そして酒飲みが関われる工芸との係わり合い。そして酒器はお酒を入れるものであることを考えると、このイベントは最高の掛け算がなされていると私は思う。酒飲みだけに使用が許される工芸品、それが酒器である。なんて勝手に哲学的なことをくだらなく考える昼下がりでした。


新潟 後半戦!

2012年05月21日 | Weblog

さて新潟旅行の後半戦です。僕らはホテルを出た後、のんべんだらりん歩いて、東中通りにある「TIOPEPE」へ向かう。前にも書いたが大学時代の友人が営む新潟で人気のスペイン料理店である。僕が大学時代にバイトしていた店のコックだった男がオーナーシェフ。その奥さんも同じ店でバイトしていた仲間であり、気心の知れた古い友人である。
今夜は僕の前に働いていた会社の仲の良い先輩夫婦もお招きし、更にこの店の奥さんも同席で7名で宴が始まる。久々に飲むヒューガルデンの生で乾杯!甘く香りの高いビールが乾いた喉にやさしく刺さる。うまし・・・ため息すら漏れる。
さて前菜はシェフが盛り合わせを準備してくれていた。

 

魚介のタルタル はまぐりオーブン焼き 田舎風パテ サーモンのクレープ巻き 魚介のライスサラダ寿司仕立て ワカサギのフリット)

毎度の事ながらレベルの高い料理に一同絶句。久々のうまい海の幸に声も上がる。たまらない・・・ビールを速攻飲み干して白ワインを頼む。と言ってもワインもお店任せ。ワインの知識向上が目覚しい女性スタッフが何本もお勧めを出してきてくれる。もちろん今日のために用意してくれたものもあり、普段飲めないレベルのワインだらけ。

(飲んだワイン 一部ですが)

どうせ何本も飲むのだからとお勧めのものから開けてもらい飲み進める。やはりたまに飲む良いワインはうまい。普段使いのワインとは香りと味の奥行きが違う。そして料理とワインがそれぞれを引き立たせる。
その後も続々とうまい料理が出てくる。そしてそれにあわせるかのようにワインが開いていく。

(かすべのソテー かすべなんて中々洋食で食べないよね)

(これは毛がにのカプチーノ仕立て 丼で飲みたい!)

女性スタッフの生まれ年のワインもあり記念にと開けてもらったら、残念ながら品質劣化で料理酒行き。残念だがワインも生き物。こういうことも受け入れなくてはいけない。
久々に顔を合わせることもあり、昔話や近況報告で笑いが起きる。やはり仲間が集うのは楽しい。世代も環境もそれぞれ異なるものの、やはりこういう場を楽しめるのは大人の特権だ。しこたまワインを空け、酔っ払い、日付が変わった後、お開きとなりホテルへ帰る。
ああ、満足の夜である。もみさん、その、いくちゃん、ありがとう!
さて翌朝朝食を取った我々は新潟市内にある水族館「マリンピア日本海」へ。ゴールデンウィークという事もあり子供連れで激込み。

(久々の水族館 やはり楽しい!)

新婚旅行の際にハワイで行ったワイキキ水族館以来の久々の水族館。久々にイルカショーも見れて満足し、僕らはまたしても食事の時間を向かえる。今日のランチは何にしよう?ということで向かったのは昨日の「まる嘉」のあるエリアへ。この辺は小さなしゃれた飲食店が多く、一度飲みに出かけてみたいエリアである。そのエリアで昨日から目をつけていた「中華カトウ」へ。優しい味付けの中華料理でなんとなく胃が休まる。飲んだ次の日はやはり汁物が欲しくなる。と言っても僕は炒飯を頼んだのだが。
その後TIOPEPEの奥さんお勧めの和菓子屋でお菓子を買い、新潟海産物珍味、日本酒を購入し、ようやく松本への帰路につく。
久々の新潟はやはりおいしいもので溢れていた。そして新潟で日本酒を飲めた今回は「ささ泉」との出会いもあり、イザケンとしても満足のいく結果を残せた。そして今度は「まる嘉」で酒を飲みながら寿司をつつくという課題もでき、再訪が今から楽しみである。
新潟で出会った皆さん。ありがとう!そして、また来るよ!


五月 新潟の陣

2012年05月16日 | Weblog

昨年2月に続き、ゴールデンウィーク後半を使い、イザケン仲間の夫婦と共に新潟へ小旅行を敢行した。朝早く松本を車で出て、途中まだ雪の残る山を眺め、久々の海に歓声をあげつつのんびり4時間で新潟へ。さあ、まずは昼ごはんだ!

