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アポリネール 『白い雪』

2011-01-25 07:02:06 | フランス詩 試訳
モニエというハンドルネームを使っています。それはアポリネールにまつわるこんなエピソードにちなんでつけました。
第1次大戦後のパリ,「書物の友」という書店にルイ・アラゴンやアンドレ・ブルトン,フィリップ・スーポーらがしばしば訪れていた。ヴァレリーの『テスト氏との一夜』は,当時この店でしか買えなかったからであるが,詩人のたまり場のような店でもあったのだ。あるとき前線から頭部を負傷して帰還してきたアポリネールが,この店のショーウィンドーをまるで探し物をするかのように眺めていた。そして一旦は立ち去るのだが,戻ってきて店の中に入ってきていきなりこう言った。「戦士の本が一冊もないのはひどいじゃないか」と。店主は,落ち着いた口調で,「『アルコール』がないのは,置いてないのではなくて,売れてしまったからで,また仕入れる予定なのだ」と言った。さらに,それは戦士の詩集としてではなく詩人としてのアポリネールの詩集だからだ,とも。店主はブルトンからアポリネールのことをたびたび聞かされて,よく知っていたのである。そして,その会話をきっかけに二人はすっかり仲良しになったと。
その店主の名前がアドリエンヌ・モニエ。Adrienne Monnier


La blanche neige


Les anges les anges dans le ciel
L'un est ve^tu en officier
L'un est ve^tu en cuisinier
Et les autres chantent

Bel officier couleur du ciel
Le doux printemps longtemps apres Noël
Te medaillera d'un beau soleil
   D'un beau soleil

Le cuisinier plume les oies
   Ah! tombe neige
   Tombe et que n'ai-je
Ma bien-aime´e entre mes bras





白い雪

天使よ 天使よ 空の天使たち
あるものは将校の服を着て
あるものは料理人の服を着て
他の者たちはうたを歌う

空色の立派な将校
クリスマスから何日も経ってやさしい春が
おまえに輝く太陽の勲章を授けるだろう
    輝く太陽の

料理人はガチョウの羽をむしる
    ああ 雪が降る
    雪が降る それなのになぜ私の腕の中に
私の愛する人はいないのか

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