近代建築撮影日記

日本全国の近代建築を
大判カメラ、一眼レフ、デジカメなどで
撮影した写真で紹介していきます

最新情報

2201-10-10 00:00:00 | 最新情報
2018/3/10更新
『さよなら『ヤマトヤシキ』』新規投稿しました。

2018/2/6更新
『震災前の神戸 その1』に2018年撮影の写真を追加しました。
『震災前の神戸 その2』に2018年撮影の写真を追加しました。
『震災前の神戸 その3』に2018年撮影の写真を追加しました。

2017/12/26更新
『網干の近代建築 2017』写真を追加しました。

2017/12/25更新
『網干の町家と街並 2017』写真を追加しました。

2017/12/24更新
『旧水井家住宅(姫路市網干区)』新規投稿しました。
『旧山本家住宅 2017』新規投稿しました。

2017/12
/20更新
『姫路の近代建築 2017』新規投稿しました。
『網干の町家と街並 2017』新規投稿しました。

2017/12
/17更新
網干の近代建築 2017新規投稿しました。

2017/12
/11更新
『建築の垂直線を平行に撮影するということ(アオリ操作とデジタル補正)新規投稿しました。

2017/12
/10更新
『旧 日本セルロイド人造絹糸 外国人技師住宅(ダイセル異人館)新規投稿しました。

2017/12
/5更新
『Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mount【その2】(まるでシノゴとジナーズームで撮影しているようだ!の巻)新規投稿しました。

2017/12
/4更新
『Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mount【その1】(アオリ操作をせずにアオリ効果を得る!の巻)新規投稿しました。



・ブログ未出のストック写真もありますので、取り上げてほしい街や物件がありましたら、コメントからリクエストください。

・画像の著作権は『近代建築撮影日記』のブログ主に帰属します。無断使用はご遠慮ください。 


・画像使用ご希望の場合はメッセージメッセージを送るよりご連絡ください。




白水社の連載・エッセイ 今尾恵介『日本を定点観測する』
「第11回 大正時代に出現した田園の遊廓 ─ 名古屋・中村」
で当ブログが参照されました。
今尾恵介先生の目に止まるとは光栄です。

そして、この連載が
地図で読む昭和の日本 定点観測でたどる街の風景
という題名で単行本化されました。

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はじめに

2199-10-09 00:00:00 | はじめに

※このページが常にトップとなります。本文は下にスクロールしてご覧ください。

ご覧いただきありがとうございます。

このブログは、私が1992年頃から撮り集めた写真で、近代建築を紹介していくものです。

基本的に最近撮影した物件を紹介しますが、過去撮影写真、コレクションの古絵葉書や古写真があれば同時掲載します。

カメラ・レンズなど、撮影機材についての記述もしていますので、カメラに興味のある方もご覧になってください。

それなりに資料として使えるように建築データ、撮影データを記しています。

【データの見方】

1.物件名
創建時の名称が基本ですが、不明な場合は確認できた範囲内で最も古いと思われる名称で表示しています。現在名と異なる場合は頭に旧をつけています。

2.物件データ
(設計者/竣工年/建築構造/備考;文化財指定など)
竣工年略号;明治(M)、大正(T)、昭和(S)
建築構造略号;鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)、鉄筋コンクリート(RC)

※物件データの後に写真が入ります。

3.撮影データ
a.大判カメラの場合
(撮影データ;カメラ名・レンズ名・フォーマット・シャッタースピード・絞り・アオリの種類)
b.大判以外のカメラ
(カメラ;カメラ名)

4.撮影日
日記の最初に表示しますが、過去の写真に関してはカメラ名の後に撮影日を表記します。
投稿後に撮影した写真を追加した場合も、カメラ名の後に撮影日を表記します。

尚、2010/5/23以降はすべての写真の撮影データに、撮影日を入れるようにしました。


※表題写真は愛機「EBONY SW45」の初撮影時の写真です。
(カメラ;PENTAX KX・SMCタクマー28mm F3.5+マウントアダプター・2008/12/7撮影)


では、本文をごゆっくりご覧ください。

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さよなら『ヤマトヤシキ』

2018-03-10 18:20:20 | 近畿

2018年2月28日、ついにその日が来てしまった。
全国的に見ても閉店相次ぐ地方老舗百貨店が、また一つなくなった。

『ヤマトヤシキ』は姫路中心市街地の象徴的存在だったが、時代の流れには逆らえず閉店。
店内改装などのテコ入れをしていたのに、いきなりの閉店発表だった。

戦後竣工ながら貴重な村野藤吾設計の百貨店建築が無くなるのは惜しい。
2月某日、最後の姿を見ておくためにカメラを持って姫路に出かけた。


使用カメラ・レンズ
1.SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount 2017.12撮影(印なし)
2.SONY α7・FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS(★印)


旧やまとやしき(現ヤマトヤシキ姫路店)
(村野藤吾/S26・以後増築あり/SRC8/文化財指定なし)

姫路城をバックに



大きな塔屋が特徴的だ


大手前通り側、南西から見た全景


塔屋の窓枠には粋なデザインがある。



壁面はパネルで覆ってあり、建築当初のものではない


御幸通り側、南東から見上げると建築当初の壁面が見える


右の低い所が第一期工事部分


神戸新聞に掲載された第一期竣工当時の写真と見比べると、窓枠や壁面目地のデザインに当時の物が遺っている。

そして上の高い所がおそらく第二期工事部分。壁面目地デザインが第一期工事部分に合わせてある



御幸通りを東に抜けて見る



竣工時の壁面が遺る部分。増築を重ねたせいか、複雑な構造になっている



御幸通り南側入り口



御幸通り北側入り口



大手前通り側北の壁面


大手前通り北側入り口



大手前通り南側入り口の回転扉



大手前通り側南端の看板



大手前通り側南の壁面


御幸通り南側入り口の看板



案外、あっさりした文面



子供のころは入店すると天井が眩しく感じた



エレベーター



旧ロゴが入ったエスカレーターの調度品



店内の様子



8階食堂街エスカレーター壁面装飾



8階食堂街柱装飾タイル



8階食堂街柱装飾パネル



8階食堂街窓枠、ヤマトヤシキの頭文字Yを模っているようだ


かつては大食堂だったはずなので、これらの装飾は近年の改装によると思われる。だとすると、村野さんのデザインではないのか・・

屋上出入口、塔屋の窓枠デザインと同じだ


かつては屋上で観賞魚を販売していた。

大手前通りの整備が進むが、その完了を待たずに町の顔ともいえるヤマトヤシキは閉店する

名残惜しいが、これでお別れだ

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旧水井家住宅(姫路市網干区)

2017-12-24 16:08:18 | 近畿

「網干ロマン街道めぐり」で内部公開されていた旧水井家住宅 をご紹介する。
こちらは純和風建築だが内部を見ると、すぐ近くにあり先に建った山本家の影響を受けているように思う。


使用カメラ・レンズ;SONY α7・Ai NIKKOR 20mm f3.5S・2017.11撮影


旧水井家住宅
(不詳/T11/木2/姫路市都市景観重要建築物等)

【外観】
全景

戦前には材木問屋であったという。

少し引いて全景

道路付け替えで、向かい側の街並が失われたのが残念だが旧水井家住宅は上質な建築だ。
左奥電柱の向こうに山本家の望楼が見える。

ちなみに、この空き地には染物屋と土蔵があった。

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)
古い写真を整理するまで、染物屋のことはすっかり忘れていた。

土蔵


主屋





内玄関


応接間窓台の格子


前庭から裏庭への入り口扉


【内部】
中玄関の梁


表玄関より南西向きに応接間、前室、客間10畳


客間10畳西面


客間10畳仏壇上の欄間


客間10畳北西面

客間10畳北の縁側


客間10畳南面欄間


客間15畳北西面


客間15畳西面


客間15畳脇床

立派な花頭窓(火灯窓)がある。

同上


客間15畳床天井

客間15畳南の縁側


同上


縁側南西角の床


縁側南西角の天井


洗面台

タイル張りは先に建った山本家の影響を受けているのかも入れない。

階段


土蔵への入り口?