新潟の友人から勧められた寿司屋を探し出し入店。その名は「まる嘉」。

噂どおり陽気な大将が握る絶品寿司に感動。江戸前と言えばよいのか、全ての寿司に手仕事がされており、一貫も醤油をつけずに食べさせるスタイルである。久々の絶品寿司に唸る中、僕の最大の感動は「アカイカ」。甘くねっとりした身に乗せられた柚子の香り塩が香ばしく旨い。程よい塩味がイカの甘みを何倍にも上品に引き立たせる。

上はアカイカ。下はうまずらはぎ(肝酒蒸しのせ)。

ウニも中トロもうまずらはぎ(肝の酒蒸し乗せ)もうまかった。そして大将のトークにもお腹一杯になった我々は一路日本海へ。と言っても車で5分。波の無い砂浜でうちの嫁さんが欲しかった流木を拾う。当初の予想に反し案外流木はごろごろと転がっており、スピーディーに回収完了。これで何をするかは後日談で触れよう。

さてそろそろホテルにチェックインできる時間。チェックインを済ませた我らは新潟の街中を散策。奥様達はデパートの化粧品売り場でなにやらメイクの研究に余念が無い。男は2人で酒売り場や食料品売り場を散策した後、庶民が買い物に出る、古町にある市場をぶらりとして回る。そしてここで男女別行動。奥様達は再度デパートへ。我らはせっかく新潟に来たのだからと夜の宴の前に日本酒を一杯ひっかけに行く。ネットと知人の評判を足し算して行き着けたのは「ささ泉」。新潟県の全酒蔵の酒を揃える日本酒酒場。

見よこのメニュー!驚愕の新潟全蔵制覇である!

開店と同時に入店し、店主とマンツーマン体勢で飲み、話す。さすがは酒蔵数日本一の新潟県。店主が選ぶ質の高い酒はいわゆる端麗辛口一辺倒ではなく、長野の酒にも似た甘い味わいも感じる。新潟県民は日本酒を良く飲むのかと思っていたら、酒離れの空気は濃いようで、県外に出て行く酒の割合がほとんどだという。日本酒消費量全国一の県という裏側には、お土産で購入して県外へ出る酒も含まれるそうで、実は消費量はそれほど高くないのだという。久保田、八海山、越の景虎、〆張鶴、越の寒梅などの銘酒は他県で売られることが多く、あまり県内では消費されない。ブランドとイメージが一人歩きしている模様で、なんだかさびしそうに話す店主だったが酒への情熱はすごい!知識も愛も溢れた素晴らしい店主だ。次があるので2人で2合だけ飲んで退散したが、次回はしっかり腰をすえて飲みたいものだ。つまみもうまそうなものが並び、まちがいなく良い店です、ささ泉!

旨かったぜ~巻機!

さて一旦ホテルへ戻り、大浴場で汗を流したら、新潟のメインイベントである、友人夫婦が営むスペインバル「TIOPEPE」へ向かわなくてはならない。でもその話は次項で。


春ですね

2012年04月16日 | Weblog

春ですね。ふるさと福岡は既に葉桜と聞きます。東京も既に桜は散る季節。我が信州はこれからが桜の季節なんです。信州は広く、北と南に寒暖差があるため、1ヶ月近い長期間桜を楽しむことができる県なのです。
さて春は桜の季節ですが旬の素材も出回ってきます。長く厳しい冬の越え、スーパーや道の駅にもたくさんの野菜が並び始めます。
さて最近食べたおいしいものを少しご紹介。まずは伊那谷で収穫されたアスパラガス!太いのが7本くらいの束になり150円。20センチ近くあるアスパラを半分に切り、ピーラーで筋を取ったらストーブ鍋を温めオリーブオイルを垂らし、そこにアスパラを並べて3分程度炒めます。そしたら塩、コショウをふりかけ、さらにパルメザンチーズを上にかけ、フタをして1分程度蒸し焼きに。こんがりほくほくにグリルされたアスパラのソテーが出来上がります。アスパラの料理市場最高の味わい。ゆでてもおいしいですがゆでることで大事な栄養素がお湯に逃げてしまいますがこれなら全てを吸収できるのです。


そして道の駅や物産展で仕入れてきた春野菜を天麩羅に。フキノトウ、新タマネギ、肉厚しいたけ、シシトウ、レンコン。そして富山からやってきた白エビと、地場のニンジンは細切りにしてかき揚げに。これを抹茶塩につけて食べるわけです。かぁぁぁぁ~日本酒に合う。今宵は薄井君の大雪渓純米吟醸と、その後は高山の友人からもらった山車の大吟醸を合わせます。
天麩羅を揚げる際の跳ね返りの油でしょうか、顔が多少べたつきますがさわやかな気分です。やはり春は良い!


