さえら

Çà et là
フランス語で「あちらこちら」
テーマもあちらこちらに

紅葉と美術館

2010-11-21 03:11:41 | 美術展



箱根ポーラ美術館で開催中の『アンリ・ルソー展』へ行ってきました。
18点ものルソーの作品の他,アポリネールの詩なども展示されていて
なかなか充実していました。

また常設展も名品ぞろい,さらに工芸部門,化粧道具コレクションと
さすが所蔵品9000点という美術館です。

写真に写っている入り口からまず階下へ。
広い空間と中央にエスカレーターのある多層階になっていて,
まずそこでチケットをもぎってもらいさらに階下へいくと展示室。
さらに階下へ行くと常設展・・・だったかしら?
どの階も雰囲気が似ているので,帰りに集合場所を探して
また迷子になってしまいました


昼食はバスで移動して宮の下 富士屋ホテルへ。
メインダイニング50周年記念メニュー

コンソメが美味しい。
コンソメは肉や野菜を水から煮立て,沸騰させないようにじっくりと
じっくりと時間をかけて,そうしてやっと澄んだ美味しいスープができあがる。
とても手間のかかる料理だから,いまどきこんな風に本格的に作った
コンソメを出してくれるお店はめったにありません。
貴重なスープですね。

メインは箱根豚を使った料理。

また開業以来変わらぬ味という「ビーフカレー」も
マイルドで深みがあってとても美味しかったです。

老舗ホテルならではのメニューでした。

紅葉

2010-11-14 21:56:48 | フランス詩 試訳
秋も深まり,都会の樹木も次第に赤褐色に染まってきました。
今日のフランス詩は,ヴェルレーヌ。


Chanson d’Automne       秋の歌

  Paul Verlaine         ポール・ヴェルレーヌ


Les sanglots longs      遠くすすり泣く
Des violons          ヴィオロンのやうに
De l'automne         秋の風が
Blessent mon coeur      僕の心を傷つける
D'une langueur          重く
Monotone.           単調に。

Tout suffocnat        とても息ぐるしく
Et ble^me, quand       青ざめる
Sonne l'heure,        鐘が鳴り響き
Je me souviens         僕は思ひ出す
Des jours anciens       過ぎし日々を
Et je pleure ;        そして僕は涙する。

Et je m'en vais        そして僕は立ち去る
Au vent mauvais        荒れる風に吹かれ
Qui m'emporte         僕は運ばれる
Deca` , dela`,        あちらへ,こちらへ
Pareil a` la          それはまるで
Feuille morte.        枯葉



ヴァイオリンの調べのような秋の風が,心の奥にしまっておいた深い悲しみを再び思い出させ、時を告げる鐘の音が私の心を過去へと導く。あのころは幸せに満ち足りた日々だったが、それは2度と戻らない。その頃を想い涙を流すことしかできない、その悲しさ。今の自分は風に舞う枯葉のようにあてどなく歩く。
この悲しさの最終行,最終の単語はmorte 死。