位置的に見て表の土蔵に通じる出入り口かと思われる。

客用浴室

山本家のように大理石というわけにはいかないが、当時としては立派のものだと思う。

客用浴室天井

天井は中央が高くなり、湯気抜きがある。


※表題写真のみ 使用カメラ・レンズ;SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount・2017.12撮影


【余談ですが、カメラ・レンズのはなし】
Ai NIKKOR 20mm f3.5Sは1982年発売。設計は1979年発売の非Sタイプレンズと同様で古いレンズだ。
今回掲載した写真からも分かると思うが、直線で構成された和室内部を撮影すると単焦点レンズと云えども収差が目立つ。
特に、座敷を真正面から写した写真に樽型収差が確認できる。

Ai NIKKOR 20mm f3.5Sで山本家・水井家を撮影後すぐに
Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mountを購入したのはそういう事情だ。

更に、SONY Eマウントのフルサイズ化は設計上無理をしているので、
周辺部が蹴られないようにイメージセンサーを少し歪曲させてあるという怪情報もある。
すなわち、専用に設計されたレンズでないと歪んでしまうというのだ。
これは、通販サイトか何かの口コミに書き込まれていた内容なので信ぴょう性に問題があるが、
Eマウント専用のレンズを選んだ理由でもある。

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旧山本家住宅 2017

2017-12-24 01:47:32 | 近畿

「網干ロマン街道めぐり」とVoigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL IIIの試写で再撮影した旧山本家住宅の画像。
前回の画像はSONY α7のオートホワイトバランスの微調整設定が一番右(赤味をプラス)になっていて色がおかしかったので再撮影したという事情もある。
そもそも、そんな設定の存在も知らず触った覚えもなっかったので、SONYのカメラは色の味付けがおかしいと思っていた。
結局1年近く設定が狂っていることに気付くことが出来ず、その間、色がおかしい故にα7は殆ど使っていなかった。

※前回の記事はこちら
『旧山本家住宅(姫路市網干区興浜)その1』
『旧山本家住宅(姫路市網干区興浜)その2』


使用カメラ・レンズ
1.SONY α7・Ai NIKKOR 20mm f3.5S・2017.11撮影(★印)
2.SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount・2017.12撮影(印なし)


【外観】
道路から見た外観(北西より見る)

右側町家は主屋。

道路から見た外観(北より見る)


道路から見た外観(北東より見る)


正門裏手建仁寺垣



洋館玄関前敷石


少し曲面になっているのは擦り減ったのではない。手間を掛けて加工している。

洋館玄関唐破風

銅張の唐破風。洋館とはいうものの、和風の要素が多い建築だ。
洋風の要素は、玄関扉、下見板、鎧戸くらいでむしろ少ない。

洋館正面見上げ



洋館左側面見上げ(東より見る)



洋館裏ステンドグラス



離れ和館北面


窓格子も手間を掛けたいい仕事だ。

離れ和館と洋館裏面(南東より見る)


屋根は寺の本堂のようだ。

庭園



【洋館一階内部】
玄関床

大理石のモザイク。

玄関天井

漆喰装飾。

応接室前廊下天井

また漆喰。

応接室北東面

ボロになっているが、重くて高級そうなカーテンが印象的だ。

応接室天井


漆喰装飾が美しい。灯具も素晴らしい。

応接室南東面


応接室南面暖炉


大理石。

応接室北面床・壁

凝った文様の寄せ木張りの床が素晴しい。

応接室西面壁

独特な木目の楓の板材。

書斎前廊下

レッドカーペットに隠れているが、床は寄せ木張りだ。

書斎前廊下天井



書斎北東面


書斎東面ステンドグラス

曲芸のような意匠が面白い。

書斎北面本棚

机とセットになった意匠。

書斎南面ステンドグラス

燕、鶏頭、桔梗など初夏を思わせる意匠だ。

書斎西面鏡台


書斎南面机



書斎西面ドアノブ


書斎天井

漆喰装飾が細かい。

金庫室西面

床は近年の張替え。床(トコ)があるので畳の間だった可能性も考えられるが、どうだったのだろうか?

南廊下硝子窓から離れ和館を見る

硝子一枚一枚に面取りがある。単なる板硝子ではない。

南廊下(西より見る)

天井の曲面が素晴しい。

【付属屋・離れ和館内部】
便所前廊下

窓の組子が軽快なリズムを奏でる。便所前の廊下も手抜きがない。

便所北西面

便所といえどもおしゃれな灯具。

便所南面

大理石の下駄??

浴室横廊下(右に浴室、奥に洗面室)

どこかの温泉旅館で似たような天井を観たことがある。

浴室横廊下天井ステンドグラス



更衣室

近年まで実際に使用していたのだろう。窓と壁は入れ替えられている。

更衣室天井


浴室


浴槽

大理石だ。

浴室天井


洗面室南西面

洗面台の石鹸置き?らしいところがハート型。

洗面室南面

一面に貝合わせが貼られている。

洗面室天井


洗面室に折り上げ格天井(ごうてんじょう)。驚きの格式高い仕様だ。

洗面室東面ステンドグラス(外側より見る)

少女趣味な意匠だ。当主が娘さんのためにしつらえたのだろうか?

南端和室6畳


和室8畳・和室6畳(南から見る)


東側廊下

床板は継ぎ目なく一本で通っているように見える。

和室8畳西面(右に和室6畳)


和室8畳西面


和室8畳天井


和室6畳西面


和室6畳天井


和室6畳北側廊下


【洋館階段室】
一階南東面(左に応接室、右に金庫室)


一階東アーチ(奥に応接室ドア)


一階床

寄せ木張りの床は各所でデザインが異なっている。

一階天井


一階西面


階段手摺主柱


階段手摺(下から見る)

手摺りに曲線が素晴しい。

階段手摺(上から見る)


列柱も手が込んでいる。

北西面大窓(二階から見る)

窓の木組みがシンプルで美しい。

二階天井

木材の天井。漆喰ばかりではない。

【洋館二階内部】
南西側和室6畳東面灯具・天井・欄間


南東側和室10畳北西面(奥に南西側和室6畳)


南東側和室10畳西面欄間


南東側和室10畳東面


南側廊下


南側廊下より離れ和館を見る

大覚寺の本堂大屋根も見える。まるで兄弟のように呼応している。

南東側和室10畳北面


南東側和室10畳灯具



南東側和室10畳床

床柱は黒檀だろうか?

南東側和室10畳床天井

誰も見ない所にも手を掛けている。

南東側和室10畳床組子障子

凝った組子だ。

北東側和室8畳南東面


北東側和室8畳南西面

詳しいことはわからないが、この床が最も高級な材を使用しているように思う。

北東側和室8畳床左側天井



北東側和室8畳床右側天井


二面とも網代天井だ。

北東側和室8畳西面欄間(奥に北西側和室6畳)


北西側和室6畳北面(窓外を見る)

窓から古い屋根が見える。周辺の街並も大切に保存してほしい。

北西側和室6畳北面猫間障子


北西側和室6畳猫間障子(北側廊下より見る)



北西側和室6畳北側廊下


【洋館三階望楼内部】
南東面

折り上げではないが、格天井(ごうてんじょう)だ。

北西面

三階手摺りの列柱も下が太くなっている。手間を惜しんでいない。

北西面窓外の景色

ちょうど双方の窓に古い甍が見える。この景観は守ってほしい。

北窓より姫路城を見る
(この写真のみ使用レンズ;Zoom NIKKOR Auto 80-200mm f4.5)

天守の最上層しか見えないが、建築当初はもっと見えたのだろうと思われる。

クド(おくどさん)




陶器製分銅


戦時代用品だという。

【主屋内部】
仏間4畳北面



仏間4畳北西面



座敷8畳北西面



南側廊下



廊下扉のつまみ


扇子を模っているようだ。こんな所にも遊び心がある。


※表題写真は洗面室(貝合わせの間)