これからたらの芽や新筍も出てきますし、おいしい初カツオ、ホタルイカなど、旬の食材が食卓に並びます。幸せな季節です。

そしてイチゴ狩りに出かけたりもして。普段フルーツを食べない僕は何年分かのイチゴを摂取するのです。紅ほっぺうまし!!
食料研究が進む現代。たいていの野菜や果物、そして海産物は養殖や近代農業の発展のおかげで一年中何時でも食べることができます。それはそれで幸せなことですが、旬の価値観がやや薄まるのも否定できません。一年中スーパーに並ぶ食材にも必ず旬の時期がある。その旬をしっかり感じて体に取り入れることで人間の体は内面から季節を感じ、季節の力を飲み込むものです。本やネットで情報を仕入れ、旬の素材を旬の時期に見つけ、おいしく食することを忘れてはいけません。食道楽はその辺も大切にしなくては。


城下町ほろ酔い散歩2012春

2012年04月09日 | Weblog

昨年秋に松本市内の日本酒居酒屋4軒が主催し開催した福島の酒を飲む素晴らしいイベント。その2回目が開催された。今回は風林火山の姉妹店も参加して5軒の居酒屋を舞台にし、参加する蔵も2蔵増えた10蔵になり、イベントの質量共に充実した内容だった。

(ばんざい家でスタート。女将の挨拶で開会です)
昼の12時から7時までゆっくり飲み歩いた全てをここに記す事はできないが、どの蔵のお酒も個性があり、季節柄フレッシュな味わいに心地好く酔う事ができた。朴訥な語らいが微笑ましい若い蔵人の語らいも楽しかったし、「この酒は人肌より少し熱いくらいの燗酒が最高」と飲み方まで薦めてくれる敏腕営業も素敵であった。

(やり手営業マンは手を止めず口も止めず。すばらしい)

そしてやはりなにより松本に美味い酒を持ってきてくれた事への感謝と、このイベントを実現させた居酒屋店主とスタッフに感謝である。

 


(厨十兵衛さんのおつまみプレートおそるべし)

(NOMDOSのプレートはNOMDOSらしく。各店の料理の切磋琢磨も醍醐味)

(最後はホーム風林火山で店主と語らい。こでらんに、旨し!)

と、気持ち良くイベントに参加し、一晩考えてみたがどうしても納得できないことがある。書くかどうか迷ったがやはり書いておきたい。とある居酒屋に入店。僕と相棒はテーブル席へ通される。イベントだし、席数も限られるから相席になることなんて問題ない。酒を頼み飲み始めて数分。店主が現れ席を立てと隣のテーブルのお客さんに継げる。みな好意的に席を立つ。どうやらテーブルの配置向きが逆だったようでテーブルの向きをぐるりと180度回転させた。続いて僕らのテーブルにも席を立てと、丁寧でもないが雑な言い方でもない口調で継げる。こちらも好意的に席を立ち、テーブルがぐるりと回転する様子を眺める。店主は二つのテーブルの間にはめ込み板を付けて、二つのテーブルを繋げて大きなテーブルに変身させ、次に入店してきたお客さんをそこに入れたかったのだ。そこに問題はなにもない。限らたスペースを活かして一人でも多く席に通す工夫だ。がその後が悪い。テーブルを回転させることで最初に置かれていた酒やおしぼりも回転しており、ぱっと見どれが誰の酒かわからない。が、店主はそれで自分の役目は終わったとばかりに厨房へ戻る。僕らは相
席のお客さんと確認しながら酒を入れ替えつつ、席を移動し、更には新しく入ってきたお客さんの席を案内する始末。店の都合で客を立たせてテーブルを動かす以上、お酒やおしぼりの管理ぐらい店がやるべきでは?おしぼりくらい新しいのを出し直しては?ありがとうの一言くらい言ってみては?イベントの中で納得いかない唯一の事だ。更に料理の提供も遅いようで、僕らより先に来ていたご夫婦の料理は、僕らが短い入店時間を終えて早めに店を出るまで届かず。マンパワーが無いのはわかるが、接客まで酒店の方に丸投げ。店主の気持ちも温度も何も伝わってこない。残念な店だ。この店にも寄らなきゃいけないかと思うと次のイベントへのモチベーションが霞む。相棒とも次回はこの店飛ばして回ろうかと話しもした。
僕はサラリーマンだが、昔飲食業を5年間経験している。だから理不尽なクレームはつけないが、おかしいことにおかしいと言うためのメガネは持っているつもりだ。
この文章を書き、ブログにアップするまでにもう少し考えた。考えたなりの結論であえて書く。関係各位に悪いとも思うが書く。
やはりよくして欲しいと思うがゆえの事であると理解して欲しい。
でも他の時間は非常に楽しかった。酒蔵のみなさん。居酒屋店主とスタッフに感謝とお疲れ様の言葉を送りたいと思います。そして三回目待ってます!


