ひまわりと天秤

かつては法曹を目指したけれど、今は世界を飛び回り活躍する
ビジネスマンを目指している人のブログ

山口県光市母子殺害事件

2007年07月01日 | その他
山口県光市母子殺害事件の第2回公判が先日終了した。
誰もが知っているとおり、この事件の残虐さ、非道さは筆舌に尽くしがたい。

被害者の夫であり、父でもある本村さんは公判には欠かさず傍聴し
積極的に裁判に関わろうとする。
裁判に対するコメントからも
本村さんの怒り、悲しみ、憎しみ、というのが真摯に伝わってくる。
妻と子供を殺された被害者の叫びというのがよく伝わってくる。
個人的にも被害者側に立って、事件を見てしまおうとする。


一方、このような被害者の側の悲しみ・怒りに対して、被告人は今までの供述を翻し通常ありえないような供述を行なっている。
この被告人の行動は、弁護団が被告人のそれまでの境遇とも照らし合わせて
このような犯行に及んだのは致しかたなかったと思わせるためであり、量刑を軽くさせるための手段である。
これは弁護団がシナリオを作り被告人に演じさせていると見られても仕方がないし、実際そうであろうと思う。

この弁護団については当然非難がある。
残忍な事件を引き起こした被告人には厳罰を与えるのが当然であるという国民感情
に加え、被告人に反省が無いこと、量刑を少しでも軽くするという意図がみえみえであるからよりいっそう非難がでる。

個人的には弁護団の行為は弁護人として仕事を受けた以上、たとえ被告人が真犯人であったとしても、依頼人の利益を守るため最大限の努力はすべきであると思うので、たとえそれまでの態度と異なったことをするとしてもそれによって被告人の利益となるのであれば、行うべきであると思っている。
なぜなら、それが職務だから。
 
けれど、今回の事件に限って言えば、弁護団が依頼人の利益もさることながら、弁護人団の一定のイデオロギー的な価値、思想を守るための裁判となっているというのではないか。
すなわち、死刑廃止のイデオロギー的価値観をこの裁判を通じて守ろうとしているという気がしてならないのだ。
 このような残虐非道な事件で、被告人が罪を認めて、なおかつ反省していないといった状況で、どうして被告人の弁護をしようと思って21人の弁護団がつくのだろうか?
 被告人の勝手な欲望が引き起こした残虐非道な事件であって、そこには何の公益的価値も見出せない。なのにこのように被告人がわに21人の弁護団がつくのであるから、別の目的があるのではないかと考えてしまう。
それが恐らく彼等が信奉している死刑廃止ではないかと思う。

これらは全くの私見である。

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3 コメント

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法曹倫理とは?? (玉子)
2007-07-01 23:41:40
1審、控訴審・・・と終始一貫して死刑判決が下されなかったことの最大の理由が「少年である被告人の更生の可能性」と「不十分ながらも芽生えている反省の念」だったことからすると、
怒りすら覚えるような今回の弁護団の方針転換・主張は失当ではないかと思う。死刑回避どころか却って死刑に近づけることになるのでは。

今回の弁護側の主張には嫌悪感を覚えると繰り返し言った上で、
でも死刑廃止論者21人による弁護団結成行為自体については僕はたとえそれを死刑廃止のプロパガンダに用いる目的であったとしても、好意的に評価したいと思う。
お金儲けにしか全く興味のない渉外専門の弁護士もいるのだから。何事も全く無関心の態度でいること、傍観者になることが一番良くないと思う。
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簡単に。 (nobu)
2007-07-02 18:32:31
言いたいこと、すべてみなさんが書かれているので
僕はもう簡潔に。。。
上記にもありますが、
僕の目からも、あの21人の弁護団は
「事件、強いては被告人を利用して
 自らの主義・思想の実現を目指しているに過ぎない」
ただそれだけなんじゃないかと。

何を思おうが、考えようが勝手といえば勝手でしょうが
一般常識的に、社会の一員としてあのような行動はねぇ~。。。
少なくとも将来あの弁護団のような弁護士には
なりたくないというのが僕の本音であります。

ご遺族が会見の場でおっしゃった、
「彼(加害者)のような人間を裁けないならば
 司法はいらない、そう思います」
というフレーズ。
これにものすごく考えさせられる今日この頃。
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重い話題にありがとうございます (noriji)
2007-07-02 21:55:21
おっしゃるとおり、被告人を利用して、自らの主義・主張を公にしらしめるという手法はあってはならない。
被害者が実際にいるのに、その遺族もいるのに
社会正義を実現するはずの弁護士が私利のために動いてはならない。
改めてそう思わせられる。
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