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姫路の近代建築 2017

2017-12-20 22:05:14 | 近畿

Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III試写の一環で姫路の近代建築も撮影した。
以前紹介した物に加え、初出物件も含めて紹介したいと思う。

※以前の記事はこちら
『姫路の近代建築(その1)』
『姫路の近代建築(その2)』
『姫路の近代建築(その3)』


使用カメラ・レンズ
1.SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount 2017.12撮影(印なし)
2.SONY α7・FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS(★印)


白鷺橋
(不詳/S8/RC/文化財指定なし)

橋幅を拡げたせいか下部アーチ部分が少し奥に入っている。


欄干が黒ずんでいるのは空襲で焼け焦げた跡だという。


欄干の材質は高砂名産の竜山石。昭和初期に爆発的な人気を誇った石材。柔らかく加工がし易く、カラフルな色目が好まれたのだろうか。


空襲のせいもあり、石材の劣化が激しい。
ここまで、南側の欄干。

ここから、北側の欄干。

竜山石の基本色は黄だが、赤、青(緑)のものもある。
この欄干が赤いのは空襲のせいかもしれない。




国道2号線に架かる橋は立派なものが多い。


旧第三十四銀行姫路支店
(不詳/T6/煉瓦/文化財指定なし)

戦災で焼けた後、修復された。正面はモルタルで塗りこめられているが煉瓦造りだった。
















背面の様子から正面の旧状が想像できる。


旧姫路郵便局電話分室
(上浪朗/S5/RC2/姫路市都市景観重要建築物等)











アールデコ調の装飾が美しい。
それにしても、この台は何だろうか?










趣味の京染 山本
(不詳/不詳/木?/文化財指定なし)



デザイン的には戦前のように思われるが、空襲で焼け残った建築があったとは考えにくい。


旧やまとやしき(現ヤマトヤシキ姫路店)
(村野藤吾/S26・以後増築あり/SRC8/文化財指定なし)

戦後建築ですが、村野藤吾作品ということで掲載。






百貨店の品格を感じられる回転扉。

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網干の町家と街並 2017

2017-12-20 18:24:39 | 近畿

前回の続き、今回は網干の町家と街並。

使用カメラ・レンズ
1.SONY α7・Ai NIKKOR 20mm f3.5S・2017.11撮影(印なし)
2.SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount・2017.12撮影(☆印)


※2017/12/25追加※

1996/8/9撮影の写真を整理したので追加掲載する。
20年間の変化を見てもらえたらと思います。


【網干区新在家】
A家住宅


『姫路市史 第15巻 下』によると、右側主屋が明治末頃、背の高い左側主屋増築部が昭和9年の建築。

同上


裏手には網干川の船着き場があり、元は材木商だったらしい。

H家住宅



同上


A家の増築部に似ている。おそらく昭和初期の建築だろう。

N家住宅



江戸期の町家だと思うが、詳細は不明。

網干川~網干橋~旧網干銀行の街並



旧北川カメラ店~旧龍野藩南組大庄屋 片岡家~旧佐久間文具店の街並


旧龍野藩南組大庄屋 片岡家を挟んで古い町並が続いている。一軒も欠けることなく残したい景観だ。

1996年に同じ場所を旧佐久間文具店側から写した写真

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)

旧旅館名田忠


旅館移転後手芸店が入っていた。名田忠は移転地で今も営業している。

以前はこんな感じだった


(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)

旧山崎屋・N家住宅


左がN家。『姫路市史 第15巻 下』によると、江戸後期の建築である可能性が高いという。外観から見て右の旧山崎屋も江戸後期だろうと思う。
山崎屋は網干銘菓「はまぐり」の製造販売元。山陽網干駅前に移転している。

山崎屋閉店直後の写真


(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)

N家住宅の裏



O家住宅


塀の内に前栽(せんざい)があり、町家と屋敷の中間的な建築。造りの良い外観から見て幕末から明治頃の建築だろうか。

M家住宅



同上


旧状を壊さない範囲でよくメンテナンスされている。虫籠窓があるので江戸期の可能性が高いと思う。

網干神社から善慶寺にかけての街並

殆どの家に直しが入っているが、古い街並みが続く。

かつては門前に飲み物を扱う店があったが、今は駐車場になっている。

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)


【網干区興濱】
旧M家住宅


出来るだけ旧状を保ってメンテナンスされている。『姫路市史 第15巻 下』によると、元舟庄屋で幕末期の建築である可能性が高いという。

同上


格子が開閉できるようになっているのか?

メンテナンス前は黒い漆喰壁だった


(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)

加納結納品店



メンテナンス前は二階に出格子があった

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)

旧山本家住宅付近の街並



同上



同上


右2棟は江戸期っぽい。

鮮魚まるまん



同上



同上


山本家の離れを移築したという。

西原提灯店~旧水井家住宅の街並


網干で銅張は少ない。


【網干区濱田】
K家住宅

幕末から明治頃の建築だろうか。


【網干区余子濱】
加藤家住宅長屋門
(不詳/幕末(1864年)/木/登録文化財)


右の石碑は擷秀碑(加藤邦太郎顕彰碑)。「擷秀碑」の3文字が勝海舟の揮毫。

同上



以前は石碑の右側に大きな米蔵があった。

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)

加藤家住宅主屋
(不詳/幕末(1862年)/木/登録文化財)



加藤家住宅濱座敷(左)
(不詳/幕末(1851年)・M7増築・S33移築改修/木/登録文化財)
内蔵(右)
(不詳/M32/土蔵造/登録文化財)

加藤家住宅濱座敷



A家住宅


2階の高さを見ると、江戸期のように思われる。

同上



T家住宅


虫籠窓がある。1階は直されているが、江戸期の可能性が高いと思う。

S家住宅



同上


1階部分の格子などが昔のまま残っている。幕末から明治頃の建築だろうか。

N家住宅


こちらも江戸期だろうと思う。印刷屋だったが、営業しているのだろうか?

N家住宅・S家住宅


N家とS家は道路を挟んで並んでいる。

K家住宅



同上


『姫路市史 第15巻 下』によると、元廻船問屋で明治14年の建築であるという。

Y家住宅


昭和後期には家具店を営み、その店舗になっていた。2階の高さを見れば十分江戸期にさかのぼれると思う。

旧H家住宅・I家住宅


右がI家住宅。『姫路市史 第15巻 下』によると、元材木商で明治32年の建築であるという。

旧Y家住宅(現存せず)

(カメラ;Nikon FA・1992/2/9撮影)
『姫路市史 第15巻 下』によると、江戸中期(1700年代前半)頃の建築ということだが・・・

残念ながら取壊されてマンションが建った。

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)


*一般住宅の名称は実名を使わずアルファベット表記にした。同じアルファベットのものがあり混乱しそうだが、ご了承願いたい。

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網干の近代建築 2017

2017-12-17 14:42:27 | 近畿

11月の「網干ロマン街道めぐり」とVoigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL IIIの試写で網干の建築を再撮影したのでその中からいくつかを紹介。

以前こちらの記事でも紹介した物件です。
『姫路市網干区の近代建築(EBONY SW45で撮影)』
『網干の近代建築』
『網干の近代建築と町家』 
一部、初登場の物件もあります。


使用カメラ・レンズ
1.SONY α7・Ai NIKKOR 20mm f3.5S・2017.11撮影(印なし)
2.SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount・2017.12撮影(☆印)
3.その他のレンズ(★印)


※2017/12/26追加※
1992/2/4と1996/8/9撮影の写真を整理したので追加掲載する。
20年間の変化を見てもらえたらと思います。


旧赤穂塩務局網干出張所庁舎

(大蔵省臨時建築部/M末頃?/木1/経済産業省近代化産業遺産)

作業用の足場が組んである。


瓦が綺麗になっている。吹き替えたようだ。
姫路フィルムコミッションのメルマガにも紹介されている。

瓦葺き替え、ペンキ塗り替え前の写真

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)


