abeckham-izakaya new

日本の、東京の居酒屋巡りをお届けしてきたブログ・・
信州への転居に伴い、内容も一新してリニューアル!!

お湯割り解禁

2011年09月20日 | Weblog

 

出張で都内へ。今日は池袋へ泊まることに。学生時代から池袋には縁遠く、なかなか遊びに行くこともなく、未だに待ちのことはよくわからない。が、良さそうな店はすぐに見つかった。池袋駅西口から徒歩3分。怪しい繁華街の真中に「豊田屋」はある。

長いカウンターと10卓以上はあるテーブルがほぼ満席で、サラリーマンの笑い声と、店員の掛け声がぐわんぐわんと木霊する良い雰囲気だ。

さてホッピーを注文し、名物ヤキトンの中から「タン」「ナンコツ」を塩で注文。揚物も欲するがカロリーを考えて「タマネギフライ」を注文した。

ホッピーを呑みながら店の中を眺めると、入れ替わり立ち代るお客さんで常に満席状態。僕の座るカウンターもぎっしりだ。

目の前で若者が一生懸命焼くヤキトンに程よいコゲがまとわれた所で僕の前へ提供された。

「ナンコツ」はコリコリしているが肉も程よく付いていて美味い。「タン」もゴリゴリと分厚く、肉の旨味がじわりと染み出てくる。七味唐辛子をかけて口に運ぶたびホッピーがさらりと喉にすがすがしい。瞬く間に追加の中身を注文することに。

熱々の「タマネギフライ」に添えられたケチャップを付けてガブリ。甘みが滲み出てきてこれも美味い。タマネギの成分で血液をサラサラにしつつ、油で中和するなんとも不思議は料理であるが、僕の好きな揚物の1つだ。

さて追加で「焼き鯖」「カシラ」を注文し、お酒は芋焼酎のお湯割りに変更だ。外は残暑で蒸し暑いが、店内は一連の電力制限が解かれてためかギンギンに冷えている。今年のお湯割り解禁は今日となる。芋の香りが解け出た甘い湯気が立ち、焼酎の辛味と芋の甘味が同時に口の中に広がり、優しく血液に解けていく。やはり焼酎はお湯割りである。濃い目に作られているの酒飲みにはもうれしい配慮だ。

さて「焼き鯖」は脂が乗り、皮もパリパリでご飯が欲しくなるほどだ。焼き魚で酒を飲む喜びは大人でないとわからない。若い頃は考えられなかった組み合わせである。「カシラ」にはカラシを付けてがぶりとかぶりつくと旨味と脂が口の中で混ざり合い「肉食べてる!」という実感が脳漿に湧いてくるのだ。ヤキトンの醍醐味は歯ごたえと脂である!

ああ、大衆酒場はやはり良い。仕事を忘れて1人でカウンターに向かう時間があるからこそ、毎日の仕事に集中できるってぇもんだ。嫁さんには悪いが、これは働く男にとって大事なひと時なのである。

さて心地よい酔いが体に回り、これ以上呑むと腰を据えたくなるかだるくなってしまう。良いところで切り上げるのも一人飲みの極意だ。適度に適度に、である。

会計を済ませて店の外に出ると、池袋の町は相変わらずの雑踏である。景気が悪いのすら感じられない活気が溢れ、ギラギラした欲望の熱みたいなものに少しうんざりもする。

そういう楽しみには興味がない僕はホテルを目指して歩き出すのであった。


夏の終わりに

2011年09月10日 | Weblog

 

夏も終わりが近いのか、信州松本は朝晩は窓を開けて寝ることが難しい気候になってきました。去年ほどではないにしても、暑い夏でしたね。今年は例年よりビールをよく飲みました。BBQをしたり、友達が集ったりすると、普段よりビールの量が増えます。

ビールにはやはり枝豆です。新潟にいる友人から毎年新潟の茶マメが送られてきます。けっこう大量にね。これがまた美味いんです。丁寧に一房づつハサミで切りとり、更に房の両端をパチリとカットし、水で洗ったあと、塩でかるくゴリゴリとモミ洗い。

少ないお湯をストーブ鍋に沸かし、その中に枝豆を投入!3分程度で硬めに仕上げてザルにあげ、塩を振って熱々を食べるのです。もちろん大量に茹でるので一日では食べきれません。そうなると残りは冷蔵庫へ。一日たって若干柔らかくなり、味の落ち着いた枝豆もこれはこれで美味いんです。

さて今年の夏にはまった食べ物が2つあります。まず1つ目は豆腐です。僕はもともと豆腐好き。家でも外でも飲みに出るとよく豆腐を食べます。冷奴はもちろん、湯豆腐、鳥豆腐、揚げ出し豆腐など、豆腐は最高のツマミの1つです。

しかし今年とある映画を見て以来、何もかけずに豆腐を食べることへの価値を見出しました。安曇野の友人宅の庭で夕方にBBQをしていたら、遠くから豆腐屋のラッパの音が。おじさんが乗る自転車を発見し、大声で呼び止め、走っておじさんの元へ。普通我が家では僕の趣向に合わせて木綿豆腐を買うのだが、友人の勧めで今回は絹ごしを購入。すぐさま包丁でカットし、醤油も何もつけずに口の中へ。甘くて豆の香が凝縮された豆腐の味に思わず意識が・・・絹ごしなのに木綿並みの硬さであり、しかし口どけと上品さは絹ごし。これは素晴らしい豆腐だ。それ以来、道の駅で豆腐を買っては、家で何もかけずに食べる習慣が身についた。少し味をつけるなら醤油よりも塩がオススメ。ぜひおいしい豆腐を買ってお試しあれ。

そしてもう1つが「ズッキーニのラッキョ酢和え」だ。ズッキーニって知り合いからけっこうな頻度でもらうんですが、意外と家庭で食べる機会がなく、しかもでかいズッキーニが多いんで腐らせてしまうことも多々ありました。しかしさっきの安曇野の友人の奥さんが作ってくれたこの「ズッキーニのラッキョ酢和え」に出会ってからは、我が家に常にズッキーニが在庫されることに!レシピは簡単。大きな(別に普通サイズでもOK)ズッキーニを5mm程度の厚さにカット。そしたら熱してないフライパンにシーチキンを1缶投入して火をつけます。ジュワジュワ音がしてきたらズッキーニを投入!シーチキンの油でズッキーニを炒めると、じわじわ水分が出てきますが、ここでラッキョ酢を投入!ズッキーニが蒸れて柔らかくなります。ラッキョ酢はラッキョウを漬ける際に使用する味のついた液体。ラッキョウをつけるシーズンにしか店にならばないため、購入できないようなら甘酢を作って代用可能。我が家ではラッキョ酢にお酢を足して使用している。

3分程度軽く炒めたところで調理は終了。味付けはラッキョ酢のみ。塩味はシーチキンから拝借する減塩メニューでもあります。

これが甘くてすっぱくておいしいのなんのって、これまたビールとよく合うなんてレベルではないのです。やばいんです。あぁ、食べたくなった・・・

ビールが特においしい季節もそろそろ終わります。店頭には秋味が並び始めました。さあもうすぐ秋。夏に勝る美食のシーズン開幕です。冷酒から熱燗へのシフトもそろそろですね。さあ、秋を迎えにいきましょう!