私の頭の中の鉛筆

とりあえず書いておこう

集めておこう

無 頂き物です

2014-05-24 22:53:35 | うた

「法事は亡き人を縁として、今生かされてい
る生命の尊さをかみしめつつ、故人も我も共
にすくってくださる阿弥陀如来の智慧と慈悲
に手を合わせ、その仏恩にご報謝のおつとめ
として行う。」





朝      谷川俊太郎

また朝が来てぼくは生きていた
夜の間の夢をすっかり忘れてぼくは見た
柿の木の裸の枝が風にゆれ
首輪のない犬が日だまりに寝そべっているのを

百年前ぼくはここにいなかった
百年後ぼくはここにいないだろう
あたり前なところのようでいて
地上はきっと思いがけない場所なん

いつだったか子宮の中で
ぼくは小さな小さな卵だった
それから小さな小さな魚になって
それから小さな小さな鳥になって

それからやっとぼくは人間になった
十ヶ月を何千億年もかかって生きて
そんなこともぼくら復習しなきゃ
今まで予習ばっかりしすぎたから

今朝一滴の水のすきとおった冷たさが
ぼくに人間とは何かを教える
魚たちと鳥たちとそして
ぼくを殺すかもしれぬけものとすら
その水をわかちあいたい


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