『網干の近代建築と町家』で 旧赤穂塩務局網干出張所内建築 その2 として紹介した物件
(大蔵省臨時建築部?/M末頃?/木1/経済産業省近代化産業遺産)



おそらく旧赤穂塩務局網干出張所庁舎と同時期の建築であろうと思われるが、確たる証拠はない。
北側に大きな窓があるので、塩の品質検査のような微妙な色を確認する作業ををしていた建築ではなかろうかと推測しているが、確たる証拠はない。


旧赤穂塩務局網干出張所 塩倉庫
(大蔵省臨時建築部/M末頃?/木1/文化財指定なし)



月極駐車場が出来る前の写真

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)





旧大日本セルロイド(株)網干工場 事務所棟
(不詳/不詳/RC?/日本の近代土木遺産)

網干に日本セルロイド人造絹糸の工場が出来たのは1908(M41)年。そして1919(T8)年に堺セルロイド、日本セルロイド人造絹糸、大阪繊維工業、東京セルロイド、三国セルロイド、能登屋セルロイド、東洋セルロイド、十河セルロイドの8社が合同し、大日本セルロイド株式会社となった。
建物の様子からT8以降の竣工だろうと思うので、旧大日本セルロイド(株)の事務所とした。日本セルロイド人造絹糸時代の竣工かもしれない。


『網干の近代建築と町家』で 旧日本セルロイド人造絹糸 正門付近の建築 その1 として紹介した物件
(不詳/M43以降/RC?/日本の近代土木遺産)

フェンスが金網になったので、全景が見えるようになった。


旧日本セルロイド人造絹糸 外国人技師住宅 2
(設楽貞雄/M43/木2/ひょうご住宅百選・姫路市都市景観重要建築物等・経済産業省近代化産業遺産)

立ち入り禁止のため道路から見える範囲内で撮影した。




緑色の旧日本セルロイド人造絹糸 外国人技師住宅 1 と同型ながら、煙突が無い、2階南大窓に鎧戸が付いているなどの違いがある。

昔はもう少し近づいて写せた

(カメラ;Nikon FA・1996/8/9撮影)


ダイセル化学工業 エンジニアリングセンター
(設楽貞雄?/不詳/木1/文化財指定なし)

正面右側には鎧戸が入っており、古い洋館の趣がある。


しかし、左側はアルミサッシに入れ替わっている。


後部には表の洋館と趣の異なる建築がくっついている。増築のように見える。

旧日本セルロイド人造絹糸 1号石炭ボイラー
(設楽貞雄/M42/煉瓦/日本の近代土木遺産)

昔は門が開けっ放しだったのだろうか?今では崩れている煙突てっぺんの金属飾りは健在だ。

(カメラ;Nikon FA・1992/2/4撮影)






旧大同燐寸工場、旧龍田紡績本社工場が解体された今、姫路市内のレンガ建築としては旧陸軍第十師団 兵器庫に次ぐ貴重な遺産である。


旧岡田燐寸製造所 倉庫
(不詳/T14頃/煉瓦/文化財指定なし)







旧長久医院
(永岡組/S5頃/木2/文化財指定なし)








デイサービスは営業していないようだ。


旧知原眼科
(不詳/不詳/木2/文化財指定なし)




旧タムラ技研 本社
(不詳/不詳/木2/文化財指定なし)


ペンキは綺麗に塗り替えられているが、会社は廃業している。


陽福工業
(不詳/不詳/木2/文化財指定なし)

側面に下見板が見える。


前面タイルや瓦などを見ると昭和30年頃の建築に見えるが、次に紹介している網干商工会館(S15)を見るとよく似たタイルと瓦が使われている。
ただし、瓦やタイルは吹替・張替も考えられるので、建築当初の姿とは限らない。


網干商工会館
(不詳/S15/木2/文化財指定なし)



道路が狭く引きが足りないので、真正面から撮影すると建築全体は入らない。

★11月撮影

陽福工業と同じく、赤瓦が使われている。


長くなってきたので町家・街並は次回。

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建築の垂直線を平行に撮影するということ(アオリ操作とデジタル補正)

2017-12-11 00:04:54 | その他

建築写真を撮影する手法として、もっとも多く使われる「ライズ(上方向のシフト)アオリ」。
これは、建築を見上げて撮影すると上すぼみになるので、それを真っ直ぐ平行に補正する手法。
本来、建築の垂直線同士は平行であり、上すぼみになっているのは歪んでいる、という考えによる補正だ。

逆に、見上げれば当然上すぼみに見える。それを平行に補正するとかえって不自然で歪んだ形になる、と考えることもできる。
すなわち、見かけのリアルに近いのは上すぼみのアオリ無し、実際の形に近いのは平行に写るライズアオリということになる。


五重塔などは見上げた時に最も美しい逓減率になるように、真横から見ると少し頭でっかちに見えるように設計されているといわれる。
この場合、建築を美しく魅せるにはアオリ無し、正確に写すにはアオリ有りという使い分けになるだろう。


アオリ操作による建築撮影(あるいは超広角15mmレンズのトリミングによるアオリ効果)を覚えると、
単純に構図を考えて被写体をフレームに収めれば良い、ということでは済まなくなってくる。
撮影のプロセスで考えることが多ければ多いほど愉しいし、仕上がりが思わく通りになると達成感もある。

※超広角15mmレンズのトリミングによるアオリ効果については

『Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mount【その1】(アオリ操作をせずにアオリ効果を得る!の巻)』
『Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mount【その2】(まるでシノゴとジナーズームで撮影しているようだ!の巻)』
で説明しているのでご参照ください。


かつて、このアオリ効果は蛇腹の付いた大判カメラか、PC-NIKKORなどのシフトレンズでしか実現できなかったが、
デジタル時代になりデジタル補正という方法も使われるようになった。
かつて『Photoshopによる建築写真の修整』で少し触れたが、デジタル補正についてもっと突っ込んで検証してみようと思う。


【画像1】建築を見上げて撮影
デジタル補正の素材としてこの画像を使用した。



【画像2】カメラを水平垂直にセットして建築の垂直線が平行になるように撮影
もちろん【画像1】と同じ位置から同じレンズで撮影している。
アオリ操作はしていないので建築全体は入っていないが、この画像をデジタル補正との比較に使用した。
【画像1】のデジタル補正後【画像2】と同じ縦横比になれば正確な補正だといえる。


1.フォトショップ(Adobe Photoshop Elements 12)による補正(イメージ-変形-ゆがみ)
【図1】


a.上部を左右に広げる
【図2】


出来上がった画像

明らかに太ってしまった。

b.下部を押し狭める
【図1】、a.【図2】と同じ手順で下部を押し狭めた画像

当然ながら、明らかに痩せてしまった。

a、bの中間くらいがちょうど良い比率なのだが、それを調整するには・・・
1.abの処理を複合して行う
2.aの天地を伸ばす
3.bの天地を縮める

という3つの方法が考えられるが、手動では正確な比率で処理することは不可能。

フォトショップ(イメージ-変形-ゆがみ)による補正は、結局使い物にならなかった。


2.フリーソフト「ShiftN」による補正
【図3】

上を左右に広げて下は押し狭め、傾きまで補正しているのが分かる。
下が押し狭められるので、建築全景を得るためには周囲を広めにとって撮影する必要がある。

出来上がった画像


一見正しい画像が得られたように見えるが【画像2】と比べてみよう。
同じ部分を同じ大きさに切り取って並べてみた。

上【画像2】デジタル補正無し、下【画像1】をShiftNでデジタル補正処理したもの



目視では全く同じにしか見えない。優秀な自動補正だと思う。
ShiftNによる補正は使い物になるレベルのようだ。
しかし、厳密には正確かどうか分からないし、画像を大幅に改変しているのは間違いない。
使わずに済むならその方が良いと思う。


