黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

大丈夫か!? 今どきの司法試験受験生

2013-04-09 09:36:24 | 司法試験関係
 今日,おそらく法曹養成制度検討会議の正式な中間取りまとめが出るのではないかと思いますが,その前にちょっと小ネタを出しておきます。
 司法試験予備校の一つである,辰巳法律研究所の西口講師(弁護士)が,以下のように書いています。
憲法について(弁護士 西口竜司の熱血日記)
http://blogs.yahoo.co.jp/ryuji24guchi/38068284.html

近時の答練等で受験生の憲法のレベルが2,3年前よりも格段に低下しているように感じます。

表現しにくいところですが,論証や方法論に振り回されているという印象です。したがって,100通あれば2~3通しか良い答案がありません。

皆さん,何か自覚症状はありますか?
もっと「事実」に着目すべきだと思うのですが。ノウハウ本等の弊害なんですかね。
できる人はできるができない人はわけのわからない答案になっています。

三段階審査などはあくまで手段であり,使いこなせなければ有害なものになります。
まずは問題文を忠実に読むこと,条文を意識すること,そういった当たり前のことを意識した勉強をするようにしましょう。


また,別の記事(受け控えという選択肢)では,このようにも書かれています。

個人的には受け控えというのは嫌いな言葉ですが,
受け控えやむなしという受験生も多数おられます。
おそらく受験しても100%合格しないという人が少なからず存在します。

別に言われるまでもないでしょうが,こんな人が該当します。
択一の模試で点数が取れない。
論文で支離滅裂な答案を書いている。

こういう状態にある方は悪いことは言わないので今年は戦略的撤退をオススメします。
やはり受験回数が勿体ないからです。
その上で入門講座からやり直して下さい。
出来る限り早い方がいいと思います。
要するにLSに行った時間が無駄になっていたのです。
変なプライドを捨てることが次年度の合格に繋がります。

厳しい言い方ですが,何もLSで学んでいなかったのです。
それでは合格できるはずはないですね。


 どうやら,現場で受験生を指導している予備校講師の目から見ても,特に最近の司法試験受験生(法科大学院修了生)については,質の低下が著しいと感じるようです。
 司法試験受験生も,予備試験受験生も今は試験直前期なので大変な時期だと思いますが,択一模試の成績がなかなか伸びないという程度であれば,新司法試験であっても受け控えをする必要はありません。黒猫自身,旧司の択一には二回とも合格していますが,初回受験の際にも4月時点で十分合格を確信できる成績を取れていたわけではありません。直前期に自分を追い込めば成績は結構伸びますし,予備校の択一答練や模試は,本試験より難易度のやや高い問題を出す傾向にあるので,模試では思うように成績が伸びなくても,本試験では意外とあっさり合格できてしまうということもあります。
 もっとも,択一試験に受かっても論文に落ちたら元も子もない,と言われるかも知れませんが,仮に論文試験で落ちても,択一試験に合格したという実績があれば,次の年までは安心して論文試験の勉強に専念することができます。また,仮にこの時期から早くも戦線離脱を決めてしまうと,その後はだらだらと過ごすことになってしまい,直前期の緊張感で実力を一気に伸ばすチャンスを失ってしまうことになります。基本的に,司法試験を1年受け控えれば,最終合格は2年遠のくと考えた方がよいです。
 特に新司法試験の場合には,東大ローの修了生でさえも,修了後5年目に司法試験を受けた人の合格実績はひどく悪いです。平成17年度修了者が10人受験して全滅,平成18年度修了者が24人受験して2人しか合格しないというのが実態です。5年間で3回まで受験できるとはいっても,実際に5年目で受験しても合格できる可能性はほとんどありませんから,本気で司法試験合格を目指すのであれば,受験回数を温存しておくなんて考え方は捨てて,退路を断つつもりで試験に臨んでもらいたいと思います。
 もっとも,最近の法科大学院修了生について,黒猫の想像を絶するほど出来が悪いというのであれば,もはや旧試験合格者の目線で試験対策を語るのは不適切なのかも知れません。論文試験は「定義と日本語」の試験だと言った合格者がいるそうですが,きちんとした日本語の文章が書ける人でなければ,ノウハウ本の類に載っている論証パターンや論述の方法論をいくら暗記しても,まともな答案を書けるようにはなりません。
 もともとの文章力に自信の無い人は,予備校の講座を入門から受け直したとしても最終合格できる可能性は低いので,司法試験からの撤退を考えた方がよいかも知れません。そんな人がなぜ法科大学院を修了できるのかという疑問は残りますが,どうせ法科大学院の入学者選抜や成績評価はろくに機能していないのでしょう。

 なお,同じ新司法試験の受験生であっても,予備試験合格者ならまだましな方だと思いますが,平成23年度の予備試験にトップで合格しながら,翌年の司法試験には落ちた人もいるようなので,油断は禁物です。実際に落ちたという人の話を読むと,油断して最低限の試験対策すらしていなかったのが原因らしいので,同じ論文試験でも予備試験と司法試験とでは,求められる知識は同じでも答え方が違うということを意識し,きちんと本試験向けの受験対策をしていれば,このようなことはあまり起こらないと思います。
 昨年の実績を見ると,予備試験合格者の受験生のうち,現役大学生とみられる人はほぼ全員が合格しているのに対し,社会人は結構落ちる人が目立ちます。社会人は仕事が忙しいので,本試験より難易度が高い予備試験に合格するとそれで安心してしまい,本試験の対策に手を抜いてしまう傾向があるのかも知れませんが,新司法試験は手抜きで合格できるほど甘い試験ではありませんし,何より成績上位で合格できないとまともな就職は望めませんので,決して気を緩めることなく頑張って下さいね。