久々に考える 我が町松本の居酒屋

2012年04月05日 | Weblog

松本へ来て5年。松本だけではなく信州と言う地域にずいぶん詳しくなったものだ。友人もたくさん増えたし、いろんな行事に参加し、信州の素晴らしさに触れた。そして何より松本にたくさんの行きつけの店ができたことがうれしい。
そこで今回は久々に松本の僕のお気に入りを評してみたい。賛否両論あるでしょう。これはあくまでも僕(少し嫁さんの)の嗜好と感性を文章にしただけのものです。その辺あしからず。

風林火山
大衆酒場のなんたるかを具現化している姿勢が素敵。松本の大切な店である。僕が松本と言う土地を愛せた土台はこの店に起因することが多い。この先10年後、20年後、風林火山がどのように松本の空気になっているかが今から楽しみである。というのも店主も理解しているだろうが、都会の大衆酒場のレベルにはまだ達していない。店主も知る「あのレベル」に達するには歴史と言うエッセンスが必要不可欠である。それは時間というものでしか作りようが無い。
信州と言う土地で醸される日本酒の価値を高めるための大役を担うポジションにいる事実に、店主自らが気付いてないのが笑えるが、間違いなく松本のこれからの酒文化の中心にあるべき店である。

サラリーマン
常連だけで成り立つという飲食店の王道であり理想像を見せ付ける名店。料理も酒も決して飾らない、いつも変わらぬ姿がここにはある。
毎日通っても苦にならない空気と価格帯。これぞ実は今時点の松本大衆酒場の最高峰かもしれない。
女将さんが一心不乱に焼くなんてことない焼き鳥はその辺の焼き鳥屋をしのぐ味わい。そして我ら松本イザケン認定の「松本一うまいモツ煮込」を出す店である。
こういう店をばかにしちゃいけない!人は、店は歴史なり!

そらのかなた
ここを飲み屋のカテゴリーに入れて良いのか迷うが、お酒を置く以上仕方ない。割烹というか小料理屋というか…ジャンルはわからないがここは松本屈指の名店であることに変わりない。
飲食業がサービス業である以上、いろんな意味で最高のサービスが提供できている数少ない名店である。料理、酒、器、空気どれをとっても満足できる。ここにくるとそれを感じる。居心地という言葉の意味を考える時、松本で外せない店である。


エイトオンス
松本にある飲食店の中で、東京に出しても恥ずかしくないレベルの店と言えば間違いなくここである。平出酒店が経営する立ち飲み屋であるが、この完成度はプライスレスである。
テーブルに置かれるスパイス、メニュー、お箸などの調度品の計算された無駄の無さと完成度は絶対真似できないレベルであり、松本唯一であり屈指のハイセンス。エイトオンスの魅力は低価格という点に当てられがちだが、それは違う。そのたたずまいこそが存在価値なのである。


以上が僕の好きな松本の飲み屋の代表格です。他にも素晴らしい店はあります。日本酒へのこだわりは松本屈指「厨十兵衛」。日本酒とフレンチの自然な融合「NOMDOS」。松本でモツを食すならここ「谷椿」などなど。まだ訪問したことのない名店もあるでしょう。
あと何年この町で暮らせるかはわからないけど、それまでに何度も通いたい店ができた幸運をこの先も味わいたいと思うのであった。