結論としては、本格的に建築写真をやるならアオリ操作が可能な機材を揃えるべきである。

もしくは、超広角15mmレンズのトリミングによるアオリ効果を使えば、アオリ操作と全く同じ効果が得られる。この方法だと、フルサイズの15mm通常レンズに加えてトリミング併用で24mm前後のシフトレンズ、2本分に使えるので経済的だ。

ただし、トリミングすれば画素数は低下し、スイング(ティルト)操作は不可応という制約がある。

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旧 日本セルロイド人造絹糸 外国人技師住宅(ダイセル異人館)

2017-12-10 00:41:18 | 近畿

年に2回程度、姫路市網干地区の文化財を観て歩くイベントが行われている。11月24日「網干ロマン街道めぐり」の一環としてダイセル異人館内部が公開された。
以前、『網干の近代建築』で旧日本セルロイド人造絹糸 外国人技師住宅 1として紹介した緑色の洋館である。

内部までじっくり観たのは初めてなので改めて紹介しようと思う。
建築データ(設楽貞雄/M43/木2/ひょうご住宅百選・姫路市都市景観重要建築物等・経済産業省近代化産業遺産)
撮影データ(カメラ:SONY α7・レンズ:Ai NIKKOR 20mm F3.5S(写真に☆印があるものはVoigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL IIIで後日撮影))

【外観】


縦と横を交えた板張りが外壁のアクセントになっている。



1階庇下、直線的に上部が細くなった四角柱が印象的だ。



2階には南向きの大きな窓がある。



建築中央には煙突が1本ある。煙の出口は4本あるように見える。


最近激減している丸い鋳物ポストがある。網干には4、5本残っている。


1階の大きな庇にはサンルーフがある。テーブルを置いてアフタヌーンティーでも楽しんだのだろうか。


サンルーフの明かりが窓に反射している。


なるほど、1階室内に明かりを取り込むためのサンルーフのようである。



シンプルながら洗練された扉のデザイン。

【内部】
玄関を入って1階

内部に入ると、曲線と直線で構成された扉の桟。手間をかけている。天井のライトも良い。


扉と桟のデザインは統一されているが、全て同じではないようだ。


入り口の近くに螺旋状の階段。すぐに2階へ行けるような導線になっている。
シャンデリアは新しい物に付け替えられているようだ。


口が塞がれているが、各部屋の建築中央側に暖炉が設けてある。
これが普通なのかもしれないが、煙突1本で済むように考えられているようだ。
煙の出口が複数なのは、各暖炉に割り当てられているのだろうか?


奥にトイレがある。右の扉は勝手口のようだ。


トイレ内部の天井ライトは玄関と同型。窓や扉のデザインは、各部で少しづつ変化を持たせてあるようだ。


奥の小部屋2つにはダイセル網干工場関連資料が展示されている。


小部屋の暖炉。


この階段を登って2階に向かう。


階段を上から見下ろして見る。


天井ライトは、玄関・トイレと共通。


これは、セルロイドのステンドグラスらしい。


手摺りのデザインが面白い。主柱は上が細い八角柱、束柱は上が太い四角柱。
奇妙なリズムの構成だ。


この建築の隠れた見どころである。

2階は大部屋が2つ

南側の部屋は窓が大きく明るい。暖炉は1階小部屋と同型のようだが、こちらの方が状態が良い。


電気スタンドの傘はセルロイドだ。


北側の部屋は展示室になっている。黒いキューピーは特に高価だといわれている。これを見に来る人もいる。


北側の部屋も暖炉は同型だ。


トイレ入り口の真上。各部屋の扉と桟のデザインが統一されている部分と違っている部分があるので、比べてみてほしい。


【おまけ】
あぼし一番街の入り口ゲートの黒い猿の正体を初めて知った。
今までキューピーだと解らなかったのである。

(この写真のみ使用レンズ:Zoom-NIKKOR-C Auto 80-200mm F4.5)

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Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mount【その2】(まるでシノゴとジナーズームで撮影しているようだ!の巻)

2017-12-05 18:27:08 | カメラ

それでは、Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mount で撮影した作例を見ながら、
レンズの特性や建築撮影の方法、α7ボディのレンズ補正などについてみていきたいと思う。


主な被写体は以前紹介済みの姫路市網干区の建築群。


【コスモス】

(ノートリミング)

最短撮影距離(30cm)、絞り開放(F4.5)で撮影。15mm超広角レンズでも近接撮影なら背景がそこそこボケる。


【旧水井家住宅】

15mmレンズの超広角ゆえのパースペクティブ(遠近感)強調やアオリ効果を得るための撮影とトリミングについて。
(ノートリミング)

15mmの画角をすべて使ってしまうと、パースペクティブ(遠近感)が強調され過ぎる。この写真では左側門扉の遠近感が強すぎて形状の破綻が見られる。
シノゴで超広角47mmレンズが使いにくいのと同じだ。


もちろん、引いて撮影すると遠近感は弱くなる。
(ノートリミング)

上下が空き過ぎなのでパノラマサイズにトリミングした。シノゴカメラにジナーズームを付けて6x12で撮影するのと似ている。
(トリミング後)


次の画像は、15mmレンズなら真正面から全景が入るかと思ったが、引き場が足りなくて門扉と蔵は途中で切れてしまった。唯一10mmや12mmのレンズが欲しいと思う瞬間だ。
こちらは上下をトリミングした画像。
(トリミング後)


次に、左右にある門扉と蔵は遠近感が強調され歪んでしまったので、それぞれの正確な形をとらえるように撮影してみた。
まず、門扉から。
(トリミング後)

この写真は下のように門扉を中央に撮影してトリミングした。
これは、シノゴにジナーズームを付けて右へ大きくシフトアオリしたのと同じ効果だ。
(ノートリミング)

そして、蔵。
(トリミング後)

これは、左へ大きくシフトアオリしたのと同じ効果。
(ノートリミング)

門扉と蔵の形にこだわって撮影しても、ほぼ左右対称であるはずの母屋が大きく歪んでしまうので、この建築の撮影方法としては×。

※参考:実際にシノゴカメラの左シフト操作で撮影した例。母屋が歪みなく左右対称に描写されている。
【亀屋(川越市)】

・被写体全体の中央がどちらの建物の中央にもならない場合、そのまま撮影すると双方ともに形状が歪んで描写されてしまう。
・どちらか一方の建築を歪みなく撮影することは出来るが、比率が大きい方(2/3以上が好ましい)の建物を選んで補正すると良い。
・小さい方の建物を選ぶと、先例の【旧水井家住宅】のように大きい方の建物の歪みが大きくなり過ぎる。


次は、6x12風のパノラマサイズにトリミングした写真を2枚。


【山本家住宅】
(トリミング後)

このくらいの遠近感が最もカッコ良く見える。


【山本家住宅と西側の町家】
(トリミング後)

超広角15mmのパノラマ効果は大きい。


【旧龍野藩南組大庄屋 片岡家】
同じ立ち位置から撮影してトリミングした写真2枚。
1枚目。
(トリミング後)


2枚目は遠近感が強い。

(トリミング後)


それぞれのトリミング前の画像。
1枚目。
(ノートリミング)


2枚目。
(ノートリミング)

同じ立ち位置でカメラを左右に振って遠近感をコントロールしている。ファインダーを覗きながら好みの遠近感を探ることもできる。
ただし、元画像の左右中央からズレたトリミングをするとシフトアオリをしたのと同じことになり、遠近感が狂う場合がある。
シフトアオリ効果を狙わないのであれば中央からズレたトリミングをしない方が良い。
今回の撮影ではあまり意識していなかったが、撮影時にトリミングの範囲を決めて、それが画面の左右中央になるように撮影するべきであろう。
そのうえで、塔の歪みを補正するなどのシフトアオリ効果を狙う場合のみ被写体を中央からずらして撮影する。
そうしないと、正しい遠近感の写真にならない。塔の歪みを補正するシフトアオリは塔以外の部分の遠近感を狂わせているのである。