8 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-04-09 10:12:48
>どうせ法科大学院の入学者選抜や成績評価はろくに機能していないのでしょう。

機能してたら、どのローも予備試験なみの合格率があるはずです。合格者数0人や合格率10%以下のローなど、出るはずもありません。
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Unknown (Unknown)
2013-04-09 10:35:11
>もともとの文章力に自信の無い人は,(・・・),司法試験からの撤退を考えた方がよいかも知れません。

よくわからないのですが、趣旨から条文解釈をしていき、論理を丁寧に積み重ねていけば、おのずとまともな文章になると思うのですが。暗記した知識で書こうとするから変な日本語の文章になるのでしょうね。

>どうせ法科大学院の入学者選抜や成績評価はろくに機能していないのでしょう。

これには同意します。小生のローではキーワードが入っていれば及第点をつけると豪語する(クソ)教授がおります。
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Unknown (Unknown)
2013-04-09 23:26:07
こんな状態では入試は機能しません。
合格者1人のときは受験番号1番。
合格者2人の時は受験番号1番と2番。


A日程2人,B日程1人,C日程0人,二次募集1人のような感じです。

A日程は1番と2番,他は1番が合格しているので,合格率100%だと思います。
n 2013-04-09 22:25:46 >>このコメントに返信
3 ■合格発表のリンク
http://www.ls.kagoshima-u.ac.jp/old-info/data/past-news/pdf/24/goukaku_25a.pdf

http://www.ls.kagoshima-u.ac.jp/old-info/data/past-news/pdf/24/11/goukaku-h25b.pdf

http://www.ls.kagoshima-u.ac.jp/old-info/data/past-news/pdf/25/2/goukaku-h25c.pdf

http://www.ls.kagoshima-u.ac.jp/old-info/data/past-news/pdf/25/3/goukaku-h25second.pdf

なんとかしてください。

http://blog.livedoor.jp/schulze/
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Unknown (Unknown)
2013-04-10 04:07:20
白いものをいくら黒いと言っても、結果は現実をシビアに反映するという事だろう。
上位ローは大丈夫という反論が出そうだが、優秀で社会性にも問題が無かったら、こんな制度設計をする業界を志望するだろうか?その答えは既に法学部の偏差値が他学部に比べても転落し続けている点でも明白なのではないか?
検察は袋小路に入ってしまった修習生の希望の綱になっているようだから、それほど実感が無いかもしれない。
空気を読んで相手に合わせる(コミュ力)についてはローからお手の物だろうから、上司の目が行き届いている間は特に一見優秀な人材が揃っているように思えるだろう。
しかし裁判官は既に確実に質が低下してきている事を感じ始めているのではないか。
集団の中のトップ層も、集団の質に伴って変容する。
点数だけの話ではない。
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Unknown (Unknown)
2013-04-11 01:30:41
>空気を読んで相手に合わせる(コミュ力)についてはローからお手の物

同意します。本当にやめて欲しいのは、分かってないのに分かってる振りして適当な仕事をすることです。彼らには教えようもないです。。へんなコミュ力だけつけるはやめてください。
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Unknown (Unknown)
2013-04-11 08:41:27
>分かってないのに分かってる振りして適当な仕事をすること

わからないと言えば出来ない認定される環境にいると、これは責められないかもしれない。
そもそもなぜ身についていないのかという批判については、わかったフリではったり勝負し、他人にレッテルを貼る事で優位に立てる場合も多い事にも原因はある。
そもそもローのカリキュラム自体、純粋未修には原始不能であって、出来ない所は上手くごまかすしかないだろう。

むしろ問題は、面従腹背して装っていても、それを見破るのは至難の業である事だと思う。
その時は法を遵守する事が有利であれば問題無いだろうが、そうでない場合はどうなるのか。
彼らはそもそも建前を順守していては淘汰されてしまう経験を余儀なくされてきている。
今までも法曹の犯罪問題は出ていたが、今後はその比では無くなるのではないか。
今問題を起こしているのはほとんど旧試組だが、世代が交代した後は当たり前になっているのではないかと思う。
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Unknown (Unknown)
2013-04-11 23:46:34
これはまともに読んではいけません。営利目的です。
受け控えさせて,4月から始まる講座に来て欲しいと言うことです。



また,別の記事(受け控えという選択肢)では,このようにも書かれています。

個人的には受け控えというのは嫌いな言葉ですが,
受け控えやむなしという受験生も多数おられます。
おそらく受験しても100%合格しないという人が少なからず存在します。

別に言われるまでもないでしょうが,こんな人が該当します。
択一の模試で点数が取れない。
論文で支離滅裂な答案を書いている。

こういう状態にある方は悪いことは言わないので今年は戦略的撤退をオススメします。
やはり受験回数が勿体ないからです。
その上で入門講座からやり直して下さい。
出来る限り早い方がいいと思います。
要するにLSに行った時間が無駄になっていたのです。
変なプライドを捨てることが次年度の合格に繋がります。

厳しい言い方ですが,何もLSで学んでいなかったのです。
それでは合格できるはずはないですね。
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Unknown (Unknown)
2013-04-12 08:12:21
予備校の講座を利用するかそもそも司法試験受験を続けるかも自己責任だけど、想定されているようなレベルの人が独学で3年以内に合格できるとも思えないけどね。
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