よろずのモノ語り(『近代建築撮影日記』別館)

近代建築以外のよろずのモノを
あまたに綴ります。

岩波写真文庫のこと

2011年11月13日 01時44分48秒 | カメラ・写真

写真をやっている者にとって「岩波写真文庫」の撮り方・見せ方は大いに参考になります。
さらに、学術研究者にも参考になるだけの質を保っています。流石は岩波。

1950年代における世の中のありとあらゆる物を被写体として、全286冊。
B6判64頁の小さな本に約200枚の写真を詰め込んだ濃密な内容で、当時の定価は100円でした。

写真を芸術作品として見せるのではなく、
物事の在りのままの姿をあらゆる角度から淡々と見せてくれます。
写真本来の役割を再確認させてくれるシリーズです。

オールモノクロながら、安易なカラー写真より綺麗だと思うのは私だけではないでしょう。

普通の写真集は大きくて邪魔になりますが、
小さくて薄いこのシリーズは何冊でも所有することが出来ますね。

さて、この岩波写真文庫の中に各都道府県の新風土記と云うシリーズがあるのですが、先ごろの「神田古本まつり」で復刻ワイド版の全揃いを達成しました。初めて手にしたのは1992年頃だったから、かれこれ20年かかってやっとです。
しばらくの間、最後の千葉県だけ小さい旧版だったのが、全て復刻ワイド版で揃うと、本棚に並べ甲斐もありますね。

この都道府県のシリーズは、近代建築や町並みの当時の姿を知る貴重な資料になります。


-関連-
古本寅の子文庫の通販ページに全286冊が表紙写真付きで紹介されています。
※お薦め本赤瀬川原平『戦後腹ぺこ時代のシャッター音―岩波写真文庫再発見』



最新の画像もっと見る

コメントを投稿