【カナイ(旧金井時計店)】

建築の真正面写真の撮影について。
建築正面に対して水平垂直、中央をきっちり出して撮影するが、しかし・・・
(ノートリミング)

引きのない狭い道路のため建築上部が切れ、向かい側店舗のテント庇金属パイプらしき物が写り込んでいる。

仕方ないので、少しだけカメラを上に見上げたうえで、金属パイプをやり過ごすために撮影位置を右に移動。
(ノートリミング)

ほんの少し上すぼみになっている。
撮影の中央線がズレたので正確には左右対称に描写出来ていないのだが、
ズレ幅が小さく建築表面の凹凸も少ないのでほとんど気にならない。
もし、建築中央に玄関ポーチか大きな庇でも有れば、歪みが気になったかもしれない。
(トリミング後)

ほんの少しだが上すぼみになっているのが分かる。気になる場合はShiftNで修正するしかない。

(ShiftN使用・ノートリミング)

(ShiftN使用・トリミング後)

ShiftNによる補正はほんの僅かで、かえって形が狂うということは無いと思うが、
デジタル補正はなるべく使わない方が良いと思う。


【網干商工会館】

(トリミング後)

適度な遠近感のある自然な描写。
元画像は、素直に画面中央に被写体を置いたもの。中央に置けば自然な描写になるということだ。
(ノートリミング)


次に、真正面から撮影しようとしたがレンズに逆光の西日が入るので日陰に移動して撮影。
(ノートリミング)

これも【旧水井家住宅】の「大きく左シフト」と同じ方法だ。
(トリミング後)

真正面から写した画像を得たつもりが、玄関ポーチが大きく左方向に歪んでしまった。
ここまで違和感があると、シフトアオリで遠近感が狂うことが良く分かる。
【カナイ(旧金井時計店)】の撮影で
「建築中央に玄関ポーチか大きな庇でも有れば、歪みが気になったかもしれない」
と書いたのはこのことである。
建築撮影で最も重要なのは撮影時の中央をどこに置くか、ということだと思う。

西日の無い午前中に再撮影したが・・
(ノートリミング)

そもそも建築中央では引きが足りなかったのでこれで限界。これ以上中央に寄ると、上部が切れてしまう。
(トリミング後)

玄関ポーチの庇が左向きに歪んでいるのが分かる。ちなみに、2階上の庇の歪みは建築自体の歪み。


【旧赤穂塩務局網干出張所 塩倉庫】

逆光だとハレーションを起こしたりフレアが出たりするが、これは対処の一例。
(ノートリミング)

シノゴの場合、低めの三脚に据えて自分の影をレンズに被せるという裏技を紹介したことがあるが、
手持ちの場合は、左手を上げたらハレ切り代わりになることがある。
写真のように左側半逆光の場合しか使えないし、片手シャッターで手ぶれの危険もあるので、
あまり良い方法とは言えないが、苦し紛れの対応としてよくやっている。


手ハレ切り」対応後の画像。
(トリミング後)



【古い町家】
旧網干銀行本店の近くにある、虫籠窓に太格子と細格子の組み合わせが美しい町家。
江戸から明治初期にかけての建築だと思うが、姫路市史の文化財編やネット上にも載っていないので詳細は不明。

この建築でα7ボディのレンズ補正テスト撮影をした。

1.「周辺光量補正」「倍率色収差補正」効果確認。
a.レンズ補正全てOFF 絞りF4.5

(ノートリミング)

(左上拡大)

ほんの少しの周辺光量落ちと、鬼瓦と空の境目にほんの少し赤く色収差が見られる。

b.「周辺光量補正」「倍率色収差補正」ON 絞りF4.5
(ノートリミング)

(左上拡大)

周辺光量、色収差ともに改善されている。

2.「歪曲収差補正」効果確認。
a.レンズ補正全てOFF 絞りF4.5
(ノートリミング)


b.レンズ補正全てON 絞りF4.5
(ノートリミング)

元々歪曲収差を徹底排除したレンズなので、補正前後の差は全く分からなかった。四隅に直線を置くように撮影すれば差が出るかもしれない。
「歪曲収差補正」はOFFで良いだろう。

3.四隅の画像乱れの改善確認
a.レンズ補正全てOFF 絞りF4.5
(左下拡大)


b.レンズ補正全てOFF 絞りF22
(左下拡大)


c.レンズ補正全てON 絞りF22
(左下拡大)

絞ると改善されるようである。
α7ボディのレンズ補正では、
「周辺光量補正」がよく効いているのは確認できたが、
画像乱れについては効いているかどうか、よく分からなかった。


次は、「直線を直線として写し取るレンズ」の実力を見るため、
殆ど直線で構成されている日本家屋の屋内を撮影してみた。


【稲香村舎 誠塾】
(【稲香村舎 誠塾】の写真は全てトリミング後)

















直線が真っ直ぐに気持ちよく描写されている。
建築写真用レンズとして申し分ないと思う。


最後に、ピントを30cmに固定して、絞りF8-11に絞り込んで猫をノーフレーム撮影してみた。
(猫の写真はすべてノートリミング)






興味を持って近づいて来てくれたが、近すぎだ。







ノーフレーム撮影でも画角が広いので猫がフレーム外になることはなかった。
被写界深度が深いので、猫がいる範囲にはほぼ合焦していた。


このレンズを使った感想は「本当に素晴らしい」の一言に尽きる。
初めてシノゴで撮影した時以来の感動だった。


表題写真は【稲香村舎 誠塾】室内画像(ノートリミング)。

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Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mount【その1】(アオリ操作をせずにアオリ効果を得る!の巻)

2017-12-04 17:57:56 | カメラ

Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mountを購入した。
ブランドはドイツの名門フォクトレンダーだが、日本のコシナ製である。





仕様書に表記されているレンズの画角は対角線画角であって左右幅の画角ではない。
実際に写り込む範囲は水平画角(左右の画角)で考えなければ解りにくいのである。
仕様書上、15mmレンズの画角は110°となっているが、
水平画角(左右の画角) 100 °、垂直画角 (天地の画角)77 ° も表記してほしい。

なぜいきなり画角の話かというと、今回、このレンズを買うにあたって画角に関して考えたからである。

かつて『Photoshopによる建築写真の修整』という記事で
アオリ操作やデジタル補正をせずに建築の垂直線をを平行に撮影する方法として、
カメラを縦長に構えて下半分に大きく道路を入れて建築を撮影し、トリミングするというやり方を書いたことがある。
(ノートリミング)

(トリミング後)


フイルム時代のシフトレンズを生かそうとしてフルサイズのデジイチを購入したものの、綺麗な写真が撮れなかったという苦い経験もあり、
今後高額な現行シフトレンズを購入せずに、デジカメでアオリ操作に匹敵する建築写真を撮影する方法として、これを活用しようと考えたのである。

さて、この方法で撮影する場合、想定される画角よりさらに広角なレンズを必要とする。
フイルム時代にPC-NIKKOR 28mm F3.5を愛用していたが、画角が狭いのでZUIKO SHIfT 24mm F3.5を買い足したことを考えると
最低でも24mmレンズの水平画角を確保したい。

24mmレンズの水平画角は74°である。
縦長に撮影して半分トリミングする場合、垂直画角を74°以上確保すればよいことになる。
そのことから、垂直画角が77°の15mmレンズを選ぶに至ったのである。


15mmクラスの中でも Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mmのIII型を選んだ理由は・・・
デジカメ対応の工学設計が施されており、周辺部の色被りや光量低下が少ないからである。
トリミングする場合、実際に切り取る画像は中央部より周辺部に片寄ることが多いので周辺部の描写が悪いレンズは使えない。
そして、コシナのHPで「直線を直線として写し取るレンズとして、デジタル画像処理に依存せず、光学的な性能を徹底的に追及。非球面レンズの採用により、ディストーション(歪曲)を徹底的に排除しています」と謳っていること。建築撮影には最も重要な要素だ。
もう一つ、58mmのフィルターねじが切ってあること。
超広角レンズはフィルターねじが無いことも多く、保護フィルターを付けれるというのは重要な要素になる。
歩きながら首かけで撮影する場合は不用意に触れてしまったり、木の枝か何かに当ったりすることもある。
しかも、58mmという一般的なフィルター径なのが有難い。

