近代建築撮影日記

日本全国の近代建築を
大判カメラ、一眼レフ、デジカメなどで
撮影した写真で紹介していきます

旧山本家住宅 2017

2017-12-24 01:47:32 | 近畿

「網干ロマン街道めぐり」とVoigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL IIIの試写で再撮影した旧山本家住宅の画像。
前回の画像はSONY α7のオートホワイトバランスの微調整設定が一番右(赤味をプラス)になっていて色がおかしかったので再撮影したという事情もある。
そもそも、そんな設定の存在も知らず触った覚えもなっかったので、SONYのカメラは色の味付けがおかしいと思っていた。
結局1年近く設定が狂っていることに気付くことが出来ず、その間、色がおかしい故にα7は殆ど使っていなかった。

※前回の記事はこちら
『旧山本家住宅(姫路市網干区興浜)その1』
『旧山本家住宅(姫路市網干区興浜)その2』


使用カメラ・レンズ
1.SONY α7・Ai NIKKOR 20mm f3.5S・2017.11撮影(★印)
2.SONY α7・Voigtländer SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL III E-mount・2017.12撮影(印なし)


【外観】
道路から見た外観(北西より見る)

右側町家は主屋。

道路から見た外観(北より見る)


道路から見た外観(北東より見る)


正門裏手建仁寺垣



洋館玄関前敷石


少し曲面になっているのは擦り減ったのではない。手間を掛けて加工している。

洋館玄関唐破風

銅張の唐破風。洋館とはいうものの、和風の要素が多い建築だ。
洋風の要素は、玄関扉、下見板、鎧戸くらいでむしろ少ない。

洋館正面見上げ



洋館左側面見上げ(東より見る)



洋館裏ステンドグラス



離れ和館北面


窓格子も手間を掛けたいい仕事だ。

離れ和館と洋館裏面(南東より見る)


屋根は寺の本堂のようだ。

庭園



【洋館一階内部】
玄関床

大理石のモザイク。

玄関天井

漆喰装飾。

応接室前廊下天井

また漆喰。

応接室北東面

ボロになっているが、重くて高級そうなカーテンが印象的だ。

応接室天井


漆喰装飾が美しい。灯具も素晴らしい。

応接室南東面


応接室南面暖炉


大理石。

応接室北面床・壁

凝った文様の寄せ木張りの床が素晴しい。

応接室西面壁

独特な木目の楓の板材。

書斎前廊下

レッドカーペットに隠れているが、床は寄せ木張りだ。

書斎前廊下天井



書斎北東面


書斎東面ステンドグラス

曲芸のような意匠が面白い。

書斎北面本棚

机とセットになった意匠。

書斎南面ステンドグラス

燕、鶏頭、桔梗など初夏を思わせる意匠だ。

書斎西面鏡台


書斎南面机



書斎西面ドアノブ


書斎天井

漆喰装飾が細かい。

金庫室西面

床は近年の張替え。床(トコ)があるので畳の間だった可能性も考えられるが、どうだったのだろうか?

南廊下硝子窓から離れ和館を見る

硝子一枚一枚に面取りがある。単なる板硝子ではない。

南廊下(西より見る)

天井の曲面が素晴しい。

【付属屋・離れ和館内部】
便所前廊下

窓の組子が軽快なリズムを奏でる。便所前の廊下も手抜きがない。

便所北西面

便所といえどもおしゃれな灯具。

便所南面

大理石の下駄??

浴室横廊下(右に浴室、奥に洗面室)

どこかの温泉旅館で似たような天井を観たことがある。

浴室横廊下天井ステンドグラス



更衣室

近年まで実際に使用していたのだろう。窓と壁は入れ替えられている。

更衣室天井


浴室


浴槽

大理石だ。

浴室天井


洗面室南西面

洗面台の石鹸置き?らしいところがハート型。

洗面室南面

一面に貝合わせが貼られている。

洗面室天井


洗面室に折り上げ格天井(ごうてんじょう)。驚きの格式高い仕様だ。

洗面室東面ステンドグラス(外側より見る)

少女趣味な意匠だ。当主が娘さんのためにしつらえたのだろうか?
山本家には多数のステンドグラスがあるが、宇野澤組ステインド硝子製作所大阪出張所(後の玲光社)を設立した木内真太郎の作品だという。

南端和室6畳


和室8畳・和室6畳(南から見る)


東側廊下

床板は継ぎ目なく一本で通っているように見える。

和室8畳西面(右に和室6畳)


和室8畳西面


和室8畳天井


和室6畳西面


和室6畳天井


和室6畳北側廊下


【洋館階段室】
一階南東面(左に応接室、右に金庫室)


一階東アーチ(奥に応接室ドア)


一階床

寄せ木張りの床は各所でデザインが異なっている。

一階天井


一階西面


階段手摺主柱


階段手摺(下から見る)

手摺りに曲線が素晴しい。

階段手摺(上から見る)


列柱も手が込んでいる。

北西面大窓(二階から見る)

窓の木組みがシンプルで美しい。

二階天井

木材の天井。漆喰ばかりではない。

【洋館二階内部】
南西側和室6畳東面灯具・天井・欄間


南東側和室10畳北西面(奥に南西側和室6畳)


南東側和室10畳西面欄間


南東側和室10畳東面


南側廊下


南側廊下より離れ和館を見る

大覚寺の本堂大屋根も見える。まるで兄弟のように呼応している。

南東側和室10畳北面


南東側和室10畳灯具



南東側和室10畳床

床柱は黒檀だろうか?

南東側和室10畳床天井

誰も見ない所にも手を掛けている。

南東側和室10畳床組子障子

凝った組子だ。

北東側和室8畳南東面


北東側和室8畳南西面

詳しいことはわからないが、この床が最も高級な材を使用しているように思う。

北東側和室8畳床左側天井



北東側和室8畳床右側天井


二面とも網代天井だ。

北東側和室8畳西面欄間(奥に北西側和室6畳)


北西側和室6畳北面(窓外を見る)

窓から古い屋根が見える。周辺の街並も大切に保存してほしい。

北西側和室6畳北面猫間障子


北西側和室6畳猫間障子(北側廊下より見る)



北西側和室6畳北側廊下


【洋館三階望楼内部】
南東面

折り上げではないが、格天井(ごうてんじょう)だ。

北西面

三階手摺りの列柱も下が太くなっている。手間を惜しんでいない。

北西面窓外の景色

ちょうど双方の窓に古い甍が見える。この景観は守ってほしい。

北窓より姫路城を見る
(この写真のみ使用レンズ;Zoom NIKKOR Auto 80-200mm f4.5)

天守の最上層しか見えないが、建築当初はもっと見えたのだろうと思われる。

クド(おくどさん)




陶器製分銅


戦時代用品だという。

【主屋内部】
仏間4畳北面



仏間4畳北西面



座敷8畳北西面



南側廊下



廊下扉のつまみ


扇子を模っているようだ。こんな所にも遊び心がある。


※表題写真は洗面室(貝合わせの間)



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