私はハクバブランドのWPC WIDE MC レンズガードを付けた。
超広角レンズなので、フィルター枠によるケラレが無いか要確認だ。

なお、フォクトレンダー超広角「ヘリアー三兄弟」は15mmの他に12mm、10mmがライナップされているが、
15mmを選んだのは、他の2本ではパースペクティブ(遠近感)が強調され過ぎて使いにくかろうという理由である。

更に、Eマウント用ならボディ側のレンズ補正設定
「周辺光量補正」「倍率色収差補正」「歪曲収差補正」
を選ぶことが出来る。
私は「周辺光量補正」「倍率色収差補正」の2つをON(オート)に設定した。
センターNDフィルターが欲しいが物が見つからないな、と思っていたがこれで問題が解決した。
ディストーション(歪曲)を徹底的に排除したレンズなので「歪曲収差補正」は不要だろう。



トリミングによる画質低下については・・・
愛用のα7の画素数は約2400万画素。半分にトリミングするとして1200万画素。

APS-Cサイズでクロップ撮影したような感じになる。
ポスター印刷をするわけではないので、まあ使えるレベルだ。
ブログ用としては完全にオーバー・クォリティである。
本当にポスター撮影が必要なら、新発売のα7R III(約4200万画素)を購入すれば対応できそうだ。

※一般的なポスターサイズであるA1に300dpiのオフセット印刷をするなら
9933×7016(ピクセル)=69689928(画素)単純計算で約6970万画素になる。
ポスターは離れて鑑賞するものなので、実際にはここまでの解像度が必要ではなく、
2000万画素もあれば十分だと思われる。
印刷について詳しいわけではないが、
明らかに低画素の画像をアップコンバートして印刷したと思われるポスターをよく見かける。

さて、いよいよ試写である。
MINOLTAシールでSONYを隠したα7に登場願おう。


超広角レンズなので被写界深度の深さを利用したパンフォーカス撮影で建築を写そうと思う。

指標を頼りにF4.5で1m-∞で合焦するようにピントを調整した。

被写体はおなじみの
旧 網干銀行本店 である。

カメラファインダーの水準器とグリッドを見ながら、水平垂直を出して撮影。
電子ビューファインダーは、水準器・グリッド表示や拡大表示ができるので便利だ。

トリミング前提であるのに加えて、近寄りすぎるとパースペクティブ(遠近感)が強調され過ぎるということもあり、周りは多めにとってある。

四隅にフィルター枠によるケラレは無い。フィルター常用可能だ。
余分な部分をカットする形でトリミング。

しかし、塔屋が右肩上がりになっている。

そこで、ファインダーのグリッドを見ながら塔屋の中心と撮影画面の中心を合わせて撮影。

塔屋の中心は避雷針。必ずしもデザインの中心とは一致しないので注意する。
トリミングすると・・

シノゴで左シフトとライズの複合アオリをしたのと同じく
塔屋の歪みを修正した画像を得ることが出来た。
こんなイメージで考えると複合アオリと同じだとお分かりいただけると思う。

赤枠は今回トリミングをした部分。
青枠は撮影したフルサイズ画像の中心部分をトリミングと同じ大きさで切り取ったもの。

アオリ操作なしでアオリ効果を得ることが出来た。
思わく通りである。


さて、次はトリミングした画質について。
α7のフルサイズ最高画質で6000x4000(ピクセル)=24000000(画素)で2400万画素の画像を得ることが出来る。
そこから半分の3000x4000(ピクセル)=1200000(画素)すなわち1200万画素にトリミングした画像の原寸大で解像度を検証してみたいと思う。


検証に使う画像はこちら。
まず、塔屋のデザインが左右対称に見えるように、デザインの中心と塔屋の中心を合わせて撮影した。
もちろん、塔屋の中心と撮影画面の中心も合わせてある。

6000x4000(ピクセル)ノートリミング。

3000x4000(ピクセル)にトリミングして・・

塔屋の装飾デザインが綺麗な左右対称に撮影できた。
これを原寸大でお見せしようと思ったが、大き過ぎてブログ仕様上不可能なので
塔屋上部を撮影原寸に拡大表示。

なんとなく眠たい画像。
絞り開放(F4.5)でパンフォーカス撮影したからかもしれない。


そこで翌日、絞り開放(F4.5)にして建築にピントを合わせたうえでF8まで絞って再撮影。
被写界深度が深くピントの山をとらえにくい為、都度絞りを F4.5に開いてピントを合わせなければならない。
絞りを開いてピントを合わせてから絞って撮影というのは、シノゴ撮影と同じである。

6000x4000(ピクセル)ノートリミング。

3000x4000(ピクセル)にトリミング。

塔屋上部を撮影原寸に拡大表示。

精密にピントを合わせてF8まで絞れば、この通りくっきり スッキリと写る。
被写界深度が深いとはいえ、目測のパンフォーカスではピントが甘くなるのである。
これなら、ポスター大の印刷にも対応できるかもしれないと思った。


次は、建築の側面を見上げて撮影(ノートリミング)

四隅に画像の乱れが見られるものの、建築のラインは左右の端まで真っ直ぐ伸びている。
このような構図の場合、収差の大きいレンズだと左右の端がぐにゃっと中心方向に円弧を描いて曲がってしまう。
コシナHPの通り、極限まで歪曲を取り除いた優秀なレンズである。

次に、周辺部の描写についてだが、
この程度の四隅の乱れは15mmクラスで絞り開放撮影なら仕方ないと思う。
絞れば少しは改善されるだろう。
あるいは、α7Sなどの「高集光プロセス技術」やα7R IIIなどの「裏面照射型」のCMOSセンサーなら改善できるのかもしれない。
こればかりは実写で確認しなければ、分からないが・・・


※参考:OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO SHIfT 24mm F3.5による撮影画像
(使用カメラ:EOS 6D、すべて絞りF8で撮影

イメージサークルは18mmレンズ相当の画角があり、その範囲内で上下あるいは左右にアオリ操作ができる。
特に優れた点は、アオリ量の合計が10mmの範囲内なら2方向の複合アオリが可能なことである。

1枚目の塔屋が右肩上がりになった画像とほぼ同じ立ち位置から撮影
(ライズアオリ使用)

24mmというとかなりの広角レンズだと思っていたが、ギリギリ収まるという感じだ。

次に、複合アオリで塔屋の歪みを補正してみよう。
塔屋の中心と撮影画面の中心を合わせて撮影
(アオリ操作なし)

赤線は縦横の中央線。アオリ操作をしないと、建築は収まらない。

カメラの位置と向きはそのままで、ライズ(上向き)と左シフトの複合アオリを操作して撮影。
(ライズ・左シフトアオリ使用)

黄線は複合アオリ後の縦横の中央線。
塔屋を中心にカメラを据えて、レンズの中心軸を上・左に移動した。
15mmレンズで塔屋を中心に撮影して、画面の上・左をトリミングしたのと同じことである。
違うのは、トリミングすると画素数が減るということ。

次は、
画質検証に使った、塔屋のデザインが左右対称に見えるようにデザインの中心と塔屋の中心を合わせたうえで、
塔屋の中心と撮影画面の中心も合わせて撮影した画像 とほぼ同じ立ち位置から撮影。
(ライズアオリ使用)

意外に狭い24mmの画角。最大にライズアオリしてもアオリ量が足りない。
EOS 6Dのイメージセンサーはα7とは異なるため単純比較はできないが、
画質を見るため右上部分を撮影原寸に拡大してみる。

ライズアオリ最大なので、右上はイメージサークルの一番外側になる。特に青方向の色収差が酷い。
塔屋上部を撮影原寸に拡大表示してみると、

15mmレンズと比べて、解像度が眠たく色収差もある。
これではブログ用くらいにしか使えない。画素が減っても15mmでトリミングの方が良さそうだ。

最後に、建築側面。
見上げて撮影。
(アオリ操作なし)

歪曲収差が良好に補正されたレンズだと思う。

同じ立ち位置から、最大ライズアオリで撮影。
(ライズアオリ使用)

イメージサークルの外周を使った撮影だが、歪曲収差は感じられない。

少し下がって、垂直線が平行になるようにライズアオリして撮影。
(ライズアオリ使用)

若干の周辺光量落ちがあるものの、良好な描写だと思う。
右上部分を撮影原寸に拡大した。

画面中央部を撮影原寸に拡大した下の画像と比べると、光量落ちがあり色収差も大きいのが分かる。


フイルム時代の古いレンズではあるが、ポスターなどの大判印刷に使わないのなら十分通用する優秀なレンズだと思う。

長くなってきたので一旦筆を置くが、その他被写体の作例やα7ボディのレンズ補正効果などについては、次回
『Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-Mount【その2】(まるでシノゴとジナーズームで撮影しているようだ!の巻)』
につづく。

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いったい、EBONY(エボニー)はどうなったのだろうか?

2017-11-22 18:28:52 | カメラ

愛用する大判カメラは、EBONY SW45。
自分にとって、大判カメラはエボニー以外の選択肢はない。

先日購入した『日本カメラ』の12月号の付録『カメラ年鑑2018』に
エボニーのカメラが載っていないことに気が付いた。
かろうじてNikonとCanonのフイルムカメラが載っているのには安心したのだが、
恐らく、最後まで残ると思っていたエボニーが消えていたのである。

去年の『カメラ年鑑2017』を確認すると、載っている。
この1年で何かあったに違いない。


そこで、インターネットで調べてみると・・

1.ホームページ
「このサイトにアクセスできません
http://www.ebonycamera.com/index2.html のウェブページは一時的に停止しているか、新しいウェブアドレスに移動した可能性があります。」
・これは、予想外。海外向けの英語ページまであったのに・・

2.ヨドバシカメラの通販
全商品「販売を終了しました」
http://www.yodobashi.com/category/19055/34533/53199/m0000007261/
・本当に生産終了したようである。

3.最新のトピックス
玄光社が運営するサイト『CAMERA fan』の「銀塩手帖」2015年11月13日の記事
「エボニーが上野彦馬写真機を復刻、広川泰士氏による湿板写真撮影」
http://camerafan.jp/cc.php?i=428
・2年前にはこんなに立派な仕事をしていたのに・・


この程度しか見つからない。

何故、生産終了になったのか詳しい状況は何一つとして分からず終い。
HPも無く、ヨドバシで販売終了しているのも事実。
最悪の事態を覚悟するしかないのか?

そうでないことを祈るばかりである・・・


【2017/11/23文章追加】

早速のコメント・情報有難うございました。

EBONYは、残念ながら2016年10月に廃業したとのことです。
大変高度な加工技術と類稀な高機能木製カメラのノウハウが失われることが残念でなりません。

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【速報】旧網干銀行本店 前のアーケードが撤去!

2017-07-11 19:01:02 | 近畿

タイトルの通り旧網干銀行本店 前のアーケードが撤去されました。

旧網干銀行本店は
『姫路市網干区の近代建築(EBONY SW45で撮影)』
『網干の近代建築と町家』
で紹介しています。


空が広くなり、建築全景をスッキリ撮影できますね。


そしてもう一軒、網干で唯一遺る戦前と思われる看板建築 カナイ のファサードも通りから見えるようになります。
こちらは現役の電気店なので創業時の〈時計店〉の看板表示が残る旧ファサードが今後残るかどうか心配です。

カナイは
『網干の近代建築と町家』
で紹介しています。


本日(2017.7.11)の段階で、アーケード全体の半分位が撤去されていますので工事終了まで数日かかると思われます。
(カメラ:ARROWS ef FJL21)(auのスマホ)


【続報】2017.7.17・8.8写真追加

・2017.7.15撮影、アーケード撤去作業が終わっています。
・2017.8.5撮影、街灯が新設されて作業完了していました。

7.15撮影・網干橋たもとの商店街の案内看板も撤去されています


8.5撮影・ゲート看板も撤去されました。


7.15撮影・空が見えるようになりスッキリしました


7.15撮影・赤丸ポストも残っています


7.15撮影・邪魔が無くスッキリ撮影できる悦び


8.5撮影・鉄柱も撤去され、さらにスッキリしました


7.15撮影・西面もこの通りスッキリ見えます


8.5撮影・アーケードの鉄柱も完全に撤去され、緑の街灯が新設されました


8.5撮影・真正面、電線はどうにもなりませんが・・


7.15撮影・立派な看板


7.15撮影・旧網干銀行から南
記憶が正しければ手前より旧瓦店、旧金物店、そしてカナイ


7.15撮影・本当に素晴らしいファサードが遺っています


7.15撮影・こちらは旧金物店
アールデコの影響を少し受けたと思しき窓枠とタイルの意匠


7.15撮影・昭和10年代くらいでしょうか?


7.15撮影・カナイ(電気店)は本格的な装飾のある見事な看板建築です
先代(もしくは先々代)が時計店をしていた当時の看板が遺っています


7.15撮影・昔、スナックか居酒屋があった細路地から


7.15撮影・今までアーケードに隠されていたからこそ遺された、貴重な歴史的文化財です


8.5撮影・軒に何か付けようとしていますが、ファサード自体はそのまま生かすようです


追加写真(7.15撮影分)と表題写真
(カメラ:Nikon D600・レンズ:Ai Nikkor 20mm f3.5Sほか)(アオリ効果:ShiftN使用・トリミングあり)

追加写真(8.5撮影分)
(カメラ:Canon EOS6D・レンズ:EX SIGMA ZOOM 17-35mm ASPHERICAL HSM)(アオリ効果:ShiftN使用・トリミングあり)
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旧山本家住宅(姫路市網干区興浜)その2

2016-09-20 22:30:36 | 近畿

では、内部を見ていきましょう。


今回の写真撮影データはすべて(カメラ;SONY α7・2016/9/18撮影)です。

表題写真は洋館書斎のステンドグラスです。



玄関ホール 床

玄関ホール 天井


応接室


応接室


応接室


応接室 暖炉


応接室 シャンデリア


応接室 床・壁


応接室 天井周り漆喰装飾


書斎 床

書斎 床


書斎 ステンドグラス


サンルーム 床


サンルーム ステンドグラス


洋館一階廊下


金庫室


金庫銘板


金庫ダイヤル


浴室横 廊下天井ステンドグラス


洗面室


洗面室 ステンドグラス


浴室


浴室 天井


便所


離れ廊下の窓 

離れ 和室


離れ 縁側廊下


階段ホール入り口アーチ(外側)


階段ホール入り口アーチ下の床


階段ホール入り口アーチ(内側)


階段ホール 床


階段ホール


階段ホール


階段


階段手摺


階段ホール天井


階段ホール 窓

洋館二階北西側和室


洋館二階北西側和室 欄間


洋館二階北西側和室 欄間


洋館二階北東側和室


洋館二階北東側和室


洋館二階北東側和室


洋館二階南東側和室


洋館二階南東側和室


洋館二階南東側和室 灯具


洋館二階南東側和室 廊下


洋館二階南東側和室 廊下天井


洋館二階南西側和室 欄間


階段二階踊場


三階望楼階段


三階望楼


三階望楼から北の眺望


母屋 内ゲンカン


母屋 座敷八畳


母屋 座敷八畳 釘隠


母屋 座敷八畳 釘隠


母屋 座敷八畳 欄間


母屋 座敷八畳 欄間


母屋 座敷八畳 欄間


母屋 和室六畳


クド(おくどさん) カマド


想像以上に上質で素晴らしい内装でした。
BS朝日の『百年名家』で取り上げられても遜色ないと思います。

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